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■126

広場での祝賀会が盛り上がる中、突然、空気が変わり、静寂が広がった。麻美、零、守田の三人は、その異変に気づき、互いに顔を見合わせた。

すると、彼らの心の中に響くような声が聞こえてきた。それは女神の声だった。


「待たせたわね、冒険者たち~!今、あなたたちに新たな任務を託けたいの。」


三人は驚きながらも、直感的に女神の声が自分たちを呼んでいることを理解した。麻美は心の中でその声に耳を傾け、何が起こるのかと期待と不安が交錯する。


「新しいオアシスが見つかったのだけれど、魔物のユニコーンがその場所を独占しているの。人間を追い払うために、威嚇しているのよ。」女神の声は少し楽しげでありながらも、真剣な響きを持っていた。


「ユニコーン…?」守田が呟く。彼はその神秘的な生き物について思いを巡らせる。「あいつがそんなことをするなんて…」


「そう、でもこのオアシスは人々が必要とする貴重な場所なの。だから、あなたたちにそのユニコーンを説得してきてほしいの。」女神の声は柔らかいが、内容は明確だった。


「説得?」零は困惑した様子で口を開く。「どうやって?あのユニコーンは神秘的な存在だし、簡単に従うとは思えないけど…」


女神はその質問に軽やかな口調で続けた。「お土産においしい人参を持って行って、仲良くなってみて。人参の味で心を開かせることができれば、きっと話が進むはずよ~!」


「まさか…人参で説得って、無茶ぶりじゃない?」麻美は目を丸くして言った。彼女の心の中には、疑念が渦巻いていたが、それでも仲間のために全力を尽くす覚悟を固めた。


「よし、やってみよう。」守田が決意を込めて言った。「ユニコーンがどういう存在でも、俺たちなら仲良くなれるはずだ。力を合わせていこう。」


「でも、どこで人参を手に入れればいいの?」零が考え込みながら言う。「町に戻って買ってくるのも時間がかかるし…」


麻美はその問いに応え、周囲の草木を見回した。「もしかしたら、近くにある農家に行けば、直に人参を取りに行けるかもしれない!」


「じゃあ、さっそく行こう!」零が言うと、三人は新たな冒険に向けて立ち上がった。彼らの心には、女神の指示を果たし、ユニコーンと友好を築くという新たな目標が刻まれていた。


町の外れにある農家へと向かいながら、彼らはお互いの顔を見合わせて笑顔を交わす。たとえ難しい任務でも、仲間たちと一緒なら乗り越えられると信じていた。

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