vs戦艦空竜エンターグレイズ
意識が覚醒し目を開けると...逆さまに見える顔があった
目を瞑っており寝ているのかコクリコクリと顔を揺らしている、
「そうか...俺....ありがとうルキナ」
枕にしている顔を上げ、座りながら寝ているルキナの横に座るとルキナをゆっくりと倒し頭を俺の膝へと乗せ、サラサラな髪を撫で始める
「はぁ....」
これからどうするか
90階層を攻略すると80階層へとたどり着いた、長く続いた洞窟エリアの次は水エリア、その次はマグマエリア
じゃあ次考えられるのは吹雪や氷のエリア、砂漠のエリア、森のエリア、空のエリア位か?
考えられるボスは氷なら白狼、砂漠ならサンドウォーム、森なら大蛇、空なら空竜...か?
確かさっきの90階層のボスは100階層と同じらしいから戦いについては問題ないか
問題なのは...スザクカトルと同じようにトラップを発動させて勝つパターンだ...
「ううんっ」
「ん?....ッ!?」
寝返りをうったのかルキナは横寝ではなく仰向き寝始めた
そのせいで寝顔が満遍なく見ることが出来、豊満な双丘はかなり主張してるように見える
何でルキナは...俺にこんな事出来るんだろうか?
確かに俺は主でルキナは奴隷だ、でも俺はそう言うのは望んだ覚えはない、断りたければ断って良いし
断られても態度は変えないし一人でやるだけだ
ルキナが何を思いどう考えているのか?それが全く思い付かない、いやまあ人間なのだがら当然かもしれないが
ある程度一緒にいるのなら相手が考えそうな事を思い付いてもおかしくはない
わからない、何でルキナはこんな無防備でいれるんだ?
男と一緒にいるんだぞ?何で....怖くないのかよ、いくら呪いがあるとしても....襲われるのは嫌だろう
「はぁ.....」
俺だって女性といたら、あんなことやこんな事をしてみたいとは思うんだぜ?直ぐに思考を切り替えて忘れるが
これは考えても仕方ないな...なら次だ、俺はルキナをどう思っているのだろうか?
好き...なんだと思う、恋愛としてとか友達としてとか全部ひっくるめたらな
ルキナといれば落ち着くし安心が出来る、ルキナの戦闘能力を考えると出来ないはずなのに
多分きっとこれはルキナが...ルキナ自身が持っているオーラだと思う
少し脱線したな、俺はルキナが好きだ
ならそれは仲間としてなのか一人の女性としてなのかが重要になってくる
.....分からない
それに....こんな事考えている時点で俺は....ルキナの事...異性として
「好きなんだよな」
「何がでしょうか?」
「うわっ!?...起きてたの!?いつから!?」
び...ビクッたぁ...タイミングがタイミングだから...
って言うかルキナ起きたなら起き上がれよ....いつまでも膝枕するつもりなんだ?
「あの...いつまで...」
「....もう少しお願いします」
「あ..はい」
もう少しお願いします...か、いつまでしてなきゃいけないんだろうか....
でもまあ...こういうのも有りだな....そう思える
きっとそれもルキナが好きだからなんだろう....でもこの恋は叶わないし叶えてはいけない
俺は異世界人だから...世界を救い終わったら帰らなければいけない、家族の元へ
もし...それに俺は結衣も救うんだ...その時俺がルキナと恋中だったら結衣は何を思い何を感じる?
「やっぱり...汚れてるから?」そうなるだろう...そんな思い俺は...結衣に思って欲しくない
「ご主人様には...その、好きな女性は居られるんでしょうか?」
「...そうだね、居るけど居ないし、その願いは叶えたいけど叶えてはいけない...かな」
結衣という好きな相手は(居るけど)この世には(居ない)
ルキナへの淡い恋心は(叶えたいけど)、結衣や家族の事を考えるとルキナとは居れなくなる、なら(叶えてはいけない)
「?....そう...ですか」
「ルキナには居るの?、好きな人」
「へっ!?...そ、その...い、いますよ...その」
そっか....やっぱり俺の事を.....ごめん....
顔を赤くして起き上がったルキナを見ながら俺は....死にたくなる....俺も好きなのに...叶うはずの恋を失恋で終わらせてしまうのだから...俺の勝手な理由で
「そっか、叶うと良いな、その恋」
「....はい」
吐き気がする
何が叶うと良いな、その恋だよ...叶えなくさせてるのは俺じゃねえかよ
くそが....
「そろそろ行こうか」
「分かりました」
立ち上がった俺達は洞窟へと向かいその階段を降りて行った
その階段の一番奥には....錆びれた扉があり....開けると...強風とは言わないまでも強い風が襲ってきた
「.......」
「....すごい」
やっぱりか....空のエリア
ウィンドサーチによれば透明な階段をみたいなのが彼方こちらに枝分かれし迷路を形作っている
しかも階段と階段の間には壁がないため...魔物が一斉に襲い掛かるなんて事も起きそうだ、それに
1~9階層分の広さを持つこの空のエリアには....ボスが野放しにされている
透明魔竜に不滅魔竜、風雷魔竜やディアダロス、そしてスザクカトルなど今まで戦った強敵を赤子に思わせるような程巨大な空竜が
戦艦空龍エンターグレイズ
Lv測定不能
ソロ推奨レベル測定不能
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「また測定不能かよ...それに」
「?どうかいたしました?」
「なんでもないよ」
スザクカトルも測定不能だがどういう魔物なのか説明が書いてあった
だがこいつや今までの測定不能級ボスは書いてなかった
つまり...こいつはスザクカトルとの戦いより厳しくなるって事なのか?
「ルキナ、こいつの情報はフラミさんから聞いてるか?」
「いえ...その、まず90階層のクリア登り階段になる事事態聞いてません、そして...90階層から100階層まで普通の迷宮だったと聞いています」
「そうか....下り階段だとか聞いたか?」
「いえ」
つまり....Aランカー達はこの戦艦空竜エンターグレイズに全滅したって事か...
もしくは...異世界者の俺への試練か
「先に進もう」
「はい....でも、どう進めば良いんでしょうか?」
.....そっか...ルキナには何処にどんな形で床があるのか見えないのか...
視覚として見えないがウィンドサーチによって理解してるから忘れてた
どうしよ...担ぐしかないか
「乗って」
「...はい」
ルキナを背中に乗せ、俺は進み始めた
襲ってくる魔物は全て風剣で串刺しにして避けて近付いて来る敵に剣を振るい排除した
剣を振るう時は揺らさないように
「すいません、足を引っ張ってしまって」
「いいよ、ルキナ軽いしあまり負担になってないから、それに...」
背中に伝わってくる感触が気持ちいいです、はい
まあ、それは置いておいて実際にルキナは結構軽い、俺のステータスが高いからだろうけど多分片手で持てる
それにこっちの方が俺にとっては好都合だ、いちいちルキナの心配をしなくてすむ
戻ったり降りたり登ったりで妙に入り組んだ道を通っていき、やがて...戦艦空竜が飛んでいる大きく広がった床へとたどり着いた
地面を思いっきり踏みつけると.....バリッと音がし...ヒビが軽く入ったのが分かった
「思ったより壊れやすいな...」
「勝てるのでしょうか?」
「さあね、でも勝つしかない、さあ、ジャイアントキリングを始めようか」




