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サバイバルゲーム  作者: 秋元智也
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気持ちの整理

一段と暗くなった部屋でポツリと声を出したのは犬飼要だった。

「今回は誰もが敵だったんだ。それに、もし、共闘したとしても最後に生き残るのは一チームだけなんだぞ?」

「そうよね!確かにその通りだ。ここでしんみりしてても意味がない。終わってから生き返らせて貰えばいい」

お互い罪悪感が抜けないが、このまま引きずっても仕方がない。

いつかはこういうことも有るのではないかと思っていた。

今までは全く知らない人間だったからこんなにも罪悪感に苛まれることも無かったが、今回は知り合いだったのだ。無理もない。

コウジはかけてやる言葉も見つからず二階へと逃げてきてしまった。

こういう時、年長者の自分が励ますのだろうが自分にはそんな資格はない。

こんなろくでなしのゲームに参加し続ける自分に励まされたって嬉しくはないだろう。

いつもこちらを睨む奥田澪の目を見ると息苦しくなる。

復讐という隠れ蓑を着て、友達をも巻き込んでいる自分があさましく思えてくる。

しかし、奴を見つけるまでは止められない。

そうやってズルズルと今まで来てしまっているのだ。

子供らには賞金目当てなどと言ったがそうではない。ただの復讐者だ。

朝になって下に降りていくと、いつもと変わらぬ態度で迎えられた。

「コウジ兄、今日は地下シェルターに行くんだよな?ワクワクするなぁ~」

昨日まで暗い雰囲気に飲まれていたのだが、今日はまるで昨日の事はなかったかのような軽い空気感に包まれていた。

金子亮太はいつも通りにコウジになついていて、何でもかんでも頼りたがる。

いっそ、頼ってくれるなら女の子の方が良かった。

唯一の女子と言えば、今でも仇とばかりに睨まれ続けている。

殺そうとはしてこないが、殺気立っているのは変わらなかった。

「おはよう。コウジさん。見張りを任せちまって悪かったな」

荒木俊介と次の見張りをする予定だった犬飼要だった。

昨日はあんなことがあった為、一晩中コウジ一人が見張りを買って出たのだ。

戦闘になればコウジよりも奥田澪の方が腕が上な為、そこまで心配には及ばない。

コウジはサポートに回ればいいのだから。

殺気や視線に敏感な奥田澪がいる限り、安全に事が進みそうであった。

「これ、お前が持ってろよ」

コウジは最後の一個の回復キットを犬飼要に投げて渡した。

「お前が一番危なっかしいからな!」

「なっ・・・」

と付け加えると、少しムッとしたのか睨んできたが、それもすぐに鞄に仕舞うと別の話題で盛り上がった。

車に乗り込むと地下シェルターへ向かった。

草原にポッカリと空いた地下への階段は薄暗く、慎重に降りて行くことにした。

「亮太、お前は車を近くの茂みに見えないように隠してから来い」

「えー俺だけ置いてきぼりかよ~コウジ兄~」

一人になるのが嫌なのか金子亮太のわがままっぷりも今だ治らずだった。

「俺が代わるよ」

犬飼要は自分から名乗り出た。

「後は俊介、頼むな。すぐ追いつくから」

「了解。早く来いよ」

「おう」

拳をお互い握りしめ、拳と拳をお互いコツンっと合わせる。

犬飼要は車に乗り込むと少し戻って、蔦の張っている木の間に隠してから葉っぱやらを上に乗せてカモフラージュした。

そして戻ろうと振り返った時、突然近くで爆発音が響いた。さっき来た方から黒煙が上がっている。

「まっまさか・・・」

犬飼要は慌てて地下シェルターの方角へ走り出す。

ホントなら周りを警戒しながら行くのが当たり前だとわかってはいるのだが、今は冷静ではいられなかった。

シェルターにたどり着くと、嫌な予感は当たっていた。

中で爆発が起きたのだ。それが、こちらが投げた手榴弾なのか敵の物なのかが問題だった。


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