325/391
男が石を高く掲げた。眩い光が辺りを照らし
周囲の冒険者たちの顔が浮かび上がる。全員がその光に目を奪われ、刹那の間、静寂が訪れる。だが次の瞬間、男が叫び声と共にダリオに向かって突進した。
「これが最後だ!」男の声が闇を切り裂く。ダリオは即座に身を低くし、相手の攻撃をかわすと同時に、一閃を返した。その刃が男の肩を捉え、血飛沫が空に舞う。男は一瞬よろめき、だが怯むことなくダリオに向き直る。その目には狂気が宿り、彼もまた、この戦いが自らの終わりを意味することを理解しているようだった。
激しい息遣いを交わしながら、二人は再び互いに向き合った。その隙間を埋めるのは、己の信念と、過去のすべてを背負って戦う覚悟。彼らの心には、もはや恐れや躊躇など存在しない。どちらかが倒れるまで、この戦いは終わらない。