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欲望の鏡


ギオンとビルが進んだ先に、赤い光を放つ部屋が広がっていた。中心には巨大な鏡が立ち、その鏡面は血のように深い赤色で揺らめいている。ギオンは慎重に周囲を見渡し、ビルも警戒しながら鏡に近づいていった。鏡の前に立つと、二人の姿がぼんやりと映り込んだが、それはどこか現実とは違う、奇妙な歪みを帯びていた。


「これが……俺たちの欲望を映し出す鏡か?」ギオンがつぶやいた瞬間、鏡の中に彼の姿が変化して映し出された。そこには、冷酷なまでに孤独な顔をしたギオンが、自分以外のすべてを見下すかのように立っていた。その姿は、ギオンが心の奥底で隠していた「全てを支配したい」という欲望そのものだった。


ビルはそれを見て薄く笑い、「お前も似たようなもんだな」と皮肉を込めて囁いた。そして、彼自身も鏡を覗き込むと、鏡には手にレッドダイヤモンドを持ち、仲間を背後に倒れさせたビルの姿が映っていた。彼の表情には満足感とともに冷酷な輝きが宿り、欲望に満ちていた。


「俺たちの欲望は……結局同じようなものだな」ビルが微笑むと、その目には敵意が明確に浮かんでいた。ギオンも緊張を感じ、瞬時に剣に手をかけた。その瞬間、鏡の赤い光が強まり、部屋の空気がさらに重くなった。


「ここで終わりにするつもりか?」ギオンが低く問いかけると、ビルは微笑みを浮かべたまま、一歩後ずさりしながら冷たく返答した。


「お前さえいなければ、俺がレッドダイヤモンドを手にできる」


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