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ある夜、3人は異世界の宿屋に泊まることになった。だが、その宿には少し変わった噂があった。それは、特定の部屋に泊まると、夜中に誰かに耳元で話しかけられるというものだった。
「まさか…幽霊とか?」麻美が少し怯えながら聞くと、守田は「ただの噂だろう」と一笑に付した。
その夜、零はその噂の部屋に泊まることになった。深夜、静かな部屋の中で零が寝返りを打った瞬間、耳元で不意に声が聞こえた。「ねえ…起きてる?」
零は飛び起きて、周りを見渡したが、誰もいない。「まさか…本当に?」と冷や汗をかきながら再びベッドに横たわった。
しかし、次の日の朝、守田が微笑んでこう言った。「あの声、俺が冗談で魔法使って囁いたんだ。面白かったよ。」零は怒りの表情で「冗談じゃねえ!」と叫んだが、守田は「悪かった、でも面白かったろ?」と、笑いながら謝った。