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サバイバルゲーム  作者: 秋元智也
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開始の合図

海岸線が遠くまで続いている。

右手に海らしき水辺が広がり左手には山の裾野が広がっている。

「空気は良いし環境汚染なんて全然感じないな。ここで殺しあえってどういう事なんだろうな?」

級長の服部雅臣(はっとりまさおみ)が回りを見回しながら訪ねる。

「武器もないのに素手で戦えって事か?今時あり得ないだろ?ゲームのやりすぎだ」

返事を返すのは横に腰を下ろして座っている松岡信治(まつおかしんじ)クラスでは優等生だ。

「まぁ、運動神経なら任せろ」

その横でストレッチをしているのは爽やかなスポーツ刈りの山本祐司(やまもとゆうじ)野球部のエースで、足が早いことから陸上部も兼任している。一年で有りながら監督に見込まれてレギュラー入りしているのだ。それからはエースの座を守り続け、去年は全国ベスト8までに食い込んだ。

「そう簡単にいきますかね~」

何事にも興味が無さそうな雰囲気で物事を見下ろす傾向にある彼は酒井学(さかいまなぶ)

黒渕の眼鏡をたまに直す仕草が一層人を小馬鹿にしている印象を与える。

人とつるむことを好まない彼は立ち上がると歩き出した。

「どこへ行くの?」

心配そうに呼び止めるのはこのチームでは唯一の女史である江崎希美子(えざききみこ)

「こんな訳もわからないところなんだし一緒に居ましょうよ。助け合いって必要だと思うの」

説得しようと試みるのも副級長の自分の役目とばかりに酒井学の服を掴む。

少し茶色がかった栗毛に肩までの三つ編みのおさげと丸い眼鏡が特徴の可愛らしい少女だった。

「もし、ほんとに殺しあいなのだとしたら、こんなところで固まっていたら格好の的だな。僕は僕でやらせてもらう。」

「そんなっ・・・」

「一人で行動したいっていうなら仕方がない」

「そうだぞ。チームワークを乱すようならいない方が勝てるさ」

松岡信治と山本祐司は決して引き留めようとはしなかった。

「そういうことだ。僕は僕だけでやる。それにこのチームで誰か一人でも最後まで生き残ればいいというなら一人の方が隠れやすい」

「そっか。でも、気を付けてね」

一人でも多くで固まっていた方有利と思っていた江崎希美子にとっては仲間の考えは全く理解出来なかった。

「私達も何処かに隠れた方がいいのかしら?」

「そうだな・・・」

江崎希美子の問いに服部雅臣は周りを見回す。

「あそこに家がある。そこで助けを求めよう。それとここがどこかも気になる」

「俺が先に見てくるからゆっくり来いよ」

山本祐司は動きたくてウズウズしていたようだ。ストレッチを終えて家の方へ走り出した。

「仕方ない付き合ってやるよ」

優等生の松岡信治も後を追っていった。

「俺達はゆっくりと行くか?」

「うん」

服部雅臣と江崎希美子は歩きながら二人の後を追っていった。

一番乗りで家に着いた山本祐司は扉にチャイムが無いことに不思議に思いつつドアをドンドンと乱暴に叩いた。

全く返事がなく、人の気配すらしない。

「留守なのか?」

後ろから追いかけてきた松岡信治も誰もいないことに不安を感じていた。

山本祐司はドアノブを回すと開いていた。

中へ入ると大声で「すいませーん。誰か居ませんか?」と声をかけたが全く返事はなかった。

「空き家にしては綺麗に整っているな。タンスに服もあるし、机には!」

「どうした?」

言葉をとぎらせた松岡信治に山本祐司が近づくとそこには無造作に拳銃とその弾薬が置かれていた。

「ここは日本じゃないのかも知れないな?」

松岡信治は他にはないのかと二階を調べにいった。その時入り口のドアが開き服部雅臣と江崎希美子が到着した。

山本祐司は拳銃を手に取り二人に向けた。

「手を挙げろ!さもなけば撃つぞ?」

「きゃー」

「祐司。いい加減にしろ」

服部雅臣は山本祐司をしかりつけると情況説明を求めた。

そこに二階に上がっていた松岡信治が戻ってきた。手には武器を抱えて。

「まずは聞いてもいいか?」

服部雅臣の言葉に促されて松岡信治が後を受け継いだ。

「ここは空き家になってるようだ。しかも食料もある。そして武器だ」

机に並べられた武器を見せた。


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