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闇夜
闇夜が深く、霧が立ち込める中、零たちは透明になる魔人との戦いに挑んでいた。
その魔人は姿を消すたびに攻撃を仕掛け、まるで霧の中から現れる影のように、何度も彼らを翻弄していた。
「奴の姿が見えないのに、どうやって対処すれば…?」零は息を切らしながら、霧の中に耳を澄ませた。
その瞬間、風が微かに動いた。次の一手が来る。零は本能的に感じ取ったが、その方向が定まらない。
「零君、あの風の音…何か聞こえない?」麻美が焦りながら問いかけた。
零は風の中の音に集中し、敵の動きを感じ取ろうとした。「…いる。奴は右だ。」
瞬間、零は炎の矢をその方向に向けて放った。次の瞬間、霧の中から透明だった魔人の姿が浮かび上がり、炎に包まれた。
「成功だ!」守田が叫び、即座に攻撃を加えた。3人の連携は見事に決まり、魔人はついに力尽き、霧の中で消滅していった。
「やったな。」零は深く息を吐き、霧が晴れていく中で、戦いの終わりを実感した。