「光と絶望の刃」
輝煌の獅子が遺跡の中央で身をかがめ、一瞬の静寂の後に低く唸るような咆哮を放った。その音は空気を振るわせ、大地を震わせた。冒険者たちはその威圧感に一瞬ひるんだが、リーダーであるイオスが声を上げた。「攻撃開始!」その声で、戦いの幕が切って落とされた。
最前線に立つ剣士たちが一斉に突撃し、弓兵たちは次々と矢を放った。魔法使いたちは詠唱を終え、火炎や雷撃の魔法を放った。しかし、獅子の反応は速かった。銀色のたてがみが一瞬きらめくと、光の防御壁が周囲に広がり、全ての攻撃を弾き返した。
「なんて力だ…!」フィリアが驚愕の声を漏らす。獅子はその美しい瞳を鋭く光らせ、次の瞬間には獲物を狙うように動いた。爪が空を裂き、前列の冒険者たちを無慈悲に切り裂いていく。血しぶきが石畳を赤く染め、悲鳴が次々と戦場に響いた。
「退却しろ!」イオスが叫んだが、獅子はすでに動いていた。彼の命令が遅れたかのように、獅子の巨体が舞うように飛び回り、弓兵たちを一掃した。彼らの無力な体は、次々と地に倒れ、光を失っていく。
剣士たちの数も急激に減り、残ったのはわずかな者たち。フィリアが魔法の杖を握り締め、最後の力を振り絞って氷の魔法を放ったが、獅子はその目で彼女を捕捉し、獰猛な爪を振るって攻撃を無力化した。
戦場は絶望の色に染まり、仲間たちが次々と倒れる中、イオスは剣を強く握りしめた。「このままでは…全滅だ…!」