謎の少女
いつもと変わりない朝を迎え高校二年の二学期を今日から迎えようとしていた。
「優くんー早く起きないと遅刻するわよ~」
「・・・は~い」
目覚ましはとっくに止められていた。
「ねみ~」
水谷優私立鳳凰高校の生徒である。
眠そうな目を擦りながら洗面台で顔を洗ってパンをくわえるとそのまま家を出る。
「いっふぇひまーす」
「こら、行儀悪いでしょう‼」
家の横に停めてある自転車に乗ると坂を勢いよく下っていく。
信号も今日は黄色のギリギリを通り抜け、校門の横から裏口へと回ると自転車を植木の隅に隠す。
校舎を走り抜けて下駄箱で靴を履き替えると教室へと向かう。
「やっべぇ~急げ俺」
そこでチャイムが鳴り響く。
開いている窓を伝い二階に登るとクラスの窓からこっそりと入り込む。すると・・・。
「水谷優、こんなところに入り口はないぞ」
目の前には山口昇司先生の姿があった。
「あっちゃぁ~。もう来てたんすか?おはようございまーす」
「皆はとっくに席に着いているがな」
「俺も席に着いていいっすか?」
未だに窓に足をかけた状態で止まっているのだ。この体制は非常に辛い。
「あぁ、勿論だとも、バケツでも持って後ろで立っていなさい」
「マジかよ~」
クラスのあちらこちらからクスクスと笑いが漏れる。
山口先生は振り返ると教室の後ろからこっそりと入ろうとしている岡野達也にもにっこりと笑って後ろを指差した。
その日は二人して後ろで立ちながらホームルームを迎えた。
「ちぇっ、なんで今日に限って~」
「ってお前が見つかったせいだろうが~」
小声で責任転嫁をしだす岡野に声が段々大きくなる。
「お前だって遅刻してるくせに」
「人のこと言えるのかよ」
「なにぃ~」
「お前たち静かにしないか!これから体育館に移動するがお前たちはバケツを持ったまま移動したいのか?」
ビシッっと怒鳴られ、大人しく反省の態度を示す。
「「すいません」」
「よし、移動するぞ~」
ぞろぞろと体育館に移動すると全校生徒が集まっていた。
そこで校長の長い話を聞かされ約30分程の退屈な時間が流れる。
終わると各自の教室に戻りホームルームをして今日は帰宅となる予定だった。
教室に向かう道すがら友達の足立享の背中に飛びかかる。
「うわぁ~」
「へへへ、この後遊びに行こうぜー」
「なにすんだよ~危ないだろ!・・・仕方ない、優の奢りならな」
「あーひでぇ~の」
「いいねー私も混ぜてよ~」
話に入ってきたのは伊藤香奈同じ2組の生徒ですぐ横のせきで、優の幼馴染みだ。
「誰が香奈を誘ってんだよ~」
「いいじゃない❗暇なんでしょ?美弥も行こうよ」
「私は別に・・・」
「なに遠慮してんのよ~優の奢りよ」
「奢るなんて一言も言ってねーよ」
香奈の横にいるのは牧野美弥、優の思い人でもある。
香奈と違い勉強もできて、清楚でおとなしい控え目な生徒であった。腰まであるストレートの黒髪が彼女をより一層際立たせている。
いつも大きな声で話す香奈と比べると余計守ってあげたくなるのだ。
席に着いてざわざわと話していると山口先生が教室に戻ってきた。
「お前ら、静かにしろよー。これから、ホームルームを・・・」
言葉が途切れ グシャ っという音と辺りに生暖かい液体が飛び散った。
一瞬の事で誰もが反応出来なかった。
黒板の前、調度先生の立っていた辺りは真っ赤に染まっていた。そして粉々になった肉の破片が至るところに転がっている。
「きゃ~~~」
一斉に悲鳴がこだまする。
するとパニックを起こした生徒達は一斉に教室の出口に殺到するが扉は全くびくともしない。
「どうなってんだよー」
「いやー開けてーーー」
「どけー俺がぶち壊してやるーーーー」
いつもクラスでふんぞり返っているガキ大将の岡野達也と取り巻きの
小島健二が机を投げつけた。
扉は傷すら付くことなく机だけが壊れて床に散乱する。
「どうなってやがるんだ?」
その時、前の机に見知らぬ少女が 仁王立ちしていた。
「そろそろいいかのぉ?煩くてたまらんわ」
一瞬の何が起きたか理解ができなかた。
よく考えると不自然である。
真っ赤なワンピースを着た10才位の女の子が何故高校にいるのか?
それにそのシミのような赤は元々な訳はないような気がしてならない。
一気に静まり返ると、満足げに腕を組みうなずいて見せた。
「うんうん。静かになったのう。」
誰もが息を飲む。誰も口を開かないのをいいことに少女は机の上に立ち上がった。
「ここにいた人間は邪魔だったのでわしが殺した。これから、騒ぐ者も殺す。いいかの?黙ってわしのゆうことを聞けば助けてやる。」
勝ち誇ったように一方的に話し出した。
「これから、諸君にはチームに別れてサバイバルゲームをやってもらう。一チーム五人じゃ。調度三十人居ることだし丁度よいな。生き残りをかけたサバイバルじゃ、生き残りたかったら相手を殺せ。一チームになるまで戦ってもらう。勝てば仲間も生き返らせてやる。わしは神じゃからのぉ~何でも思いのままじゃ。」
すると自称神と名乗った少女が手を振ると光が全員の手首に巻き付くとそこには時計がはめられていた。数字が出ていて100と示されている。
「この数字は生き残っている人の数じゃ。さぁて楽しませてもらおうかのう」
「ちょっと、まっ・・・」
止める暇もなく一瞬で回りが霧に覆われて森の中に移動していた。
「なんなんだよ~」
「ここどこ?」
「・・・」
近くには仲のいい足立享と根暗の荒川千尋と女子は幼馴染みの伊藤香奈と牧野美弥がいた。




