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サバイバルゲーム  作者: 秋元智也
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待ち伏せ

最初に沙耶香達が罠を仕掛けた山は半分だけエリア範囲に入っていた。

「折角罠を仕掛けて来たのにちょっとズレたわね~」

「仕方ない。また仕掛ければいい」

澪は黙々と歩きながら周りを警戒していた。

次のエリア次第ではあったが、山の上に給水塔の貯水タンクがあった。

そこの管制塔は下からも人が丸見えなのだが、上からも見晴らしがよく絶好の狙撃ポイントでもあった。

「しっかし、上に登るのは自殺行為じゃないか?」

「そうね。オススメ出来ないわ」

美弥もそれには賛同した。

「じゃーさ、こういうのはどうかな?」

沙耶香は小枝を拾うと、地面に書いていった。

「もし、この山が最後まで残る事になったら給水塔の足元。いわば山の上にいた方が有利になる訳じゃない?なら、予めそこに待機して待ってるチームと誘き寄せるチームに別れるってのはどうかしら?崖の下の家の中に2人待機して、崖の絶壁に一人、狙撃要因で上に2人ってね」

「俺はどこに行けばいいんだよ?」

優が狙撃ではないのは確信していたが、特攻ほどの自信もない。だからといって一人で中腹も勘弁してほしいところだった。

沙耶香がニヤニヤと微笑むと当然のようにいった。

「勿論決まってるわよ。私と香奈ちゃんは狙撃ポイントにつくわ。特攻ほどの実力派は澪と美弥ちゃんしかいないもの。ってことはおのずと分かるでしょう?二人が見逃した、若しくは外壁から回って崖の上に上がろうとした敵を排除してもらうわ。銃撃戦なんてしなくていいの。腕が伴わないのは分かってるから、ありったけの手榴弾を投げつけ続ければいいのよ。」

「手榴弾を?それだけでいいのか?」

「勿論。一人で寂しいのはわかるけどそこは我慢して。たまにスタングレネードを混ぜなさいね。状況的に撃つより確実に勝てるわ」

沙耶香の意見に一同が賛同すると各々別れて待機することになった。

崖下の家に着くと澪と美弥が別れて入り口から侵入して安全を確保する。

その間に3人は裏手から上をめざす。

「疲れた~お前らどいういう体力してんだよ~」

「ほら、弱音吐かない。男の子でしょう?飲みのもよ!」

香奈は優の背中を押すとエナジードリンクを手渡した。

キズも少しだけ治すが、それ以外に体力の回復にも役にたつ。

崖上の窪みを見つけると優にここで待機するように指示をした。

それから沙耶香と香奈は頂上を目指して登っていった。

下の家ではもう、銃撃の音が鳴り響いていた。

優は手元の時計を眺めるとその横で生存者数がだんだんと減っていくのが目に見えて分かった。

今では42人になっていた。



銃撃戦の末、勝った4人の男達は山の中へと入り込んだ。

エリアがギリギリではあったが、まだ時間もあるので隠れて回復しようと入り込んだのだった。

彼らは皆、中国語を常に話していて、銃の扱いも長けていた。

一般人ではあり得ないほど銃の整備をすると、奪ったサイトを元のやつと交換して、付いた血を拭き取った。

弾薬も装填してギリギリでエリアに入り込もうとする敵に備える。

すると運悪く、彼らのいる山の尾根に近づいてくるグループが見えた。

彼らは散会すると、腹這いになりそっと近づいてくるのを息を潜めて待っている。

そんな事つゆにも掛けず麓から山に入り込む3人はボロボロの格好で、さっきまで戦っていたような感じに見受けられた。

段々と近づいてくる。息を潜めながらも引き金に指がかかる。

一歩、また一歩と近づき射程範囲に入った瞬間それは起こった。

ピンッ。とコックが抜けるような軽い音がしてきたばかりの3人は吹き飛んだのだ。

驚いた4人は自分達がやっていない事を確認しあうと自分達も敵の驚異に晒されているのではないかと疑心暗鬼になった。

自分達以外の誰かの投げた、手榴弾で敵は吹っ飛んだのだ。

自分達が構えているのに誰も投げたところを見ていないのだ。

辺りを警戒しながら進むと一人の男が声を上げたと同時に閃光が走った。

耳にはキーン。と音が響いていて、立っているのがやっとと言うほど平衡感覚が鈍ってきていた。

スタングレネードだと気づいた時には遅く、片膝を付いて堪えた。

目は輪郭を捉える位にしか見えない。

一人の男が足元に仕掛けてある線を発見すると、コレがさっきの爆発の原因かと気づいた。

必死に立ち上がると踏まないように気を付けて仲間に知らせようと大声を出した。

しかし、耳が未だに聞こえずらいメンバーは、聞き取ろうと音に集中するあまり地面にすれすれに張られたトラップに気づく事が出来ずにいた。

ピンッ。

という、嫌な感覚に気づいたときには手榴弾が爆発した瞬間であった。

身動きを取ることもままならず、敵に殺られた訳でもなく、ただの子供騙しのトラップに引っ掛かった事が悔しくて仕方なかった。

回復はさっき使ってしまったばかりで、もう誰も持っていなかった。

意識は保っていられたが、動くこともままならない。

中国語が飛び交い仲間を呼ぶが意識があるのは一人だけのようだった。

そこで男は知ったのだ、縦横無人に張り巡らされているトラップの多さに。

最初に来たときにはよく踏まなかったものだと・・・。

次第に意識は薄れて行くなかで誰がこんなことを仕出かしたのかと思うようになった。

どんだけ手榴弾を集めれば山の全体にこんなにも仕掛けられるのかと・・・。

いくら考えてもわからないまま、静かに息を引き取った。



沙耶香の時計に赤いランプがつき+7キルと表示されたのだった。

「あら?誰かが引っ掛かったかしら?」

生存者は残り35人となっていた。


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