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その言葉に、ダリオは口元を引き締める
確かに彼もまた、目的のために冷酷な選択を取る覚悟でこの場に立っていた。だが、それでもどこかに残っていたかつての仲間としての思いが、この冷酷な光景を前にして淡く揺れていた。わずかな一瞬、思考が止まる。しかしその隙をリースは見逃さなかった。彼は素早く短剣を振りかざし、ダリオに襲いかかる。
だが、ダリオも即座に気を引き締め、素早くリースの攻撃を受け流す。二人の間に一瞬の沈黙が訪れ、その空気には冷酷な決意と緊張感が張り詰めていた。ダリオは攻撃を繰り出しながら、彼の目の奥にある狂気と絶望の影を感じ取る。かつては共に戦った戦友が、今では敵として向かい合い、命を賭けた戦いに引きずり込まれている。その事実が、ダリオの胸に深い哀しみを刻んでいく。
「お前がここで倒れるのは仕方ないさ。結局、裏切り者は最後に独りぼっちになるってことだ」リースが挑発的に呟くが、ダリオは無言のまま、冷徹な一撃を繰り出す。その鋭い動きが、まるで影そのものであるかのようにリースに迫り、リースはその反撃を避けきれなかった。短剣が空を切る音と共に、リースは後方へと倒れ込む。