01 なぜか未来に来ました。
………ん?ここはどこだ?
確か…俺は萩原、21歳。硫黄島で徴兵された新米兵士として戦ってて…藤原が隣にいた。そして一緒に戦ってる最中に気を失って、気がついたらここにいた。大丈夫だな、覚えてる。
問題はここがどこなのかだ。倒れたから野戦病院?いや、こんな頑丈な作りでこんな綺麗なはずがない。あと…手足を縛られてる時点で野戦病院じゃないのは明らかだ。
じゃあどこだ?アメリカ軍に捕まったのか?それとももう既に殺されていてここは死後の世界?死後の世界だけは嫌だなぁ…とか色々思っていたら…
「お目覚めですか?」
声が聞こえた!今絶対声が聞こえたよ!しかも日本語!でもなんで寝ていた…というより気絶していたのを知ってるんだ?まぁそんなことはどうでもいい。今は助けてもらうことが重要だ。
「はい!助けてください!手足を縛られてるんです!」
これで助かるだろう。そう思ったら…
「無理だな。」
さっきとは違う声がした。これは…英語か?
実は英語はそれなりにできるのだ。まぁほとんど独学だけどね。
そんなことを考えているうちに部屋にあったドアが突然開いた。そして謎の二人…日本人っぽい人と…THEアメリカ人の様な人が入ってきた。日本人の方は女性、アメリカ人の方は男性だ。日本人の方は身長が160cm程度で体格はどこにでもいそうな感じ。アメリカ人の方は身長が170cmぐらい。よく見る外国人みたいに体格が日本人とは比べ物にならない。
色々考えている内に日本人の方がしゃべりだした。
「あなた、よく寝てたわね。」
「どれぐらいですか?」
「3日間よ。」
うわっ…そんなに寝てたのか…って、そんなことはどうでもいい!なんでこんな状況なんだよ!
「そんなことより、あなたたちは誰なんですか?」
すると二人はかすかに笑ってこう言った。
「別班よ。」
「CIAだ。」
「息ぴったり!」
「「うるさい!」」
この人たち仲良いなぁ。というか、どっちも聞いたことがないな。そんなことを考えているうちに日本人の方が話し出した。
「きょとんとしているような顔ね。まぁ、今から説明するわ。まず私、『別班』というのは今の日本の諜報機関よ。そして…」
続いてアメリカ人の方が話し出した。
「俺が、アメリカの諜報機関『CIA』正式名称はアメリカ中央情報局の隊員だ。」
そしてまた女性が話し出す。
「どうせ話してても最初は信じられないと思うけど、なぜこうなっているのか理由を説明するわ。まず、あなたは過去…大体、第二次世界大戦のあたりから現在の2010年までタイムスリップしてきたの。」
はいぃ!?2010年!?今は1945年だろ!?それとタイムスリップ!?そんな非科学的なことが起こるはずがないだろ!
「これがカレンダーよ。2010年になってるわよね?」
俺は一瞬目を疑ったが、確かに2010年になっている。
「確かに…でも、カレンダーなんかいくらでも偽装できるだろ!何か…そう、あれだよ。1945年あたりから見て未来のものっぽい物を出してみろよ!」
これで未来かどうかがはっきりする。まぁどうせ出せないだろうけど…
「そうねぇ…これなんかどう?」
え、あるの?そして女が出したのは…
「なんだこれ?」
「『スマートフォン』って言うの。略せばスマホよ。あなたの生きてた時代なら、電話というのはあるわよね?」
「まぁ、ありますよ。それがどうしたんですか?」
そして女はまたかすかに笑いながらこう言った。
「このスマホに、その電話という機能が付いてるのよ。」
「ええええええええ!?」
あのでっかい電話がこの小さい機械に入ってる!?そんなわけあるか!
「一度試してみましょう。ベンさん。一回外に出て。」
ああ、このアメリカ人はベンっていうのか。
そしてそのベンという人は部屋の外に出た。そして女が話し出した。
「じゃあ、このスマホからベンのスマホに電話するわよ。」
そして女はそのスマホとやらを少しいじった後に俺の前に持ってきた。すると…
「聞こえるかな?」
ベンの声が聞こえた!え?マジで?さっき部屋を出て行ったよな?ありえん!
「信じてもらえたかしら?」
いや!そんなはずない!
「ろ、録音機って可能性があるだろう?まぁそれでもこんな小さいのはおかしいが…」
「じゃあ、質問してみたら?この機械に向かって。」
え?質問?何がいいかなぁ…じゃあ。
「好きな食べ物は?」
「ハンバーグ」
「好きな和食は?」
「寿司」
「好きな果物は?」
「メロン」
「わかった!もうこれ2010年だわ!oh yeah!」
「母音コンプリート。」
「ベンさん、うるさいわよ。そんなことよりあなた、納得できたかしら?」
「は、はい!」
「それはよかった。」
まぁ、2010年だと言うことはわかった。でも、なんで2010年なんかにタイムスリップするんだ?そもそもなんで俺がタイムスリップしたんだ?ということで色々質問していきましょぉう!