■121
戦闘が続く中、キメラの動きはますます激しさを増していた。守田、零、麻美の三人は、協力してその脅威に立ち向かっていたが、キメラの攻撃は予想以上に凶暴で、周囲には戦いの激しさが満ち溢れていた。
「来るぞ!」零が叫ぶ。彼の声が森の中に響き、麻美と守田は互いに目を見合わせて決意を固めた。だが、キメラはその巨体を揺らし、彼らに向かって突進してきた。
麻美は、冷静に風の力を感じ取りながら、キメラの動きを注視していた。「やっぱり、キメラの攻撃は鋭い…」彼女の心の中で緊張感が高まる。
「麻美、後ろだ!」守田が叫ぶが、彼女の反応が間に合わなかった。キメラは一瞬で彼女の背後に迫り、その爪が空気を切り裂いていく。
「いやあああ!」麻美の叫び声が耳に響く。その瞬間、鋭い痛みが彼女の肩を貫いた。彼女は一瞬、何が起こったのか理解できずに立ち尽くした。
「麻美!」零が振り返り、驚愕の表情を浮かべる。「大丈夫か?」
麻美は痛みに顔をしかめながら、なんとか立ち直ろうとした。肩から流れる血が彼女の服を赤く染めていく。「大丈夫、まだ…戦える…」彼女は強がって言ったが、その声はどこか弱々しかった。
守田は麻美の元へ駆け寄り、彼女を支えながら言った。「無理しないで、麻美!後ろに下がれ!」
「いいえ、私は…まだ戦えるの!」麻美は意地を張り、痛みをこらえながらキメラに向き直る。彼女の目には、仲間を守るという強い意志が宿っていた。しかし、キメラの攻撃は容赦なく続いている。
再びキメラが突進してくる。「避けろ!」零が叫び、彼女に注意を促す。しかし、麻美はその場を離れることができず、力を込めて風を呼び起こす。
「風よ、私を守り給え!」彼女が叫ぶと、周囲の空気が動き、風のバリアが彼女を包み込む。しかし、その瞬間、キメラの爪がバリアを突き破り、再び麻美の体に襲いかかった。
「うああああ!」麻美の叫び声が響く。彼女は一瞬にして膝をつき、地面に崩れ落ちた。キメラの強大な力に押しつぶされ、彼女の体は限界を迎えようとしていた。
守田の心が締め付けられる。彼は恐れと焦燥感を抱えながら、麻美を助けようと必死に思考を巡らせた。「ダメだ、麻美を助けなければ…!」
「麻美、頼む、立ってくれ!」零も叫び、仲間を助けようと必死になった。だが、麻美は体を起こすことができず、ただ苦痛に顔を歪めている。
「行け、俺たちが守るから!」守田はキメラに向かって突進し、全力で攻撃を仕掛けた。「空間よ、我が意に従え!」彼の叫びが響く中、彼の周囲の空気が渦を巻き、キメラの動きを一瞬止める。
麻美の視界はぼやけ、意識が遠のいていく。「ごめん、みんな…」彼女の心の中で、仲間に対する申し訳なさが募っていく。
その瞬間、守田の攻撃がキメラに直撃し、力強い反撃が彼の心を奮い立たせる。「お前は倒せる、絶対に倒す!」彼は仲間のために力を振り絞り、再び攻撃を続けた。
麻美の意識が薄れそうになる中、彼女は仲間たちの声を感じ、心の奥で彼らの絆を感じ取った。「ごめん、でも…頑張らなきゃ…」彼女は意志を強く持ち、再び立ち上がろうとする。
「麻美!」零が叫び、彼女の名を呼ぶ。守田も彼女に視線を向け、「お前は仲間だ、絶対に諦めるな!」その言葉が麻美の心に響く。
彼女は痛みをこらえながら、再び立ち上がろうとする。