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アクアマリン
零たちは森の湖の近くで、透き通るような青いアクアマリンを発見した。この石は「水の精霊の力が宿る」と言われ、その透明さに見とれた零は、すぐにその石を持ち帰った。夜になると、アクアマリンはまるで湖の水面のように波紋を描きながら輝き始めた。
その光景に魅了されていると、突如、湖の水面が揺れ動き、水の精霊が姿を現した。精霊は優雅に舞い、零たちに語りかけた。「この石は、水を操る力を秘めている。だが、試すには勇気がいるわ。」
零は精霊の言葉に従い、アクアマリンを握りしめると、湖の水がまるで彼の意志に従うかのように動き始めた。しかし、次第に水は制御を失い、湖全体が暴れ出す。「この力、扱いきれない!」と零は驚き、精霊に助けを求めた。
精霊は微笑んで湖の水を静め、「力を得るには時間が必要なのよ」と零に優しく語りかけた。その言葉を胸に、零はアクアマリンを大切にしまい、いつかその力を完全に操る日を夢見ることになった。