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ホープダイヤ
ある日、零は市場の片隅で奇妙な輝きを放つ青いダイヤを見つけた。何かに呼ばれるように近づき、手に取ると、その美しさに息を呑んだ。「ホープダイヤ…」とつぶやく店主の声に、零は興味を持った。
「この石は、持ち主に莫大な力を与えるが、同時に恐ろしい呪いももたらすという。手にする者は必ず不幸に見舞われると言われているんだ。」
零は笑って受け流し、ダイヤを購入した。彼はそんな噂を信じる性格ではなかった。だが、ダイヤを持ち帰った夜から、不気味な出来事が立て続けに起こり始めた。
まず、麻美が高熱で倒れた。原因は不明。次に、守田が森の中で突然の落石に巻き込まれ、重傷を負った。零は次第に不安を感じるようになり、ダイヤを手に取って考え込んだ。「まさか…本当にこのダイヤが原因なのか?」
だが、同時に彼は、そのダイヤの強力な力にも魅了され始めていた。もしこの力をうまく使えれば、どんな困難も打破できるはずだ。「この石を使うべきか、それとも捨てるべきか…?」零の中で葛藤が渦巻く中、ダイヤは青く怪しく輝き続けた。