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一瞬の勝利
一瞬の勝利
ある晩、ついにエクが紫の魔石を手にする機会を得た。しかしその瞬間、バルーとジュジュが襲いかかり、必死に取り合いが始まった。魔石を巡って互いの魔力がぶつかり合い、轟音と共に周囲の木々が燃え上がる。ルーはエクのそばで必死に応戦しながら、「これ以上、奴らの思うままにさせてたまるもんですか!」と叫んだ。
炎の中で、バルーは不気味な笑みを浮かべ、「力は奪い取ってこそ価値がある。甘い友情など捨てるのが賢明よ」と嘲るように告げる。ジュジュもまた、エクを睨みつけて「力なき者に未来はない」と言い放つ。ルーとエクはかろうじて魔石を死守したものの、その代償として傷だらけになり、彼らの戦いはさらなる深い闇へと導かれていった。