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ルビー
零が手に入れたルビーは、かつて伝説の騎士が所持していたとされるものだった。そのルビーは、持ち主の戦闘能力を飛躍的に高める力を秘めていると言われており、零はその力を試すべく、ルビーを手に持って戦場に立つことにした。
戦いの最中、ルビーが赤く輝き出し、零の体には熱がみなぎった。「これがルビーの力か…!」彼は驚くべき速度で敵を撃退し、圧倒的な強さを発揮した。
しかし、戦いが終わると、体には異様な疲労感が残り、ルビーは次第にその輝きを失っていった。「この石には、力の代償があるのかもしれない…」零はそう感じたが、その後も戦うたびにルビーの力を借り続け、次第にその魅力に取り憑かれていった。
だが、いつしかルビーはかつての輝きを完全に失い、零はただの人間に戻ってしまう。「力には限界があるってことか…」零はそう呟きながら、ルビーを静かに地に埋めた。