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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

番外地2『落ちこぼれ女魔法使いから悪役令嬢への告白』

作者: 花澤悠

貴女が、好きです、と。

いえないのはねぇ、

じぶんに自信がないからなんですよ。


貴女のこと、

むかし、大嫌い

(うそ、大嫌いでは、なかったなぁ)

だった頃が

よかったよ。


ふつうに、喋れたし、

ふつうに、バカにしてた。

なんか、へんなからみかたしてくる

へんな女だなぁ、と

ちょっとだけ気になってたけど

べつに目が合うだけで

身体が固まるみたいな

そんないまみたいな私ではなかったよなぁ。


あのときだ。


なんだかわけわからなくなって

だれかれかまわず毒づいて

しなだれかかって

傷つけて、

それを

喜んで、

それがつらくって、

乾いた笑いが止まらない

気が狂ったみたいな

大失恋のあとのこと。


貴女だけが、

私をちゃんと叱ってくれたから


そのときから、

私はだれよりも早く

貴女じしんよりも早く

貴女の本心を知りたいと、思ったんだ。


叱ってくれたのは、

私のためなの、

叱ってくれたのは、

私のためなの、

叱ってくれたのは、

私のためなの、


そのあと野となれ、山となれ、よ。

貴女のことだけ考えて、

考えても考えても、

私じしんよりも

私のことを好いてくれてるとしか

思えなくって。


ヤバイ、それって、こっちが貴女を

好いてるってこと?


そーんで。


そっからが、もう。


……笑っちゃうほど、愚かな恋……


よ。


意識してし過ぎてじぶんでも

面白くて笑っちゃうほど

貴女のこと意識してしまって、さ。


まともに、貴女とは

つきあえなくなっちゃった。

へんに、距離あけて、

会えるのに会えないって

ウソついてみたり、

目と目を合わせることさえ

ふつうにはできなくなっちゃった。


だから、貴女のせいじゃ、ないよ。

私の心が

貴女のこと好き過ぎてるのが

いけないだけなんだ。


貴女はそんなに

気にしてくれなくていいよ。

なにひとつ悪くないんだから。


あッ、違う。

いまだ、今。

いまいうんじゃない?

あのセリフ。


悪いのは、貴女だよ。

だって、こんなに私を、

貴女のこと、好きにさせるから。

悪いのは、

貴女なんだよ。




ハハハハ。

でもね。

ホントはね。

貴女が、好きです、と。

いえないのはねぇ、

じぶんに自信がないからなんですよ。

ホント、ダメなんですよねぇ、私。


って、どう?

こんなの、

どれだけ貴女のこと、好きか

伝わった?


あ、なによ、その目。

そんな目で、みないでよ。


ホント、好きなんだからねッ!


(なにそれ?)

(逆ギレして、好きって、言ってんじゃん?)


あら、ごめんなさい、

って、謝ることでも、ないよねぇ?

私、

告白、してしまいました。


お返事は?


(………)


でしょう?






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