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サバイバルゲーム  作者: 秋元智也
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橋の上の攻防

牧野美弥と荒川千博が調べて来た結果、人はおらずさっきいた2人だけだった。手榴弾の補充と、牧野美弥が持っているスカーと荒川千博の使うM249通称ミニミの弾薬である5.56が少なくなっていたので200発ほど補充が出来た。ショットガン用の12ゲージも2箱発見できたので上場と言えよう。

残りの生存人数も58人になっていた。

そのまま海辺に出る事にした。はるか向こうに橋らしき物が見えた。

「あの橋を渡れば軍事基地だね」

伊藤香奈は元気よく前を歩き出す。

「待ってくれ、このまま橋を渡るのは危険じゃないか?」

足立亨は危惧している事を話し出した。

「橋っていっても結構でかいし挟み撃ちなんかされたら詰むぞ。」

「確かになぁ~でも、それってどうやって見分けるんだ?」

「ボートかなんかがあればいいんだが、無ければ筏ってのも有りだと思う」

足立の考えに水谷は反対した。

「流石に筏とか狙いうちされるだろう?それに、水の上だと不利じゃないのか?」

「確かにな、、、でも、橋のこちらからと、向こうの岸に筏で行った人とで両サイドから行けば安全じゃないか?」

「俺も亨にさんせーい。安全にこしたことないしな」

「そうよね」

伊藤香奈も賛同をした。

「でも、誰が先に行くの?橋の真下を通ってるうちはいいけど、そこまで行くまでが敵に丸見えなんじゃない?」

的確な指摘の牧野美弥に対して沈黙が走る。その時、橋の方から発砲音が聞こえてきた。

「撃ってるな」

「撃ってるわね」

「考える奴はいたんだな」

お互いが顔を見合わせると様子を見るために近づいて行くことにした。

岩を盾にしてこちらにはまだ気づかれていないことに安堵すると様子を眺める。

撃っているのはどうやら知らない人同士らしい。

橋のこちら側と、橋を半分まできて、車を盾に交戦をしているようだった。

「これってチャンスじゃないか?」

水谷優はさっきの挟み撃ち作戦を決行するには非常にいい状況であると見た。

お互いがお互いの敵に集中している今なら橋の下を通っていても気づかれないのではないかと思ったのだ。

それと、戦闘は比較的こちら側で行われているため、向こうに渡ってしまえば安全であるのだ。

「しかし、今度は銃声を聞き付けて漁夫の利を狙おうと来るやつが心配になるな」

足立亨には不確定要素が一番苦手だった。

そこまで先を読みきる自信がないからだった。

「仕方ないわね私が行くわよ、誰か一緒に来なさいよね」

伊藤香奈が言い出すと美弥は不安になったのか袖を引っ張った。

「大丈夫よ。役に立つってのを見せてあげるわ、美弥ちゃんは優とここに残って!」

「俺も行こう、この作戦は元々俺が言い出したんだしな」

足立亨が後に続いた。それに追従するように荒川千博も名乗りを上げた。

「3人共行くのかよ」

ぶすっとして頬を膨らます優に亨は意味深な笑みを投げ掛ける。

香奈は「上手くやんなさいよ~」と付け加えた。

「失敗なんかするかよ。お前らもしくじるなよ」

分かってか、わからずか、お互い暫しの別れとなった。

牧野美弥は戦闘の行方を確かめていた。今美弥が持っているのはM24足立亨の持っているのと交換したのだ。

さっきの戦闘でサプレッサーを手に入れることができたのでAK47を足立亨に渡したのだ。

サプレッサーをつけることによって音が最小限になり、どこから撃たれたかが判断しにくくなるのだ。

どうやら手前で交戦をしているのは3人であるらしい。向こうははっきりとは見えないが3人~4人であろうことが分かった。トランシーバー機能でその事を付け足した。

橋の下にはボートがあったようで銃を濡らさずに渡れそうだと連絡があった。

「このまま向こうに着いたらこっちも攻撃を開始だな」

水谷優の真剣な顔に、美弥はつい笑みがこぼれてしまった。

「そこ、笑うとこじゃないんだけどな・・・もしさ、もし、ここから生き残ったらさっ」

何を言おうとしているかはいくら鈍感といえどわかる。なので美弥はそれ以上言わないように優の口許に指を当てた。

「それ以上は生き残ったら聞かせて。帰るまではおあずけね?」

微笑むと敵の方をレンズ越しに睨み付ける。

ドキッとして何も言い出せなかった。

優は真っ赤になりながらも絶対生き残ってやると心に誓った。

その頃、ボートを発見した3人は早速乗り込むとオールをこぎ始めた。

「あいつら上手くやってるかな?」

「吊り橋効果ってやつだろ?いいな~俺も彼女が欲しいぜ~。香奈ちゃんはフリーなんだよなぁ?」

気の抜けた質問に足立亨は荒川千博の口を押さえる。

「ば、バカなことゆうな。香奈ちゃんは優の事を」

いいかけて伊藤香奈の方を見た。

何とも言えない気まずい雰囲気だった。

「知ってたんだ?足立君は知っててこっちにきたの?」

「ほっとけねーだろ?優のバカは気づいてねーだろうけどさ」

「もごもご」

「そうだね。でも、これは気づかれちゃダメなことなの。美弥ちゃんの笑顔を守る為だもん」

寂しいのを堪えて無理矢理笑った。そんな、仕草に心引かれる2人には全く気づかない伊藤香奈は漕ぐのを急がせた。

「付き合ってあげてもいいわよ、荒川くん」

いつの間にか足立亨の手から逃れた荒川千博は『よぉっし』とガッツポーズを決めると向こう岸まで急いだ。

そんな伊藤香奈の姿を辛そうに眺める足立亨の姿があった。


牧野美弥は手前のチームの一人が重症を負ったのに気づいた。すると次の瞬間何かを小さなケースを取り出すと、いきなり中から白い包帯みたいなのに包まれて30秒後にはまた、戦闘に戻っていった。

その後、ケースは後ろに投げ捨てられていた。

一緒に見ていた水谷優も驚きを隠せなかった。

「なんなんだ?さっきのは・・・ゲームでいうなら回復って事だよな?」

「そのまさかでしょうね。あれは結構厄介かも。怪我しても治せしまうのだから。どこまでが治せるのかしら?」

「死なない程度に捕まえて実験するのがいいんだろうけど。そんな事出来ねーよ。もし、自分がそんな事やられたら嫌だしな」

美弥は残念そうに思いながらも『そうよね』と自分を誤魔化した。


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