「傷を癒し、新たなる誓い」
夜が明けるころ、冒険者たちは森の奥深くに退却し、生き残った者たちは息も絶え絶えに倒れ込んだ。生き残ったのはわずか2人、リーダーのイオスと魔導士のフィリアだった。彼らの周囲には、散乱する武器と破れた布が、激戦の跡を物語っていた。
フィリアは震える手で顔を覆い、押し寄せる恐怖と悲しみを抑えようとした。「あの力、どうして私たちが敵うはずがないの…?」声はかすれ、涙が頬を伝った。彼女の目には、仲間たちの最後の瞬間が幾度もフラッシュバックしていた。
イオスは重い息を吐きながら、片膝をついたまま剣に手をついた。「私たちは未熟だった。だが、彼らの命を無駄にするわけにはいかない…」彼の瞳には、深い後悔と同時に、復讐心が宿っていた。失われた51の命の重みが、彼を動かしていたのだ。
森の静寂を破り、遠くでフクロウが鳴いた。イオスは空を見上げ、赤い月がまだ薄く残る夜空に誓いを立てた。「もう一度準備を整え、必ずあの獅子を討つ。輝煌の獅子は強大だが、我々の決意がそれを超える時が来る。」
フィリアはその言葉にうなずき、決意を新たにした。「新しい戦術を考えましょう。魔法も剣も、全てを見直して…必ず打ち破るために。」彼女の手には、まだ震えが残っていたが、その目には再び光が宿っていた。
彼らは静かに準備を始めた。薬草を集めて傷を癒し、武器を研ぎ、新たな魔法の巻物を作り始める。遺跡から遠く離れたこの場所で、静かに復讐と再挑戦の時を待つ冒険者たちの姿があった。