第一話『ファミレスにて』
前作を読んでくださった皆様、ありがとうございます!
そして、今作もよろしくお願いします……多分とがってます。
日曜日の昼前、まだ人がまばらなファミレスに、カノジョを呼び出した。
「良い度胸じゃない」
嫌がられて、断られると思ったが、意外にも、呼び出しに応じてくれた。
何か裏があるんじゃないか、来ないんじゃないかと不安に思っていたが────結局、当初の予定通り、僕の対面の席に御代が不機嫌に座っている、この状況を作り出すことに成功した。
*
堀田御代───僕のカノジョ。
綺麗な黒髪を腰まで伸ばし、整った顔立ちで人柄も良い。クラスでも中心となって活躍する場面が多く、最初は僕の恋人だということを僕自身が信じ切れないでいたもんだ。
……ドッキリだったら、まだ良かったのかもしれないな。
彼女の容姿に関しては、本物だ。美少女と言っても差支えはないのかもしれない──アイドル顔負けは言い過ぎなのかもしれないが、それを補って有り余るくらいに、僕は彼女の内面を好きになった。
優しさ、明るさ、趣味の合いよう、そういった内面を好きになった、のだが────それはすべて偽物だった。
内面の良さは偽物、本当の御代は──……。
*
「それで、大事な話って?この私を呼び出したんだからくだらない用事だったら……分かってるわよね」
呼び出されたのが不満なようで、不機嫌な彼女。
そんな彼女に無意識に怖気づいてしまうが、しかし、この機会を逃すわけにはいかない。
「急に呼び出したのは、謝るよ……でも、大事な話なんだ。僕たちの、今後に関わることだから────」
鞄からスマホを取り出し、フォルダの中から一枚の写真を表示させる。
「───これ、どういうこと?」