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ダブル・アビリティー  作者: はやぶさ7ごう
第一章 氷の王編
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第六話「対峙と会敵」

こんにちは、はやぶさ7ごうです。

Twitterでいろいろと作品をご紹介いただき、いろんな人の作品を読んで、感じました。

みんな、文書くのうめぇ……自分もがんばろう……という感じで、今は書いてます。

 氷の城の中間地点といえる4階フロアで、衝撃波使いのアフタンと、重力と斥力の能力者モーニンの戦いが繰り広げられる。

 衝撃波と斥力、いずれも自らから威力を持つ攻撃を放ち相手にダメージを与えることが基本戦法となりがちな能力のため、互いに寄らず引かずの戦いとなっていた。しかし、両者の威力はほぼ互角ながら、防御としても扱いやすいモーニンの斥力に対し、防御性能は高くないアフタンの衝撃波は防戦になると厳しくなるため、アフタンは若干苦戦する。


(くっ、俺の衝撃波との打ち合いじゃ互角、だがアイツの攻撃をこっちが捌くのは難しいな……特にあの()()が厄介だ。)


 アフタンを苦しめたものは、モーニンの主力武器である拳銃だった。拳銃の弾と火薬に自らの斥力を込めて放つ、いわば斥力弾は、能力の砲撃としてはかなりの弾速かつ威力であるが故に、アフタンは劣勢だった。


「おっと、数秒なんてとっくに過ぎたが、お前の衝撃波と俺の斥力のどちらが上か、わかるようになったかな?」


「……ッ、悔しいが、数秒じゃわからせられない様だぜ。お前の斥力は俺の衝撃波と互角以上に戦える能力みたいだ。」


(おぉ?そこで相手を認めるとは全く意外なんだが……)


「だが俺は負けねえ。エドワード様と共に戮滅(りくめつ)の王を倒すまでは、負けられねえからよォ……!」


「戮滅の王……俺達を奇襲した時もそんなのを言っていたな。誰なんだ?それは」


「!?お前、戮滅の王を知らないのか!?そんな奴らが世界最強を目指しているなんて、全く能天気もいいところだなぁ!」


「……へぇ、なるほど、どうやらその戮滅の王ってのを倒せば、世界最強にかなり近づくみたいだな。」


「………もし仮に、お前がこれから戮滅の王(ヤツ)に挑もうとするって言うなら、断っておくぜ。お前らには倒せない。アレは絶対的存在だ。」


「絶対的存在?ならきっとお前らに倒せる相手でもないだろう?」


「……確かに、俺や地下にいるワターでは話にならず敗れるだろうな。だが、エドワード様なら……あの人は真に強者だ、いずれ世界最強になるであろうと俺は信じている。」


「……そうか、なら、今に見てろ。


 お前の信じる未来の世界最強は、俺の信じる未来の世界最強に敗れる。」




















───その頃、氷の城・8階


「くっそー、見つからねぇな……」


 ランチは一人、氷の城を駆け上がっていた。

 既に3フロア確認したものの、人間も氷の王もいなかった。


「出てこい氷の王!今度こそ砕いてやる!」


 ランチが挑発したその直後。声がした。


「ここまで来たか」


 それは、紛れもなくランチら3人を奇襲し氷漬けにした男、氷の王だった。


「よもや私の部下二人を倒してここまで来るとはな。面白い。」


「いや、部下は俺の兄貴二人が食い止めて俺だけ先に来たんだよ。」


「……………。くっ、アイツらめ、みすみす敵を逃しおって、どういうザル防衛のつもりだっ」


 氷の王が悪態をつく。実に滑稽だ。


「いいんだ、勝負はタイマンが一番面白い。俺はアンタと勝負する。」


「……ほう?私に単身で挑むとは、いい度胸だ。いいだろう、受けてやる。私の名はエドワード・G・カリキュラム。氷の城の長にしてこの国の王。」


 そう言い、エドワードは瞳を閉じる。直後、エドワードの周囲の空気がダイヤモンドダストのように煌めく。空気中の水分が凍りつく。エドワードの能力の発動だ。


「私の能力は、当然知っているな。氷を操作する能力だ。実際手の内は最初の奇襲で知られているが……だからと言って負ける私ではない。」


 エドワードは目を見開く。そして、一言。


「〈氷床〉…!!」


 奇襲の時と同様、足元全体を凍らせ、足を抑え込む技だ。だが、そう、奇襲の時と同様であるため、ランチにとってこれは二度目だ。攻撃を見切り、ランチは上方へ跳ぶ。


「へっ、そう何回も食らうかよ!」


 氷で捕らえれば、今回は一人であるために仲間の重力攻撃を利用して氷を砕くことは不可能になると踏んでの攻撃であったが、エドワードの目論見は外れた。


「ふっ、さすがに同じ技では通じぬか。ならば、私の得意に持ち込んでくれよう。」


 すると、エドワードの身体を氷が包む。さながらセルフ氷漬けだ。

 そうランチが訝しむ暇もなく、エドワードを包む氷が砕け散る。………否、身体に氷が纏われる。


(まるでナイトの〈火炎騎士(ファイアナイト)〉だ。あの硬度の鎧となると……厄介だ)


「〈氷騎士(アイス・ナイト)〉」


(いや技名もまんま同じかよ)


「私の得意は近接格闘だ。さあ、行くぞ!」


 そう言うとエドワードは、奇襲の時にも見せた氷上を高速で滑る技でランチに高速で迫り来る。ランチの前3m程まで近づくとエドワードは拳を構え、ランチに拳を放つ。

 ギリギリでランチは後ろへ飛び退き回避するが、追撃は止まらない。


(やっぱりナイトのと同じで、身体能力の強化がされてるみたいだ。分が悪いぜ。ここは摩擦力を消してスピードで五分に持ち込むか)


 ランチは足の摩擦力を消すため能力を発動し、摩擦力を消すしかし、そこは氷の上である。


(しまった、そもそも氷の上、落とされた摩擦力の分じゃ身体強化が向こうに届かねえ…!)


 ランチは摩擦力を消し続けながら、エドワードの猛攻から逃れる。双方床との摩擦力はゼロに等しいが、初速となる身体能力の差で、若干エドワードの方が速い。


「少しは速く動けるようだが、ここでは私の方が速いな!」


 エドワードはジリジリと距離を詰め、腕を伸ばせば拳が届く距離まであと少しのラインまで迫る。


「さあ観念しろ!私の領域で戦ってもらうぞ!」


 とうとうエドワードの攻撃圏がランチを捉え、すかさずエドワードが拳を放つ。間違いなく捉えた………………筈が、エドワードに手応えはなかった。


「なにっ!?」


「ふーっ、僅かながらの力で、結構跳べたぜ」


「っ!?」


 エドワードは一瞬理解できずにいた。そのランチの言葉は()()()()()()()()()のだ。

 驚きつつ頭上を見上げると、そこには全身が紫色の光に包まれ、天井に張り付いているランチの姿があった。


「自分の体重と9.8だったっけか?なら、十分だ。行くぜ!」


 ふっとランチの身体を包む紫色の光が消え、ランチが落下する。オレンジ色の光を発する拳を構えながら。

 落下する物体の速さは存外速い。ましてや意識の外の位置からの攻撃、対するエドワードは咄嗟にガードするのが精一杯だった。


「食らえ!〈増強拳(インクリース・ブロー)〉!!!」


 落下するランチの攻撃が、エドワードに炸裂する。


 その威力に、エドワードの腕の氷は砕け、エドワードは大きく吹っ飛ばされる。

今回から、キャラ紹介ぶっ込もうと思います。


ランチ

主人公(というか兄弟で主人公)。三兄弟の三男。

能力:力を吸収する/力を取り戻す(発動型・リンク式)

摩擦力や重力などの力を吸収し、自分の力に変えられる。

両手に着けている筋金入りのグローブで、剣などに対しても拳で立ち向かう。



ナイト

主人公の一人。三兄弟の長男。

能力:炎を操る/圧縮(発動型・+α式)

炎を操り、それを圧縮して高威力、或いは高防御にして戦う。

家に伝わる剣『フォルプロウズ』を扱い、剣と近接格闘を主体に戦う。



モーニン

主人公の一人。三兄弟の次男。

能力:重力を操る/斥力を操る(発動型・並立式)

その名の通り、重力と斥力を操る。

能力を弾とする拳銃『アブソリュート』を扱い、中遠距離で戦う。



こんな感じで次回からもキャラ紹介していきます。

ではまた次回。

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