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魔法の筆
麻美が手に入れた「魔法の筆」は、描いたものがすべて現実になるという力を持っていた。彼女が興味本位で風景画を描き始めると、突然その絵の中に吸い込まれてしまった。零と守田も慌てて後を追い、気づけば美しい山や川が広がる絵の中の世界に。
「これ、絵の中の世界か?」と零が周囲を見回すが、風や鳥の声など、すべてが生き生きとしていた。麻美は楽しそうに「自分が描いた風景に入れるなんて素敵ね!」と喜んでいたが、問題はそこから出る方法だった。
「どうやって現実に戻るんだ?」と守田が困惑する中、零は「また絵を描けば戻れるんじゃないか?」と提案。麻美は再び筆を取り、現実の世界を描き始めたが、なかなかうまくいかない。
最終的に、描いたドアから元の世界に戻ることができたが、零は「もう二度と絵の中に入りたくない」と言い、麻美は「でも、また別の風景も描いてみたいわね」と微笑んだ。