第二話「謀略と部屋」
お久しぶりです。はやぶさっす。
展開に悩んで隠居してたら案が出たので書きました
「………重い」
「……すまんな、私の能力では捕縛するに氷漬けにする他にないものでな……」
「いやいや、そこは別にいいんすけど、なぜ2/3俺持ち!?」
「そらお前の方が俺より力持ちだからだね。」
「たいして変わんねーだろ!というか自分で運びつつ水でも運べるお前が二人持てよ!」
「エドワード様が俺にこいつを警戒しつつ持てと言うんだから仕方ないね。」
「?」
「其奴は先刻私の氷を割り、重力を消すという芸当を成し遂げた。ベクトル変換的な能力であれば、衝撃波発生のお前では相性が悪い。それでワターに運搬を託したのだ。勿論、いざというときはお前にも動いてもらうぞ、アフタン。」
「ああ……なるほど、了解っす」
━━━━━━━数時間後
「………!?」
「目覚めたか」
「おお、ランチ、ほっとしたぜ。俺達はともかく、お前は俺達の目の前で氷漬けにされてたからな……」
「………ここはどこだ?」
「おそらく、あの氷野郎の根城だ。」
「チッ、あいつ、俺の攻撃を防いで俺を氷漬けにしやがって……次は倒す」
そう意気込むランチに対して広がる光景は異様であった。
高さはランチ達の背丈の四倍はあるであろうか、比較的高い天井、そして広い部屋である。三人はこの広い空間のおおよそ中心にいた。奥には階段が見え、あからさまに上がれることを意味していた。
「あの階段は、登れば脱出の一歩になるだろうか?」
「どう見ても罠だぜ、俺達が素人だろうが、普通の捕虜を入れておくには警備がザルすぎる」
「だがこの部屋といい何といい、氷漬けだぜ?ろくに壊れねえし、ゴリ押しで突破できる部屋じゃない。まだ脱出するなら、敵を相手した方が可能性があるだろ?」
「考えられる戦力は三人。当然それ以上の可能性もあるが。」
「三人だよ。」
「「「!?」」」
全く不意を突かれた三人は驚愕する。
階段を降りやってきたのは、先ほど襲いかかってきた三人の一人、水使いの男だった。
「君たちは試されに来たのだよ。もとい、拉致されたというべきか。先刻は奇襲という形で、君たちの実力を推し量るには不当だったね。だから、これからしっかり見極めるんだね。」
「見極める?俺達の実力を知ってどうするんだ?」
「どうするって、決まっているじゃないか。君たちを僕らの兵団に加えるのさ。いい案だろう?ねぇ。」
「ふざけるな!言った筈だぜ?俺達は俺達で最強を掴みとる。テメエらの傘下なんてまっぴら御免だぜ!」
「そうか…それは残念だね…」
そう返すと、男は掌に水を纏わせた。能力発動だ。
「ならば君たちをここで殺すよ。下手に敵を残存させたくないからね!!〈剛圧流〉!!」
そう言い放った刹那、男は手を三人に向け、掌から凄まじい圧力で水を噴出した。逃げる、避ける暇も与えない。
男の攻撃が正に炸裂するかに思われたその時、豪炎が水流を遮った。
そこにあったのは、炎を纏った剣で攻撃を受け止める男の姿。
「なにッ!?」
「そういえばさっき確かテメエ、自分の水は俺の炎よりナントカって言ってたよなあ?白黒つけようじゃねえか!!」
また隠居ですかね