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明日へと続く物語  作者: カノン
第四章 忍び寄る魔の手
19/23

第4話 死へのカウントダウン

【初めに】

事故により、前回の話【第3話】で投稿した小説を誤って消去してしまった為、覚えている範囲で第3話【異変】を書きなおしました!

物語が進む上での変化はあまりありませんが、作者の暴走でライタとテッドの会話が前回よりもだいぶ長くなってしまいました(>_<)

作者の都合でこのような事態になったことを深くお詫び申しあげます!!

「はあ・・・何でこんな所にこんな物騒な虫が繁殖してるんだろう!これじゃあ危なくて散歩にいけやしない」




少女は一つに束ねられた金色の髪をなびかせると、小さくため息をはく





「こりゃ、囲まれてるっぽいね!しかもすっごい殺気・・・これはピンチの予感!?」


「ギ・・・ギイイイイイイッ」





ヒナがそう呟いた瞬間、暗闇の中から大人の握りこぶし一個分程の赤黒い蜂の形をした生物が飛び出してくると「やっぱりデスキラーか」と呟く





「確かこの虫は【術者が命令した人意外は刺さない】って噂だけど・・・私もそうとう恨まれたもんだ」





ヒナという少女がそう言って、すっと手を前に出した瞬間、目の前まで飛びかかってきていた生物の羽は一瞬の間で氷漬けになり、その周りを飛んでいたデスキラーも少女のかざす風圧で吹き飛ばされていった







すると、この人物には勝てないと本能で判断したのか残りのデスキラーはその場から一目散に逃げていくと、ヒナは「やれやれ・・・」と息をつく






「ギ・・・・ギギ」





「ん?」





息をついた瞬間、突然足元から「ギ・・・・ギギ」と音がなり、ヒナはふと自分の足元を見た


すると、先ほど自分がしとめたデスキラーがか細い声をあげ、びくんびくんと苦しげにうごめいている



それを見たヒナは眉間にしわを寄せ






「大した生命力・・・身体の半分以上が凍りついてるのに、まだ生きているなんてね」






と呟き呪文を唱えると、パキパキと音をたてながらデスキラーは「ギ・・・・」と短い悲鳴をあげて凍りついていった・・・






「・・・ごめん、君も好きでこんな生き物になったわけじゃないんだよね」






ヒナは絶滅して動かなくなった生き物を見て、そう呟いた後


「あいかわらず生き物を弄びやがって・・・命を何だと思ってやがる」


と怒りを隠した静かな声で言うとぎりっと拳を握りしめた





「例え法律が許したとしても、私は絶対あの男を許さない!証拠を見つけた暁には必ずあんたの元に辿りつき、いつか喉元に喰らいついてやる!!」





ヒナはぎゅっと自分の手首に巻いている赤いリボンを握り、ぎりっと唇を噛み締めると





「ジョン・リアンスめ・・・」





と呟いた












第4話 【死へのカウントダウン】












「・・・・・・・」






「・・・眠ったか」






テッドは疲れて無防備に眠るライタの顔を見下ろし、「こうして見ると年相応の顔をしたガキなんだけどな」と呟いた





(それにしても、デスキラーか・・・何でそんなやっかいな奴が観光地にいるんだ!自然界では普通、繁殖ができないとされている・・・・どこかの研究所から逃げてきたのか・・・それとも)





テッドは寝ているライタを除き、病室でひとり頭をひねったその時だった・・・





「申し訳ありませんが、面会時間はとっくに終了しています」





ガラリと部屋の扉が開き、ひとりのナースが入ってくるとどうじにテッドは「お!」と声をあげると


「悪いな、少し話こんじまった」と椅子から立ち上がった




そしてすれ違い様に「なあ、看護婦さん!帰る前にひとつ聞いておきたいことがあるんだ」とナースに声をかけると、彼女は「何ですか?」とテッドの方を見る





するとテッドは「ふっ」と不敵に笑い、懐に挿している剣に手をかけると、威圧をするように低い声で言った






「あんた、こんな殺気まみれで部屋に入ってきて、病人のこいつに何しようってんだ・・・」






「!?」






テッドの言葉にナースは一瞬驚いたような顔をするが、みるみるうちに美しい顔が歪んだ笑みになっていき、そのぞっとするような狂気を含んだ彼女の笑みにテッドは冷や汗をかく





「剣を突き付けられて顔色ひとつ変えないたあ、とんでもねー根性してんな、あんた・・・何者だ?」





「あたし・・・?そうね、挨拶するなら本当の姿のほうがいいかな・・・」






ナースはそう言ってにやりと笑みを浮かべると、その瞬間強い風が吹き、テッドは思わず目を閉じる






(くそ、何で部屋の中で風が・・・!?目を閉じたら殺られる!!)





そう思い再びナースを睨みつけようと目を開けるが、次の瞬間目の前にナース服が脱ぎ捨ててあり、テッドは、「あの女、何処に消えた!?」と警戒するように辺りを見渡した





「ここだよ・・・」




「!?」





突然背後から幼い女の子のような声がして慌てて振りかえると、そこには年端のいかない少女が自分の後ろに立っていて、テッドは思わず目を見開いた






「子・・・ども?」




「子どもって・・・あなた、失礼ね!見た目は子どもかもしれないけど、中身はちゃーんと16歳なんだから!!」




「嘘だろ!?お前、こんなナリで16歳!?ショタにも程があるぞ!?」






黒の混じったさらさらの青い髪のツインテイルに透き通るような青色の瞳が印象的で、その少女の容姿や体型からして、どう見ても16歳には見えずテッドはあぜんとする





「・・・どう見ても12歳、いや・・・多く見積もって14歳位に見える!!」





まじまじとテッドに上から下まで見渡されたのが不快だったのか、少女はムッとした表情で



「ちょっと、じろじろ見るのやめてほしいな!何かいやらしいし、気持ち悪い!」



と言うと、その言葉でカチンときたテッドもぴくりと顔に青筋を浮かべる




「いやらしい?ふん、大丈夫だ!俺はどっちかっていうとお前のようなロリ顔娘より、色気のある女性の方が好みでな!!お前のような【お子様】をそんな目で見るかってんだ」




「な・・・」




その言葉を聞いてあぜんとする少女にむかい「16歳つっても俺から見たらまだガキなんだよ、あと10年程たってから出直してきな・・・この、小娘が!」と容赦ない・・・いや、大人げない言葉をはくと、少女は顔を真っ赤にさせてわなわなと拳を震わせ



「さっきから黙って聞いていれば・・・!」と呟く






そして悔しそうな顔をしてテッドを睨みつけ、少女は大きく息を吸い込むと、彼にとって一番痛手の言葉をはきだした






「あなた、大人の癖にデリカシーという言葉を知らないのね!そんな精神年齢が子どもじゃ彼女すらいないのでしょ、可哀想に!!」





「・・・・・な!?」





くすくすと笑いながら図星をつかれ、今度はテッドが顔を真っ赤にすると「やかましい!?つか大人って、まだこう見えても18歳だっつーの!」と叫ぶ



すると、その声に反応したライタが「一体何の騒ぎだ・・・」と目を覚ますと、ぼんやりとテッドと、向こうであぜんとする少女が虚ろな目にうつった





「18歳って、てっきり20歳を過ぎてると思ってたわ・・・」






少女はテッドの顔をまじまじと見つめ、ぼそりと「老け顔・・・」と言うと、その言葉に敏感に反応を示したテッドは、完全にライタが寝ていることを忘れ



「おい、聞こえてんぞ!誰が老け顔だ!?さっきから人の気に触ることばかりいいやがって!?」


と叫び出す





すると、その声で完全に意識が覚醒したライタはハッとした表情をして


「なあ、テッド・・・お取り込み中悪いが、誰だこいつ?」


と先ほどからの疑問を口にした瞬間だった・・・







「ふーん、やっぱりあなたがテッドなんだ・・・」






少女はライタが起きたのを見て「ちっ」と舌打ちをすると、開いていた窓に足をかけ、テッドに言った





「なるほど、【彼女】の報告通り厄介そうな男・・・こんな嫌な思いをするなら、様子見でくるんじゃなかった・・・」



「様子見だあ?あんな殺気を振りまいておいてよく言うぜ・・・」




テッドの言葉を聞いて少女はにこりと可愛らしい笑みを浮かべるが、その様子を見たライタはぶるりと身震いすると「テッド・・・見た目に騙されるなよ、この女かなりやべーぞ」と耳打ちした




「わかってる・・・」




テッドは窓に足をかけ、ほほ笑む少女に「あんた、さっき様子見つったよな!それに俺のことを知ってる口ぶりだったし・・・一体何者だ!?」叫ぶと、少女は「私あたし・・・?」と言ってくすりと笑う




「そうね・・・今はあなたたちと殺り合うつもりはないけど、いずれはそうなる運命だし、名前くらいなら教えてあげてもいいよ?」





そう言って少女は口を開くと、可愛らしい笑みを浮かべて言った






「私の名前は【アリス】!帝国騎士参謀補佐をしています!よろしくね♪」





「帝国騎士・・・イオスの差し金でメアリーを連れ戻しにきたのか!?」





帝国騎士という言葉にライタは反応すると、アリスは「心外ね・・・」と呟くと、困ったように笑う




「あたしは彼の部隊とは全く無関係な人間よ!それに、メアリー様とやらを連れ戻す任務は主に【イオス部隊】に依頼された任務だし、私達の隊長は【まだメアリー様を、屋敷に連れ戻す時期ではない】と言ってるわ」




「なるほどな・・・確かにあんたがメアリー狙いなら、俺たちに関わるより先にあいつの所へ行くはずだ」




テッドは目をつぶりメアリーの気配を読み取っているのを見て、ライタは「メアリーが病室から去る前に結界をかけたのか」と呟く




「なら、あんたの目的は何だ!?さっきは様子見をしにきたと言っていたが、その様子じゃまだ何かあるようだな」




「へえ、なかなか鋭いのね・・・教えてほしい?」





そう言ってちらりとライタの方を見る少女にテッドは嫌な予感がして、ライタを庇うように前に立つと、アリスはくすりと笑って「そうよ・・・」と言った




「あたしは【あなた】を迎えに来た・・・ただ、それだけよ」




アリスに指をさされ、ライタは「な・・・!?」と声をあげると、テッドは


「ライタを!?何でまた!?」


とアリスに問いかける





「そうね・・・簡単に言うと、あなたの能力に興味があるの!」




「俺の能力・・・?さっきから何をいってるんだ」





そう言って警戒するようにライタはアリスを睨むが、彼女はその殺人フェイスに物怖ともしないで「そうよ」と言った





「あなたは気づいてないようね・・・自分の潜在能力を、でも安心して!その能力、あたし達が目覚めさせてしてあげる」


「ふざけるな!何を目覚めさせてくれるか知らねーが、誰がお前みたいなやばそうな女についていくかよ!?」




ライタはそう言ってアリスを睨みつけると、彼女は「そう・・・残念」と言うと、



「あたし達の隊長だったら、あなたの毒・・・なんとかできるかもしれないのに・・・」



とまるでひとりごとのように呟いた





「!?」


「おい、今何つった!?」




「毒をなんとかできるって、デスキラーの毒のことか!?」



食いついてくるテッドを見てアリスはにやりと笑うと「そうよ・・・治療不可能と言われているデスキラーの毒も例外ではないわ」と言った




「あたし達はあなたの能力の正体を知りたい、そしてあなたはこれから待ち受ける【死】への運命から逃れたい・・・お互い悪い話ではないと思うの」




「ぐ・・・」




アリスは動揺するライタの顔を見て、くすりと笑うととどめの言葉を言い放った





「さあ、選んで?あたしと共に来て助かる道を選ぶか、このまま死んでいくのか・・・・・強制はしないわ、決めるのはあなたよ」





まるで、悪魔の誘惑のような囁きにライタはぐっと手を握りしめると、覚悟を決めたようにテッドの顔を真っ直ぐに見て、口を開ける





「悪い、テッド!俺は・・・」









---------------------------









「全く・・・アリスの奴、ひとりで何処にいったかと思えば」



帝国参謀本部基地のうす暗い資料室で男はゆっくりと目を開けると、仮面越しにくすりと笑う



「なるほど・・・確かに僕は【毒を吸い出す能力】はあるけど、それをダシにされるなんて全く考えもしなかったよ・・・」



仮面の男は「やれやれ」と息をはくと、その近くで待機をしていた部下の一人が



「彼、アリスさんの案に乗るでしょうか」と呟く





「うーん、どうだろうね」





仮面の男はふっと仮面越しに青色の目を細め「アリスもやってくれるね・・・」と呟いた




そう言って仮面からかすかに見える、冷たい青の瞳にその場にいた部下全員がぞっとすると、「彼女の悪知恵はいったい誰に似たのやら」と仮面の男はため息をはく




「でも、死へのカウントダウンを間近に、あの人間がどんな決断を下すのか・・・楽しみで仕方ないよ、流石は僕の妹だ・・・」



「くくっ」と形の整った唇を歪ませて仮面の男は不気味に笑い




「ここまで舞台が整えば、そろそろ彼女も動き出す所だよね」と呟くと





人知れず、誰にも聞こえない程の声でその人物の名前を呼んだ・・・



















【次回予告】語り:テッド・メアリー




『さあ、ライタさん・・・私を選んで?』



突如「自分を迎えにきた」と言って現れた謎のロリ顔の美少女(16歳!)



『ライタ・・・』



脳内に浮かぶは16歳にして、かなりませてる幼馴染・・・




全くタイプが正反対な姉系の【メアリー】と、妹系の【アリス】




同じ16歳の可憐な少女に迫られ、果たして彼が選ぶのはどっちの少女か!?





【帰らずの洞窟第5話:悪魔の囁き】






「姉系の【メアリー】と、妹系の【アリス】かあ・・・くそ!あんな可愛い女の子からお誘いを受けるたあ、やるじゃねーか!ライタ!!



え?ちなみに俺ならどっちを選ぶって・・・?



うーん、2人とも性格で癖が強そうだから勘弁だが、そういうのを抜きにするとやはり・・・・・」



「ちょっと、これのどこが次回予告なのよ!?テッド、ふざけるのも大概にしなさい!?」





                                   続く・・・






・・・えーっと、次回予告がぐだぐだになりました(>_<)

おそらく、暑い中で書いたせいだと思います(汗)

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