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サバイバルゲーム  作者: 秋元智也
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懺悔

どこかで殺しあっているのか、遠くの方から銃声が鳴り響いてくる。山の中腹に隠れる事にした酒井学は寝転がって息を潜めた。すると足音が上の方からしてきた。

動かなければやり過ごせる。動くな~。

自分に言い聞かせると目だけ周りを警戒する。

人数は4人。勝てっこない。しかも、大人な上に体格のいい男達だった。

「そう言えば聞いたかよ?」

「何の事だよ」

「このサバイバルゲームの景品だよ」

「あぁ、どんな願いでも叶えるってやつだろ?」

「あぁ、億万長者も夢じゃねーってよ」

「俺はアイドルと結婚したいな~」

「そんな事でいいのかよ、女なら金がありゃー買えるだろ?」

「買えるような安いもんじゃねーんだよ」

何の事を話しているんだ?景品?そんな事聞いてないぞ!?

「そういやぁ~さっきのは楽勝だったな~」

「あぁ、外でショットガン撃ってりゃ、狙撃してくださいって言ってるようなもんだぜ。しかもちゃっかり仲間の位置も教えてくれちゃってさ」

「学生だろ?またなんでそんなのが混ざってるんだ?」

「いいんじゃねーか。俺たちは楽ができて。」

「ちげーねー」

笑いながら通りすぎていく男達。不安がよぎる台詞に思いあたる事が多すぎた。

「あのバカどもが、、、もう俺だけかよ」

ずっと隠れて過ごすつもりだった酒井学は男達が立ち去った後、奴等が来た方角へ下っていった。

そこからは下についさっき別れた家の裏手が見えた。

降りてみると、塀の近くに山本祐司の死体があり、壁際に江崎希美子を抱き締める形で服部雅臣の死体が寄りかかっていた。

一階は何事もなく、二階に上がるとそこは爆発でも起きたかのような無惨な状態になっていた。

その奥には壁に背をもたれさせたままの松岡信治の姿があった。

もう、誰一人として生きては居なかった。

戻ってきた事を後悔した。

こんなの、見たくはなかった。別に嫌いで離れた訳では無いのだ。

信治とはよくつるんでいた。

しかし、高校に入ってからは疎遠になっていった。

違う。信治が真面目になったのだ。

もう、ネトゲーをしなくなった。

それが、寂しくて悪態をつくようになった。

涙を噛み締めると武器と弾薬を掴むと手近なリュックに詰め込んだ。

小さいが、無いよりはましであった。

「敵は取っ手やる。ゲーマーを嘗めるなよ」

酒井学は立ち上がるとゆっくりと先程の男達を追いかけるように山の中へと消えていった。



キャンプ地から大分と離れたところまでやって来た3人は後ろの方角で銃声が響いた事に警戒していた。

「人数がまた減った」

「2人ってことは・・・おそらく怜子と真理だな」

中野和彦は後悔してもしきれない罪悪感に苛まれていた。

「やっぱり探して連れて来ていればっ」

「いや、そんなことを言っても仕方がない。俺たちだけでも生き残ればいいんだ」

岡野達也は中野和彦を説得しる。

ここでは、中野和彦の戦力がどうしても必要不可欠だからた。

小島健二はただの金魚の糞でしかないため、囮にしか使えない。

しかし、中野和彦は違う。

生き残るにはどうしても精神状態が左右するのだ。

「あいつらの為にも、生きて残らなくちゃならないんだ。分かるか?」

「あぁ。わかってはいるんだ。だが、俺が見殺しにしたんだ」

「違う。全ては俺のせいだ。だから和彦は関係ないんだ。しっかりしてくれ。後悔するのは生き残ってからだ」

「そうだな、すまない。取り乱して・・・大丈夫だから」

心を決めたのか顔つきがかわった。

「敵は俺たちがとる」

「どうするんだ?」

先に橋があるだろう?

と、中野和彦は指を指す。そこには大きな橋がかかっていた。

見て分かる通りの見通しがいい一本道だ。

「橋の横には長めの草が生えてるだろう?そこで身を隠して待ち伏せするんだ」

「なるほど。不意打ちなら俺たちでも殺れるかも知れんな」

早速橋の側に隠れて向こうからやって来るのを待った。

するとバイクの音が遠くから響いてきてこちらに向かって来ているようだった。


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