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サバイバルゲーム  作者: 秋元智也
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無謀な結末

女性とは本来、自分が優遇されていると思えればそれだけで喜ぶ生き物であると認識していた。

他人より優位に。他人より視線を集め、ちやほやされることが喜びであると。

例外など考えた事などなかった。

男はその飾りでしかないと思っているので、より立派で強い飾りを欲しがるはずであった。

そして、自分は対等に戦えて優しい男であるとアピールしたかったのだ。

調度ライバルになりそうな頭だけのインテリより、俺の方を選び直すチャンスであると・・・。

一緒に戦えば、自分のよさを知ってもらえると自惚れていた。

澪の反応に最初は照れて反発しているのかな?位にしか思わなかった。

そう、中野和彦にとって付き合ってきた女達皆、そんなタイプだったからそう思ってしまっていたのだ。

自分に見向きもしないなどあり得ないと。スポーツも勉強はホドホドだがルックスはいいと自負している。

後ろから駆けつけた荒木俊介と合流すると二階の病室に戻った。

そこにはベットに横になった犬飼要の姿があった。

「要?一体何があったんだよ」

荒木俊介が声をあらげて中にいた岡野達也の迫ると達也は『済まない。止められなかった』

っと語った。その傍らには小島健二の姿があった。

ロープで縛られており何をやったかが、なんとなく理解出来た。

「要の事は悪かったと思っている。まさかあんなことをするなんて思わなかったんだ。健二も今は落ち着いているし、大丈夫だとは思うんだが?」

達也の必死の弁解に誰も耳を傾けない。

状況的にはチームに入れて欲しい、人数的にも一人が死んだことで入ることが可能になったのだ。

しかし、現状はそれを許さない位に深刻な亀裂をうんでいた。

「健二にはこのまま縛ったままで連れていけばいいから一緒のチームに入れてくれないか?」

中野和彦だけは諦めてはいなかった。

「さっきも一緒に戦った仲だろう?」

澪に話かけるが、上の空だった。

ベットに横たわる犬飼要はすでに息を引き取っていたのだ。

紗耶香の時もそうだった。胸を締め付けられるような痛み、空っぽになっていく心。

何もかもが虚しく思えてくる。

手をぎゅっと握っても何の反応もない。体温はすでになく死後硬直が始まっていた。

ゆっくりと立ち上がると健二の前に進み出た。

健二はビクッと反応すると、そっと澪の方を見上げた。

「ごめん。ごめんな。俺はどうかしてたんだ。許してくれよ、な?」

達也は許さないんだろうな~っと思いつつ、二人の様子を近くで眺めた。

すると澪から意外な言葉が紡がれた。

「ロープを解いてやれ」

和彦は澪の心境の変化に意外な一面を見た気がした。

「いいのかい?健二は君を殺そうとしたんだよ?」

「構わない」

そっけなく言うとロープをほどかせた。

足元に拳銃を放り投げた。健二は意味がわからずに手にとった。

すると澪はすかさず腰にさしていたマチェットを引き抜くと拳銃を持った両腕を切り落とした。

「わあああぁぁぁぁーーー手がぁぁぁーー痛い痛い痛い痛い痛い」

健二は泣きわめきながら床に転げ回った。

その間も血はとどまることなく出続けていた。

健二は自分が持っていた鞄の近くに行くと必死に開けようとした。

その行動に思い出したことがあった。

「お前、回復キットを持ってたんだな?」

達也の言葉に和彦は鞄を剥ぎ取ると中を漁った。

健二の腕は手首のところで切断されているので鞄を開けれなかったのだ。

「やはりか、持っていて見殺しにしたのか?知ってたってことはお前らもか?」

和彦は必死に違うと訴えた。自分は知らなかったのだと。

鞄を開けようとしたので代わりに開けたらたまたまあったのだと。

「返してくれ、俺のなんだろ?使わせてくれ」

必死の健二の訴えに達也も和彦も動けずにいた。

すると澪が近づいてきて、回復キットを奪うと健二の前に出した。

「治したいのだろう?受けとればいい。要を殺しておいて自分だけは助かりたいとはな。憐れだとは思わないか?要は即死ではなかった。痛みに耐えて、苦しんで、死んでいったんだろう?」

健二はすぐに受けとると口を使ってケースを開けた。

それから完全に回復すると足元にある拳銃を取って澪の方へと向けようとした時にはもう遅かった。

パン。パン。

という、乾いた音と共に澪の持っているハンドガンが先に煙をあげていた。

達也が目を伏せたとき痛みを感じて澪を見上げたが、真っ赤に染まった景色の中をスローモーションに天井を写し出しそして暗転した。

一瞬のことに何が起きたか分からなかった。

荒木俊介はじっと壁際に佇んでいただけだった。和彦は意味が分からないと訴えた。

「何故だ?なぜ達也まで撃ったんだ?」

「気づかなかったのか?それとも知らぬ振りでもするように言われたか?」

澪の言葉にドキリッとした。健二がこのような無謀な事をしたのにも訳があったのだ。




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