第五話『一件落着』
僕 :『和哉、ありがとう。無事終わったよ。そっちも頑張れ』
和哉:『お疲れ様、僕の努力が無駄にならずに済んだことにホッとしたよ』
僕のメッセージを待っていたのか、すぐに返信が来た。
僕 :『本当、和哉のおかげだよ。ありがとう!約束通り、カラオケで打ち上げな!』
和哉:『あぁ、約束通り奢りだからな。報酬としては安いけど、まぁ友達割引してやるよ』
僕 :『助かるよ。あ、もうすぐ紗代がそっちに行くと思うから、和哉も頑張ってな』
和哉:『おう!ちゃちゃっと別れるわ!』
さて、僕も移動しよう。
このファミレスは、御代と和哉の集合場所から近いから、僕と和哉が一緒に居るところを見られる危険性がある。
だから、なるべく離れたところで集合しないといけない。
僕も御代と同じように早足気味にレジに向かい、二人分の会計を済ませて、ファミレスを後にした。
*
和哉との集合場所であるカラオケ店に到着すると、スマホが着信を知らせて来た───画面には『和哉』の文字。
「終わったか?」
『あぁ、終わったよ。お前はもうカラオケ着いたか?』
「今店の中に入ったよ。御代には見られてない筈……というか早かったな。今までの腹いせに、わざと集合時間から遅れて行ってやる───って言ってなかったっけ?」
『そのつもりだったんだけどな、馬鹿馬鹿しくて止めた。ちゃっちゃと別れたかったしな』
「……やっぱ怒ってたか?」
『そりゃあ、もう。「もういい!!」っ怒鳴ってどっかいって終わったけど、通行人の視線が痛かったよ』
「……ごめん、最期まで面倒な嫌な思いさせて」
『気にすんな、友達だろ?それよりも、受付済ませといてくれ。もうすぐそっち着くから』
「あぁ、分かったよ」
感謝の気持ちを抱きながら電話を切る。
……今日は、和哉感謝祭だな。




