魔法図書館の試練
ある日、零たちは旅の途中で巨大な魔法図書館に辿り着いた。その図書館は、天井が見えないほど高く、無数の本が棚に並んでいた。本は光を放ち、まるで生きているかのように静かに揺れていた。
「ここは…すごい。」麻美は息を呑んで見上げた。「こんなに多くの知識が詰まった場所があるなんて…」
しかし、図書館の入り口には一つの古びた石碑があり、そこには「知識を得る者は試練を乗り越えよ」と刻まれていた。
「試練か…?」零は慎重にその文字を読み上げた。
突然、図書館の奥から大きな音が響き、巨大な本が一冊、ゆっくりと彼らの前に浮かび上がってきた。その本は自らのページをめくり始め、古代の文字が光となって彼らを包み込んだ。
「何だ…?」零が驚いて声を上げたその瞬間、彼らの周りに幻影が広がった。巨大な迷路が目の前に現れ、その中を彷徨うことでしか答えを得られないという試練が始まったのだ。
「この迷路を抜け出さなければ、知識は手に入らないってわけか。」守田が冷静に状況を把握し、周囲を見渡した。
「でも、この迷路…なんだか変だわ。」麻美が不安げに言った。「進んでも進んでも、同じ場所に戻ってきてしまう…。」
零は眉をひそめ、何か手掛かりを探そうとした。「この迷路自体が、幻なんじゃないか?目に見えるものに惑わされるな…」
その言葉をきっかけに、彼らは目を閉じ、心の目で迷路を抜ける方法を探り始めた。やがて、零の目の前に真実の道が開かれ、試練を乗り越えた彼らは、図書館の奥に隠された古代の知識を手に入れた。