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血と欲望の狭間



黒市の中心へと近づくにつれ、冷たい風が肌を刺すように吹きつけ、血と鉄の匂いがより濃厚に漂っていた。ダリオは冷ややかな目で周囲を見渡し、敵も味方もわからない闇の中に自らの足音を刻みつける。誰もが目指すその石、「ブラックオニキス」がすぐ目の前にあるという実感が、彼の胸を熱く燃え上がらせた。


周囲には崩れた壁に身を隠し、呼吸を潜める影が幾重にも潜んでいる。その中には、かつて共に冒険した仲間の面影もあれば、彼がかつて倒した宿敵もいた。だが、今やその全てが無意味に感じられる。ここにいる全員が敵であり、彼が手に入れたいのは過去の絆ではなく、この一瞬の生存権。ダリオの指先が微かに震え、彼はそれを抑えつけるように拳を握りしめた。


「ここで命を賭ける覚悟はあるか?」冷たく響く声が、闇の中からダリオに問いかけてきた。声の主は、「コブラの一派」の男だった。彼は、手に「ブラックオニキス」を掲げ、冷笑を浮かべている。夜の闇に光る石の輝きは、まるで獣が目を光らせているかのように不気味で、挑発的だ。

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