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サバイバルゲーム  作者: 秋元智也
9/61

危険信号

山の中に居るのは学制服を着た集団。

「皆、どこ行っちまったんだよ」

文句を言い出したのは西村結城(にしむらゆうき)

元からの栗毛に天然のカールがかかった青年である。

お調子者で、怖がりという定番的な性格の持ち主である。

飽きるのも早く、あまり一つの事にのめり込んでやるなどということはいっさいない。

その為か何事も中途半端なのである。

「まぁ、落ち着こうよ。きっと助けが来るよ」

落ち着かせようと声をかけたのは早川淳(はやかわじゅん)

おっとりとしていて誰にでも優しいが女子受けが悪い。それはこの体型にある。

見事なポッチャリ系。相撲取りを目指しています。と誤魔化しで言ってみたところマジで取られてしまうほどだった。

「ほんとにこんなところに救助なんて来るの?」

腕を組み、さっきからイライラを隠せずにいるのは加藤真希(かとうまき)

何事も自分の優通りに行かないと気に入らないという性格をしていた。

ショートカットで髪の先端だけ赤に染めていた。

密かに松岡信治に思いを寄せていた。

スタイルだけは誰にも負けないと自慢しているだけあってか、スラッと伸びた手足は均一が取れていてモデル体型であった。しかし、性格に難有りであった為、男子の人気はほとんどない。

「そんな事言ってないで何かやれること探さない?」

そう言ってきたのは斎藤加菜恵(さいとうかなえ)

お下げを二つに縛っていて、おとなしめに見えるが性格はしっかりしていて、間違ったことにはがんとして反対する性格である。江崎喜美子に副級長の座を持っていかれた為に生徒の書記に立候補して受かった人物である。

「私もここでじっとしてるべきじゃないと思うよ」

横でもじもじしながら話し出したのは高橋美智子(たかはしみちこ)

前髪がぱっつんのまるで市松人形のような髪型ともじもじして、はっきりと話せない性格の持ち主だ。

「そんなに行きたければ勝手に行けば?あたしたちが助かったら感謝しなよ!生き返らせてあげるからさ~。あっははは。」

加藤真希は嫌みったらしくいい放つ。

「仲良くしようよ。きっと皆でいた方が安全だよ~」

必死に説得しようとする早川淳を無視して斎藤加菜恵は森を降りていった。

その後を追うように高橋美智子も付いていった。

「ばっかじゃないの?どこにいても一緒でしょ?ここのが見晴らしが良くて見つけやすいじゃないの」

「だよな。ここにいた方が救助しやすいよな?」

加藤真希の言葉に西村結城が賛同した。

「斎藤さんと、高橋さん、大丈夫かな?」

心配性の早川淳にしびれを切らして加藤真希が蹴り飛ばす。

「そんなに気になるなら追いかければー」

「痛いよ。喧嘩は良くないよ~」

「あれ?今なんか光ったよな?」

西村結城が森の奥を指差した。斎藤加菜恵と高橋美智子の行った方の反対側だったので不思議に思って立ち上がり手を降ってみる。

二人も同じく奥を凝視した。

パシュッ。パシュッ。ドサッ。

連続して軽い音が響く。何が起きたのかわからず西村結城は後ろを振り向いた。

前から聞こえてきた軽い音、そして後ろで聞こえる何かが倒れた音があまりにも近かったので不安になったのだ。そこには早川淳と加藤真希の死体が転がっていた。今まで生きて、話していたのに。

腰が碎けてその場に座り込むと同時に先程の軽い音が響いた。腕に痛みと熱を感じて見てみると、先程まであった右腕が横になって落ちていた。

「うっわあああああぁぁぁーーー」

痛みでどうにかなりそうだった。

森に響く西村結城の叫びは数秒もしないうちに鳴りやんだ。

「こいつら何にも持ってねーじゃねーか」

「まぁ、いいや。俺達が最後まで生き残るって決まってんだからな」

「油断するなよ」

「分かってるって」

4人組の男は迷彩服に身を包み、ガスマスクをつけていて顔が判別できない。しかし、そんなに若くはないだろう事は口調でわかる。

そのまま、斎藤加菜恵と高橋美智子の降りていった方へと向かっていた。

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