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女神からの告げられた言葉が、三人の心に重く響いた。その瞬間、彼らの中で新たな決意が芽生える。麻美、零、守田は、次の冒険へと向かう準備を整えなければならなかった。周囲の静けさが一層深まる中、彼らの心の中では不安と期待が入り混じっていた。
「ダークエルフが妖魔王に協力している理由を突き止めなければならない。」麻美が言った。彼女の声は力強く、その表情には覚悟がにじんでいる。「村を守るためにも、彼らの動きを探る必要があるわ。」
「その通りだ。」零が頷き、神殿の重厚な扉を振り返りながら続けた。「あの神殿には、私たちが知らない情報が隠されているかもしれない。これからの行動が、村の運命を左右するかもしれない。」
守田もその意志を受け止め、「まずは、ダークエルフの足跡を辿ろう。彼らがどこにいるのか、何を企んでいるのかを知る必要がある。」と真剣に言った。三人は互いに顔を見合わせ、その目には決意が宿っていた。
森の入り口へと向かう道すがら、彼らはお互いの存在を頼りにしながら歩みを進めていく。薄曇りの空の下、静かな緊張感が漂う。周囲の木々がざわめき、時折風が吹き抜ける音が聞こえ、彼らの心を一層引き締めた。
「神殿を後にする前に、もう一度中を調べてみるべきかもしれない。」麻美が提案し、立ち止まる。彼女の表情には、まだ神殿に秘められた何かを探し求める意志が映っていた。
「そうだな。何か見落としているかもしれない。」守田が賛同し、再び神殿の中に戻ることに決めた。彼らは静かに足を進め、先ほどの祭壇の方へと向かう。
神殿の中は薄暗く、冷たい空気が漂っていた。光源を頼りに、三人は慎重に祭壇の周りを調べ始める。古びた石造りの祭壇には、何か神聖なエネルギーが感じられ、まるでその存在が彼らに何かを語りかけているようだった。
「ここに何か手がかりがあるはずだ。」零が声を張り上げると、彼の声が静かな空間に響いた。その瞬間、守田は祭壇の下に何かが隠されているのを見つけた。「ここに、何かがある!」
彼はしゃがみ込み、手を伸ばして祭壇の下を探る。埃まみれの手のひらで、古びた巻物を掴み取った。「これ、古代の文献のようだ。ダークエルフについての情報が載っているかもしれない。」
「見せて!」麻美が興奮した声で言い、零もその横に寄り添う。守田は巻物を広げ、彼らの目の前に文字を見せた。「これが、ダークエルフの信仰に関する記録だ。妖魔王に仕える理由が…」
三人は巻物の文字を読み解く。そこには、ダークエルフが古代の力を受け継ぎ、妖魔王に従う理由が記されていた。彼らの信仰の背景、そしてその力の源についての記録が明らかになる。
「この情報があれば、彼らの動向を知る手がかりになるかもしれない。」麻美の目が輝き、希望の光が見えた。「次の戦いに向けて、これを活用しよう。」
「急ごう、村に戻ってこの情報を整理しないと。」零が急かし、守田も頷いた。彼らは再び神殿を後にし、森を抜けて村へ向かう。
道すがら、彼らの心には明確な目標が宿っていた。ダークエルフの行動を探ることで、村を守るための手立てを考える。そして、妖魔王との対決に向けて、さらに強固な準備を整えていく。
村に到着した三人は、すぐに集まった村人たちに巻物の内容を説明する。「私たちが得た情報を元に、ダークエルフの動向を把握し、村を守るための対策を立てます。」麻美が村人たちに呼びかける。
「これから、私たちが一致団結して、村を守るために立ち上がる時です。」守田の言葉に村人たちは頷き、互いに助け合うことを誓った。
静かな夜が村を包み込む中、三人は再び決意を新たにする。次なる試練が待ち受けていることを知りながらも、彼らは立ち上がり、共に戦う準備を整えていた。