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ラウラの表情が一変し
殺意がその顔に浮かんだ。「なら、ここで消えなさい、ダリオ!」彼女は素早くナイフを振りかざし、鋭い一撃をダリオに向かって放った。
ダリオは咄嗟に身を翻し、ギリギリでその攻撃をかわしたが、すぐさま反撃の体勢を整え、ラウラに向かって踏み込んだ。二人の間で繰り広げられる激しい攻防は、まるで時間が止まったかのようにその場を支配し、周囲の騒音も霞んでいくようだった。互いに命を奪い合おうとする冷酷な戦いが続き、彼らの動きは闇の中で鋭い閃光のように交錯した。
だが、長引く戦いの中で、ふとダリオはラウラの動きにわずかな隙を見出した。彼はその隙を逃さず、彼女の手からナイフをはじき飛ばし、瞬時に背後に回り込んで彼女を押さえ込んだ。
ラウラは静かに息をつきながら、力を失ったようにダリオを見上げた。「やっぱり、あなたには敵わないわね…」
ダリオは一瞬、彼女のその言葉に何かを感じたが、すぐにそれを振り払った。彼は冷徹な目でラウラを見下ろし、深く息を吸い込んだ。その視線はまるで、彼女の心の奥底まで見透かそうとしているかのように鋭く冷たいものだった。