鏡の中の対決
ギオンはビルの冷酷な言葉に身構え、剣を抜いた。鏡の赤い光が二人の影を長く引き、緊張の糸がぴんと張り詰めた。ビルの目はレッドダイヤモンドを手にすることだけを見据えており、その表情には何の迷いもなかった。ギオンも、ここで引くわけにはいかないと覚悟を固める。
「欲望に溺れているのはお前の方だ、ビル。だが、その執着が命取りになる」
「どうだかな?」ビルが一瞬の隙を狙い、鋭く跳びかかってきた。二人の剣が交差し、金属音が迷宮の中に響き渡る。ギオンは冷静に相手の動きを見極め、わずかな隙をついて反撃に出た。だが、ビルもまた俊敏に身をかわし、攻撃を続ける。
鏡の中では、二人の姿が欲望に歪んだ表情を浮かべながら激しくぶつかり合っている。それは、彼らの内面がむき出しになったような、冷酷で悲しい戦いだった。ギオンは自分の中にも潜むその暗い感情を感じ、かすかな嫌悪感が胸に芽生えるが、今はただこの戦いに集中するしかなかった。
激しい攻防の末、ギオンが一瞬の隙を見つけ、ビルの腕を斬りつけた。ビルは苦悶の表情を浮かべ、倒れ込むが、その瞳にはまだ諦めない強烈な執念が宿っていた。