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サバイバルゲーム  作者: 秋元智也
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惨劇

中野和彦と岡野達也は別館に入ると、しくじった事に気がついた。

ここは先がないのだ。行き止まりになっていた。

後ろからは誰かが来ている足音がこだましていた。

病室に入り込むと敵の出方を待った。

向こうも警戒しながらこちらに向かって来ている。

先に撃つか?とも思ったが顔を出すのを躊躇われた。

「達也、そこの棒を頭の高さ位で廊下につきだしてくれ」

中野和彦の提案で棒を廊下につきだした瞬間に発砲音がして一気にボロボロにされてしまった。

そのタイミングで中野和彦が下から反対側の病室へ走り込む。

「今度はこっちがお取りをやるから、応戦してくれ」

達也は固まって一瞬動けなかった。

棒だったからいいが、自分が出ていたら、、、と思うと足が動かない。

「どうした?」

と平然と聞いてくる和彦が信じられなかった。

すると敵側が騒がしくなった。

「仲間割れか?なら、チャンスだ。」

中野和彦は姿勢を低くしたまま廊下に飛び出て応戦する。

担架を横にして防御している敵側も後ろからの攻撃には弱かったようだ。

音がやんだ後には健二の声がした。

「達也さん!無事ですか?」

と。

「アイツ、無事だったんだな?」

「今回は健二の助っ人に助けられたな」

達也も和彦も安堵して返事を返した。



「無事だったか?」

犬飼要と荒木俊介が手を振っていた。

その横に銃を肩にかけた奥田澪の姿があった。

中野和彦はすぐに奥田澪の方に駆け寄った。

「良かった。無事でいて。紗耶香さんが亡くなっていたので心配したんですよ。これからは一緒に行動しませんか?」

ぎゅっと手を握り締める姿を犬飼要が割り入っていく。

「うちのエースに見境なく発情しないで頂きたい。」

中野和彦がモテて女に手が早いという噂はよく耳にしたからだった。

「前にご一緒したときはカッコ悪い姿を、いや。今もかな?これからは俺の活躍を期待して欲しい」

横で見ていた荒木俊介は岡野達也に向けてボソリと嘆いた。

「変わり者っているんだな?」

「あぁ、俺もこの目を疑ってるよ」

それからは別館を調べ終えると次に本館の方へと移った。

中野和彦は奥田澪の側を離れる気はないらしく、必ず隣にいようとした。

もっとも、そんな事を許す犬飼要ではない。

ことごとく邪魔をする。

周りが見ていて呆れるほどであった。

そして少し前までいたコウジの話になるとチームを移動するとさえ言い出す始末である。

「達也もなんとか言ってやってくれよ」

犬飼要のヘルプを受けて荒木俊介が岡野達也に説得を求める。

「和彦いい加減にしろよ。今は共闘してるが一応敵側なんだぞ」

「何を言ってるんだ?同じチームに入ってしまえば敵ではなくなるじゃないか?いい考えだと思うが?俺は、使える男だぞ」

何を言うにも澪の方を向いていうものだからふざけているとしか考えられない。

「二人空白なんだろ?俺らが入ったて構わないじゃないか?」

「俺らって誰の事ですか?」

言葉にひっかかりを覚えた健二は和彦に聞き返した。

まさかとは思うが自分を数に入れていないんじゃないかと思ったからだ。

「もちろん、俺と達也だ。健二、お前逃げただろう?戦いに逃げて自分だけは助かろうと思うやつなどいらない。好きなところに行けばいいんじゃないか?」

「わかりましたよ、達也さんいきましょう?」

達也も一緒に、と誘うが全く見向きもしてくれない。

「あのさぁ~誰がチームに入れるって言ったのかな?俺は認めないからな」

犬飼要は必死に訴えた。いつも冷静な彼らしくない反応だった。

「お前、壊れて来てないか?」

隣で荒木俊介が指摘するが、そんな事聞いてはいなかった。

「まずは安全確認が終わってからにしたらどうだ?」

澪の指摘に一時休戦になった。

本館にもまだ敵は残っていた。二チームで挟み撃ちにすると澪と和彦の連携でかなり楽に全体の安全確保ができた。

屋上にくると全体を見張れる場所に荒木俊介がスコープを持って待機する。敵の侵入がないかをいち早く知らせるためだ。

生存者数残り30人。誰一人死者を出すことなく片付けれたのは運がいい。

まだ、チームに入る、入らないで揉めてはいるがこのまま行けば最後まで残れるのではないかとさえ思えてくる。

遠くからエンジン音がして、段々と近づいてきていた。

「車が接近中」

「人数は?」

「まだ、なんとも言えない」

「どこから来てるか分かるか?」

「ウエストとサウスの間かな?あっ、ウエストより」

「南西か、こっちで確認する」

荒木俊介の言葉に素早く反応したのは中野和彦だった。

サバイバルゲームの経験者だけはある。

「おっ見えてきた。4人かぁ~運転手を撃てば事故るんじゃないか?」

「なるほどな、撃ってみるかな」

俊介が構えようとすると横には澪の姿があった。

「あれ?ここにいたのか?」

「音が聞こえたんでな、撃つのだろう?私が運転席を狙うから助席を狙え。息を合わせろ」

「はいはい。じゃー行きますか。外しても文句言わないでくれよ」

「あぁ、3、2、1、撃て!」

ドシュン。タタタッ。

こっちに向かって来ていた車はいきなり制御を失い横転した。

ガシャ。ガチャ。ガッチャン。

「外したんだ、もう一回だ」

やっぱりばれたかと苦笑いを浮かべて次の標的に狙いを定める。

ドシュン。ドシュン。 タタタッ。タタタッ。

一人、また一人と倒れていく。二階の窓から撃とうと思っていたメンバーは屋上の二人だけで事足りることを改めて知った。







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