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【完結】この男に甘い世界で俺は。〜男女比1:8の世界で始める美味しい学園生活〈 SNSラブコメディ〉  作者: 漂鳥
第3部 バージョンアップ編

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3-16 加護エネルギー

 

 可愛らしいピンク色の日記帳の真新しいページ。

 津々木くららは、最近そこに書きたされた攻略対象一覧を熱心に眺めていた。


「う〜ん。この学園はあらかたチェックし終わったけど、やっぱり高三男子がダントツにイケてる。中でも高三Aね。だってTVCMに出ているような芸能人までいるし」


《逆ハーレムエンドを目指す場合、同学年に対象を絞った方が成功率が高いという試算結果が出ています》


「それは分かってる。接触時間の影響は大きいもの。でも言ったでしょ? 攻略対象の(クオリティ)には妥協しないって」


《この学園は、本来の攻略対象校ではありません。そのため、無理な計画には大量のリソースの消耗が危惧されます》


「リソースってなんの?」


《設定割り込みをするために要するリソースです》


「それがよく分からないのよね。安土桃山学院でやってみて、以前プレイしていた乙女ゲームより難易度が高くなってるっていうのは理解したわ。でも、ゲームとしての基本は同じはずでしょ?」


《基本とは?》


「攻略対象の好感度を上げて、イベントを起こして、私に夢中にさせるの」


《本来の攻略対象であればそうなります》


「じゃあ、今回はそうじゃないっていうの?」


《設定割り込みに成功しないと、好感度を数値化することや、好感度上昇に伴ってイベントを起こすことができません》


「えっマジ? やだ面倒くさい。違う高校だから、乙女ゲームとしてプレイするには、設定から始めないといけないってこと? じゃあ、パッシブスキルの【私の(とりこ)】が効かなかったのもそのせい?」


《【私の虜】はマスターの固有能力なので、設定とは直接関係ありません》


「だったら、なんで効かなかったの? 安土桃山でも魅了耐性が高い攻略対象には効きにくかったけど、この学園のキャラには軒並み無視されてるのよ。いくら何でも変じゃない?」


《学園全体に魅了系スキル無効化の仕掛けが施されている可能性があります》


「なにそれ。つまり、誰かに攻略を邪魔されてるってこと?」


《侵入前は察知できませんでしたが、このところその気配が濃厚になってきました》


「やだ。せっかく超イケメンが揃ってるのに、さらに難易度アップとか。あっ、でも。学園全体にってことは、学校外ならスキルが効くってことよね?」


《そうなります》


「じゃあ、通学路で待ち伏せして【いたいけな子猫ちゃん】を発動すれば、取っ掛かりはできるわね。【私の虜】さえ効けば、もうこっちのもの。うふふ。待ってて私のイケメンたち。全員揃って私に夢中にさせてあげる。目指せ逆ハーエンド!」


 ◇


 玄関のポストに、頼子さんからのメール便が届いていた。なんだろう? 早速リビングで開封してみる。


「お兄ちゃん、なにそれ? ストラップ?」


「うん。六角プリンの販促用(キャンペーン)の景品……の見本品だって。妹さんにもどうぞって同じのが二つきてる」


 今回送ってくれたのは、プリンをデザインした方だった。俺のフィギュアの方は、出来上がるまでもうしばらく時間がかかるそうだ。このあいだ話を聞いたばかりだから、それでも十分早いと思うけど。


「本当? 見せて見せて。おー。プチプリンがついてる。容れ物がちゃんと六角形だ。一緒に刀や槍がぶら下がっているのが可愛いね」


「一見ミスマッチな気もするけど、案外いいね。多分これ、ゲーム内のショップで売っている武器だよ」


「模様とか色とか、結構細かくできてる」


「ついこの間コラボの話が出たばかりなのに、凄い早業だよね。結衣はどっちがいい?」


「えっとね。じゃあこっちの赤い刀が付いているのにする。わーい。ありがとう、お兄ちゃん!」


「くれたのは頼子さんだから。お礼のメッセージ入れておくといいよ」


「うん、そうする。早速つけちゃおっと!」


 結衣は日頃からプリングッズを集めているから、本当に嬉しそうだ。「私のラッキーカラーはプリンイエローとカラメルブラウン!」って言ってるくらいのプリン好きだしね。実際、結衣は黄色い服がよく似合う。



 自室に引き上げて、俺もスマホにストラップをつけていると。


《ポーン!》


《プリンクエスト「極上六角プリンを宣伝しちゃおう」その④「キャンペーンコラボ」進行中です》


「これもクエストなの? もしかして、関連ありそうなものを適当にクエストだって言ってない?


《派生イベントはクエストに含まれます》


「そうなんだ? クエストだと何かいいことでもあるの?」


《クエスト認証されると、成果が確実にマスターの実績として換算されます。それにより供給エネルギーの増大が見込まれるので、マスターの願望成就のためにはとても有用です》


 願望……俺って何を願ってたんだっけ? 俺のことだから、好きなだけ美味しいものを食べたいとか、そんなことだろうけど。


《概ね正解です》


「もしかして食べても太らないのは、日記帳のおかげだったりする?」


《体型及び健康の維持は願望に含まれる項目だと解釈しています》


「もしかして、無茶食いしても成人病にならないの?」


《健康補正には、その程度に比例してエネルギーを消費します》


「つまり、食べ過ぎはダメってこと?」


《ダメではありませんが、無理をするほど多大なエネルギーを消費します》


「つまり。健康を気にせず、美味いものをたくさん食べたければ、プリンを普及しようってことか」


《マスターの願望は、生涯に渡り長く継続性があるものです。願望成就に必要とされる累計消費エネルギーは、相当に大きなものになります》


「一回一回はたいしたことがなくても、長い人生を考えたら、エネルギーを溜めておくに越したことはないってことか。生きている限り『食』は切り離せないものな」


《さらに、この世界には目に見えない神々の競争があります。より多くのエネルギーを確保するためには、競合する系統の神々の中で、より優位に立つ必要があります。加護神の神威が増すほど、マスターがこの世界で生きやすくなるのは確かです》


「分かった。稼げる内にそのエネルギーとやらを沢山稼ごう。是非とも健康なまま長生きしたいしね」


《共に頑張りましょう。願望成就に向けて私もできる限りのお手伝いを致します》


「うん、これからもよろしくね!」




この男に甘い世界で俺は。第三部 [了]


⭐︎ーーー⭐︎本作をお読み頂きありがとうございます⭐︎ーーー⭐︎

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代償θ〜転生に出遅れたけど、才能溢れる大貴族の嫡男に生まれたので勝ち組かもしれない 精霊に愛される転生者の物語(カクヨム )

   

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