7の世界
「ななみ、おやすみ。」とママの声。
今日は、絵本の時間がなかったな。
ななみは、いつも絵本の世界に行ってみたいと思っている。
ななみは、お姫様がでてくるお話が大好き。
ななみもお姫様になってみたいな。
うたうとしながら、眠りについた。
「ななみ姫、こちらへ。」と声が聞こえる。
「えっ?ここは?あなたは誰?」とななみが言った。
あれ、私綺麗なドレス着ている。
なんで?
「ここは7の世界。私はタツノオトシゴと申します。ななみ姫を7の世界に案内するのが今日の僕のお仕事です。さぁ、ついてきて。」とタツノオトシゴは言った。
タツノオトシゴがウィンクすると、体がふわっと浮いた。
そのまま私たちは空を泳いだ。
「あれを見て、ここは7人の小人が働いている場所だよ。ここでは1人1人、音を作っているんだ。」
赤色の小人がドを作っている。
黄色の小人がレを作っている。
緑色の小人がミを作っている。
橙色の小人がファを作っている。
空色の小人がソを作っている。
紫色の小人がラを作っている。
桃色の小人がシを作っている。
音は音符になった。
7人の小人が7この音符を作った。
そして、時間が経つと音符はおたまじゃくしになった。
赤色のおたまじゃくし、
黄色のおたまじゃくし、
緑色のおたまじゃくし、
橙色のおたまじゃくし、
空色のおたまじゃくし、
紫色のおたまじゃくし、
桃色のおたまじゃくし、
みんな空を泳ぎ始めた。
そして手が生えて、7つのおたまじゃくしが手を繋いだ。
おたまじゃくしのしっぽから、色が出てくる。
空には七色の虹がかかった。
それはとても綺麗な虹だった。
虹の下には、カエルが7匹。
みんなどこかへ行ってしまった。
虹が薄くなり、海に溶けていく。
海は太陽でキラキラしていた。
「次は、海の中に行きましょう。」とタツノオトシゴが言った。
タツノオトシゴがウィンクすると大きなシャボン玉のようなものが出てきて、その中に入った。
そして、海の中に入った。
ゆらゆらとダンスをするワカメ。
のんびりお散歩するクジラ。
お友達と遊んでいるイルカ。
追いかけっこをしている魚たち。
それを眺めるカメ。
「海は大きくて広くて、7つあるんだ。」とタツノオトシゴは言った。
ななみは、海がとても好きになった。
「まだまだ7の世界を案内したいけど、お別れの時間がきたみたい。今日のことは秘密ね、またね。」と言ってタツノオトシゴは海の奥へ消えていった。
「ななみ、おはよう。いい夢みてたのかな?」
優しい大好きなママの声が聞こえてきた。
「うん、ひみつの夢みた。」
ななみは、にっこり笑った。