感情の連鎖
残りの生存人数も51人になった。
もうそろそろ半分になるところだった。
「他の人はどうなったんだろう?」
伊藤香奈の呟きに荒川千博は能天気に『大丈夫だって。』と返事を返す。
足立亨には何も言えなかった。
真っ先に殺されているのではないかと思ったからだ。
自分達だってそうだ。もし、牧野美弥の機転が無ければもうとっくに死んでいたはずだった。
あんなに彼女が強いなんて知らなかった。
一緒のチームにいるなんてこれほど生き残る可能性の高い偶然はないだろう?
しかし、他のチームはどうなのだろう?
そんな偶然が続く訳がないのだ。
それに、何の説明もなしにここに送り込まれた訳であるからメニュー画面やマップ表示があったことすら知らないまま死んでいくのではないか?
一部屋づつ調べながら安全を確保していく。
すると奥の方で扉が風で揺れる音がした。
ギギギーーー。
開いては、また閉まっていく。
扉が開いているところがいくつかあったのを確認したので少し前に誰かがいたか、それともまだ、近くに潜んでるのか、どちらにしても臨戦態勢で行動をしている。
「行くわよ」
伊藤香香奈の合図で足立亨と荒川千博が後を追う。後ろを警戒しながら薄暗い中をゆっくりと覗いた。
人影はない。
もう、夕刻で有るため視界にも限度がある。
夜は誰であっても戦えないのである。
中央に倒れている人影がお互い重なるように倒れていた。
近づいていって確認出来たのはそれがクラスメートの三神怜子と鈴木真理であったもであると言うことを。
遺体に手を合わせると明日、埋葬することにして、一旦合流した。
「三神さんと鈴木さんが?」
「そう、何の抵抗もしてなかった。銃だってあったのに一発も撃ってなかったの」
「普通はそうじゃないのか?使い方なんてわかんねーしさ」
荒川千博はそう言った。確かになと頷く他2名。
足立亨はここで明日の埋葬と散策を同時に行うことを示唆した。
皆も納得して今日は監視塔の二階で固まって仮眠を取ることにした。2時間おきに見張りを交替して夜の襲撃を防ぐことにした。
中野和彦と岡野達也と小島健二は軍用基地を離れるともうひとつの橋を渡りきり、真っ直ぐに歩いていった。日も暮れ始め、流石に野宿は危険と判断して近くの建物を探していた。
すると大分と離れているがいけない距離では無いところにショッピングモールを発見したのである。
目的地をショッピングモールにして今日はそこで休むことにした。
行く途中で車での引きずられた遺体とはね飛ばされて腕や足があらぬ方に曲がったあげく拳銃でトドメをさされた惨たらしい遺体が転がっていた。
「酷いことするなぁ~ここまで念入りに殺すなんてな?」
中野和彦は同情している。
それをやったのがクラスメートだとは知らずに・・・。
「こんなことする殺人機が居るんですよ。どっかに隠れましょうよ」
小島健二は兎に角隠れていたいらしい。
ショッピングモールにたどり着いた時にはもう日はとっくに落ちていて辺りは真っ暗になっていた。
中に入ろうとするのを止めると、中野和彦は機械室に向かった。
鍵は銃で壊して中に入った。
「なんでこんなところに?」
「食品売り場に行きましょうよ」
「ダメだ。今は動くべきじゃない。それにここなら電気をつけても外からはわからないし、怪しまれることもない。俺の親父がさショッピングセンターで警備をやってるんだ。だからここが一番安全じゃないかってね。明るくなったら食料を探しに行けばいい。それまでは水で空腹を紛らわそうぜ」
「確かにな。そうするか」
岡野達也も賛同して腰を下ろした。
ここで楯突く訳にもいかず、小島健二は言うとおりにした。
「達也さんの舎弟の癖に・・・」
小島健二は何か言いたげだったが何も言わず地に横になった。




