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サバイバルゲーム  作者: 秋元智也
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涙の訳

爆発のタイミングに合わせて階段をかけ上がると、ドアは爆発の衝撃で外に弾けとんで来た所だった。

それを難なく避けると素早く中へと滑り込む。態勢を低くして周りに立ち込める埃に咳き込む声で2人の場所と距離を図るとすぐさまスカーを構えて撃つ。

タタタッ。タタタッ。タタタッ。

「なにぃっ・・ぐぁっっ」

「うわぁっ・・・」

悲鳴など騒がせないように即座に仕留めた。

後からきた荒川千博と伊藤香奈が入ったときにはもう、終わっていた。

「もう片付いたのね?さっすが~頼りになる~」

伊藤香奈は牧野美弥に後ろから抱きつくと消炎の匂いが色濃く香る。

ほんとは一番消炎の香りなど似合わないであろう彼女が、この中の誰よりも強いのだ。

自分などは多少の知識はあるがこんなに正確に情況を判断出来ないし、ましてや平然と殺すことなど出来なかった。未だに死体を見ると震えが収まらない。

気丈に明るく皆の前で振る舞っては見るが牧野美弥のようには出来なかった。

彼女は誰よりも優しく美しいと思う、だがその反面誰よりも冷徹で感情のない殺人人形にもなれるのだ。牧野美弥には両親はいない。幼い時に不慮の事故で二人とも亡くしている。

それ以来、全く笑わなくなった。

伊藤香奈はそんな話を彼女の祖母に聞いた。それ以来少しでも笑えるように、と努めてきたつもりだ。

いつの間にか水谷優が彼女に心引かれているのを知った。

牧野美弥も密かに引かれているのを気づいた伊藤香奈は二人を取り持とうと決意したのだ。

彼女が自分らしくあれるのなら、それが一番なのだと・・・。

それが例え、自分の心を偽っていたとしても二人の為だと香奈は自分に言い聞かせた。

それから3人でよく遊ぶようになった。優は香奈の事を幼馴染みとしか思っていない。

それもいいかもしれない。このまま知られないようにしなくてはならない。

「バカだな、わたし」

ボソッと本音が漏れた。

「香奈ちゃん?どうしたの?」

いつの間にか美弥に見つめられ、優が覗きこんできた。

「どうしたんだ、どっか怪我でもしたか?」

気がつくと涙が頬を伝っていた。

「あれ?どうしたんだろう?なんで、止まらないんだろう?」

いきなりの涙に戸惑った。周りもびっくりしているが、それ以上に自分自信が一番驚いていた。

涙が止まるまで優が側にいてくれた。

その間に牧野美弥と荒川千博とで下の家屋を調べに行った。

足立亨はここの二階で下の家を見張っていた。

足立亨の持っているのはM24、スナイパーライフルであるため射程範囲が800mと広いのだ。

近くの敵より遠くの適に対して効力を発揮する。

香奈がいつも通りに戻ると優が優しく頭を撫でた。

「あんまし、強がるなよ。一応お前も女なんだから」

「一応って何よ!」

憎まれ口は言ったものの、ちょっぴり嬉しかった。

なので、照れ隠しのアッパーをお見舞いする。

「くっそー、前言撤回。こんのぉ男女(おとこおんな)ぁー」

二人が戻ってきたときには元の香奈の姿があった。


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