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ダブル・アビリティー  作者: はやぶさ7ごう
第一章 氷の王編
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第七話「氷鎧と獅子」

こんにちは、はやぶさ7ごうです。

最近筆の進みがいい。しかし駄文である。

 エドワードは大きく吹っ飛ばされ、壁に激突、前のめりに座り込む。しかし、氷の鎧が砕けたのみで、ダメージは大きくないようだった。


「数秒間の重力、なかなか溜まるもんだな。けど、これじゃお前は倒しきれないか。」


 吹っ飛ばされたエドワードは、おもむろに立ち上がる。


「………油断した……まさか貴様に先手を取られるとはな、やはりトリッキーな能力なその能力、こちらも本気で相手取らねばなるまい。」


 すると、エドワードの腕を再び氷が覆う。一見すると先の鎧を修復しているようだが、その氷は一回り大きい。更に、同様の氷が脚をも覆う。

 そして、その氷は先と同様に砕け散る。

───隆々とした獣の如き氷を残して。


「〈四肢獅子(ししじし)〉」


 屈強な腕部、重厚な氷の鎧は、氷の王に相応しい獅子の姿を形容していた。


「私の〈四肢獅子〉形態は、王たる力だ。孤高にして豪傑、その象徴だ。」


「ふっ、何かと思えば、氷細工かよ。百獣の王の強さにあやかって勝とうって腹かぁ?」


「減らず口を叩くのも今のうちだ。直に貴様は、私の強さに恐怖する。」


 実際、軽口叩いたランチは警戒していた。単純にあれだけの隆々たる腕の人間の殴打を受ければひとたまりもない。ましてやその腕は、最強の獣の腕に等しい様相だった。

 瞬間エドワードは地を蹴る。人間を超越したスピードで、あっという間に距離を詰める。摩擦力消去のみで相対できるスピードは優に越えていた。


(まずい…跳ぶか?いや、さっきは摩擦力消去分で跳べたが、今は力がねえ、普通のジャンプじゃヤツの対応が優って隙になっちまう……!ここは一か八か……!)


 エドワードの獅子の拳がランチに炸裂する寸前、ギリギリのところでランチは横に回避する。


(よし、この位置なら腹に一発カウンターを入れられる…)


 傾いた体勢のまま蹴りをかまそうとするランチ。


 しかし、エドワードの反射は凄まじかった。避けられた正に直後、瞬時に体勢を転換、追撃に出る。意表を突こうとするランチの体勢がかえって不利になった。


(ッ!?マジかよ)


 エドワードは左に拳を構え放つ。崩れた体勢のランチはガードが手一杯だ。


 ランチがエドワードの獅子の拳をガードした瞬間、バキリという鈍い音がした。ガードしたランチの左腕が折れたのだ。


(ッ!!)


 激痛に、ランチは思わずガードを解くが、エドワードの威力は留まらず、そのままランチの胴体を捉える。凄まじい衝撃がランチを襲う。そしてそのまま、ランチは先のエドワードとは反対方向へ吹き飛ばされる。


「理解したか?これが私の実力だ。恐れ入ったろう、この王たる力に。」


 吹っ飛ばされたランチは、意識はまだあった。しかし、一撃で左腕と肋骨を骨折し、吐血する程の衝撃を受け、恐怖を覚えていた。


(ヤバい……一撃でえげつないダメージだ。こんなのと真っ向から戦ってたら1分経たずに死んじまう。おまけにあの氷の装甲……重力消去でも氷を砕くまでしかいかない防御力、こいつ、とんでもなく強い……)


「私は戮滅(りくめつ)の王を倒し、兄の仇を取るため、対戮滅の王決戦兵団を創設する。そのため、貴様らにはその兵団に入ってもらいたかった。今からでも遅くはない。兵団に入らないか?」


(くっ、ここはせめて、ナイトかモーニンが来るまでの時間稼ぎをした方がよさそうだ……)


「兵団?おいおい、アンタのその実力で兵団がいるのかよ、その戮滅の王って奴を倒すのに。だいいち、アンタの兄貴は殺されちまったのかよ?」


 ランチは痛みと流血を押して質問する。


「……よかろう、冥土の土産に教えてやろう。」
























───一方、モーニンと衝撃波使い・アフタン


「んで、その戮滅の王ってのは何なんだ?」


「戮滅の王ってのは、言っちゃえば現四天王の一人、要は世界最強の一人だ。」


「世界最強?ははーん、そいつを倒して世界最強になろうっていうのが、お前さんのボスのエドワード・G・カリキュラムの目的な訳だな。」


「そんな夢のためにエドワード様は戦っているんじゃない。見ての通り、ここは城、ここは王国だったんだ。小さかったけどな。

先代の王、カルマド・G・カリキュラム様、エドワード様の実兄だ。国民に優しく、素晴らしい王様だった。」


 そこで、アフタンの口調が変わる。


「だが、戮滅の王・ゾウスは、突如カルマド様を殺害した。そう、国に情報が入った。それからは、もうこの国は攻め入られ、パニック状態。国民は全員逃がして、エドワード様が国全体を氷漬けにした。」


「………なるほどな。国とエドワード・G・カリキュラムの兄カルマド・G・カリキュラムの仇のため蜂起するって話か。泣かせるじゃねぇか。」


「そうだろ!?俺はごの話をエドワード様がら聞いた時、涙がどまらながった。おうおう……」


 アフタンは自分で話しながら自分で泣いてしまっている。


「まあ泣くな。安心しろ。その戮滅の王は、俺達が倒すぞ。」


「!?お前達、加わってくれるのか!?」


「んなわけねーだろバカ。俺達兄弟が倒す。お前達に勝算があるとも思えねーしな。」


「なんだと!?」


「それに、戮滅の王は世界最強なんだろ?なら、俺の兄弟は必ず戦う。そして勝つ。お前らはこたつに入ってみかんでも食ってな。」


「へえ、面白い。近年稀に見る自信家だぜ。気に入った。俺はお前を兵にするとか言わないことにした。」


 唐突に、アフタンは話を裏返すことを言う。


「ほう?」


「その上で言いてエ。俺はお前と勝負がしたい。同系の能力ってこともあるが、自信家は大事だ。俺のライバルとしてな。」


 アフタンは正々堂々の、勝負の申し出をする。


「おいおい、勝手言ってくれるぜ。だがどうせお前を置き去りにして上へ行こうとしても、お前は命令として阻止せざるを得ない。どうせ戦うんだ。いいぜ。かかってきな。」


 闘う者が闘う理由は、人それぞれ異なる。エドワード・G・カリキュラムの様に復讐の為に闘う者、ワターの様に己が自尊心の保持の為に闘う者、ナイトやランチの様に世界最強の目標の為に闘う者、しかし稀に、このアフタンの様に純粋に戦いを求めて闘う無類の戦闘狂がいる。

 そういうヤツとの戦いも悪くない、モーニンはそう思った。

人物紹介


ワター

氷の王、エドワードの直属の部下。

能力 水を操る/回転

水を操り、その水に回転運動をかけられる。これにより、ただの水を射出する攻撃にドリルのように穿つ威力や、凄まじい切断性能の威力を与えられるようになっている。


次回はいつになるか不定です。

アフタンとモーニンの戦いの行方は───

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