踊ることしか能力がないと馬鹿にされた踊り令嬢、国や隣国、魔王にその力を見せつける
馬車に私と、お父様、お母様、三人で乗っております。目的は教会にて、神父様に私のスキルを鑑定していただくためです。
「カナリア、良いか! お前も、聖職に付いて私達夫婦の株を上げろ! そして、最終的には私達をさらに出世させて幸せにするんだ! 分かったな!」
「良い!? お前も、アンジェリアみたいに聖女になって下らないダンスから卒業しな!」
「は〜い」
なんて私はお母様に言われてしまった。
私はムスッとしていた。何故なら私は幼い時から踊ることが好きだったから。
お姉様のように聖女になりたいなんて、あまり思っていない。だから私は教会に行くなんて正直嫌だ。
お父様、お母様は昔から全然分かってくれない、それどころか、私の踊りはつまらない、不愉快になるからやめろ! とまで言ってきます。
お父様、お母様に喜んで欲しくてダンスをしているのに一度も褒めてくれなかった。
でも家族の中で唯一、褒めてくれたのが、お姉様でした。
お姉様は私のダンスを見て、笑顔でいてくれた。癒されると言ってくれた。
だから私は、お姉様のために頑張った。正直、ダンスも上手になったのはお姉様のおかげなのだ。
そう思っていると、教会が見えてきました。もうこれからは好きなダンスは出来ないのね。は〜あ……。
教会に無事に到着致しました。いよいよ、鑑定が始まります。私のスキルは何なのでしょうか? 正直、鑑定されるのは嫌なのですが。どんな鑑定を受けるのでしょうか?
治癒魔法があるだなんて神父様に言われるのでしょうか? それとも……。
ドキドキと心臓の鼓動がなります。
神父様が口を開きました。
「鑑定……踊り!」
「えっ? 踊り? 私のスキル…踊り?」
私のお父様、お母様はポカーンと口を開けていました。でも私は嬉しかった。
「えっ。そうなんだ! 私のスキルは踊りなんだ! やったー、やったー!」
「良かったですな。お嬢ちゃんは昔から踊りが好きだったね」
「はい!」
幸せになっているのもつかの間、バチーンと私の頬に強い平手打ちが飛んできた。
その場で倒れ込む私。
お母様が私を平手打ちしたのだ。
「何するの!? お母様!」
「この役立たず! そんなに下らない踊りがしたければ永遠にしときな! もうお前は娘でも何でもない!」
「ちょっと待ってよ! それってどう言う事……!」
するとお父様の強い蹴りが私の頬に飛んできました。
私の歯はニ、三本折れて口から血が出ました。
私はショックでした。何故、こんな酷い仕打ちを受けなければいけないのか?
踊るの何がいけないの!? お父様、お母様はやっぱり何も分かってくれない。
「私達の前から失せろ、このクズ!」
お父様から口を発せられたのは冷酷な言葉です。そして唾まで吐きかけられました。お父様、お母様はその場から立ち去りました。
私はショックのあまり、暫く泣いてしまいました。
お父様、お母様が最後まで私のことを認めてくれなかったこと、そして、始めて一人になったこと。お姉様は聖女になって一生懸命頑張っているのに、私だけスキルが踊りだなんて、お姉様に申し訳ない気持ちです。
こんなことになるなら、私も聖女って鑑定されておけば良かった……。
すると、肩をトントンと叩かれた。神父様だ。
神父様は悲しみの表情をしている。
「泣かなくて良い。君は何も間違っちゃいない。踊りはね、本来、令嬢にしたらとても高い教養スキルなんだよ。それが身に付いているということはとても良いことだ。だからお嬢ちゃんにはそのスキルを誇って欲しい」
私は神父様に頭を撫でられました。
「神父…様」
「あっ、そうだ。カナリアちゃん、君はさっき彼奴等に見捨てられたね。なんならこの教会で暫くいるかい。神父である私は歓迎なのだが…」
「でも…。」
「いると良い。きっと教会の聖女達も快く出迎えてくれるだろう」
「で、でも…。」
「遠慮しなさんな」
「ほ、本当によろしいのでしょうか?」
「神父に二言はない、約束する」
こうして私は神父様に言われた通り、暫くの間、教会にいることになリました。
何年かぶりに短編小説を投稿致しました。この小説を連載企画にしておりますのでよろしくお願い致します。




