九話vsアルルグ3
「プッふはははっはあははっは...何言ってんの?あははっは...」
何故かリヴが笑いだし、気になったが....今は集中しないと...目の前のアルルグに
鑑定を使っても...
アルルグ
LV測定不能
ソロ推奨LV不明
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としか表示はされない
鑑定についてはよく分かっていないから何とも言えないが
姿を知覚しないといけないっぽい事は分かってる
これは町に初めてきた時だが果物を見て鑑定を使ったとき、人が果物を買おうと俺の視界を遮った時にも使用が出来たからだ
だから今、目の前に見えているアルルグが幻影って事はあり得ない事になる
じゃあ何故鑑定が使えないのか?だが....隠蔽系のスキルを持っている..
もしくは俺が持つ鑑定の精度ではアルルグを調べられない、その二つが想像つく
「あははっははああ、本当にこの状況分かってるのかな..ぷっくすくすくす、何?さあ、ゲームを始めようか?ってあはははっは、思い出しただけで笑えるくすくすくす」
そして....予想だがこれは隠蔽じゃない気がする...理由は隠蔽なら何故???にする?普通なら疑念を持たれないように普通のステータスのようにさせるだろう
だから...多分、相手の実力が高過ぎて調べる事が出来ない、んだと思う
「ねえねえ。マジでさっきの何?ねえ教えてよ、くすくす、」
「さっきからうるせえよ!」
「いや、ちょっと中断して良いからさっきの何?くすくす」
さっき?...ああ...「さあ、ゲームを始めようか?」って言った事か....
最初はアニメを見て使ってみたいと思ったのが切っ掛けだったような気がする、
使ってたのはVRMMOで本気で勝ちたいと思う奴とのpvpとか最新ボスを初クリアしようとする時、つまり大事な場面の時だ
そして今ではゲーム以外でも大事な局面には必ず言うようにしてる、テスト受ける前とか部活の試合とか
聞こえた奴は...リヴのように笑ってたけどな....中二病に見えるんだろう...だけどどんなに笑われようとも言う価値があると俺は思ってる。
だってさ「気軽にやろうぜ」「楽しもうぜ」って言ってるみたいじゃん?
だからかな?言うと心が落ち着いて力出るんだよな...まあ...ルーティーンみたいな物だと思う
「うーん...教えてくれないのかー、残念」
「別に深い意味なんてねえよ、ただ...言うと楽になる、だから言った、それだけだ」
「そっかぁ...まあいいか、んじゃもういいよね?始め始め!」
「.......」
パチパチと手を叩きながら再開を言うリヴ
俺は瞬時に戦うための情報収集に頭を切り替える...
どうやったら勝てる?
全てにおいて俺はアルルグに負けてると思う
なら勝てる方法は相手がこれで決まる、そう思ったときの攻撃にカウンターを入れる...それしかないと思う..
多分、相手が一番油断する場面でもあるのだから...でも...もし失敗したら死しか待ってない
くっそ!どうしたら良いんだよ!
「ん?どうしたの?固まっちゃって、もたもたしてると時間過ぎちゃうよー」
「分かってるよ!」
ゆっくり考えてる暇はないか...
なら...キツいが考えながらするしかないか
取り敢えず、剣は鞘に戻す....邪魔にしかならないし
「あれれ、剣を鞘に入れちゃった....まあいっか....でもそろそろ動いて欲しいかな?、早くして欲しいからアルちゃん、先にやっちゃって、」
「がう」
リヴの呼び掛けに応えたアルルグは、突然...視界から居なくなった
またこれかよ!集中しろ集中しろ、体は分かる筈だ、自分の命が死に晒されるのを
だから...それが分かった瞬間に体を動かす....それしかない
そして....突然、身体中に悪寒が走り、殺気がどこから出てるのか?それを探し...
何度も感じたんだ殺気を、今まで感じたことがない物なんだ、殺気は体に刻み込まれたんだ
なら....思い出せ....
そして...
前へ転ぶように体を動かした、そして後ろへ顔を向けると...
さっき俺が居た場所にアルルグの巨大な前足が振られていた
「おおおーー、避けたねー、その調子その調子」
「........」
なんとか避ける事は出来るな.....
だが....辛い、攻撃が来る直前までは全く気配が感じられない
そして...こう考えている間にまたアルルグは消える
俺は同じように感覚を研ぎ澄まし....殺気を感じた瞬間に場所をある程度予測して避けた
段々と回避に慣れていき、何度も何度も繰り返してる内にアルルグは何を思ったのか
突然消えてからの奇襲を止めて、直接襲い掛かってきた
「うがああああ!」
「チッ!くっそがあああ」
振るわれる手を見続け、ギリギリのタイミングで避ける
普通ならあり得ない事のような気がする
レベルがステータスが得ているスキルや魔法が、余りにも差があるのに攻撃を見切り、避け続ける
自分でも何故出来ているのかがわからない...でも神が言っていた常軌を逸した反射神経と動体視力それがどういう事なのか分かる気がする、多分それが無かったらもう死んでた筈だから
これが才能チートって奴なのかな?多分そうなんだろう
はあ...せめて神さんスキルチート位くれても良かったじゃんと思うが...無い物ねだりは意味がないし才能チートがあるだけましか
「.....え?...ッッ!!」
そして....目がの攻撃に慣れてきたとき...殴りに来る瞬間でアルルグが目の前から姿を消した
居なくなったと知覚し、気配を探ろうとする、そのタイムラグ、
多分、そこを狙われたんだとは思うが背中を殴られた
その威力は凄まじく、体は体重がないのでは?思うほど吹き飛び、地面に何度も叩きつけられ、転がった
体中に激痛が走しっており、特に殴られたであろう背中とその時に肺にある空気が抜けたのか...激痛を通り越した何かを感じていた
「がはっ!?...うぐ」
立ち上がろうと
手に力を入れるがその時に運悪く吐血していまい、力が抜け、また倒れてしまった....
ヤバイ...ヤバイヤバイヤバイ...やばい...どうしよ...死ぬ...
立たなきゃ....そう本能と思考、両方が訴えてくる
必死に腕と足に力を入れ、立ち上がった.....ステータスを見てみると全身打撲と書いてあり...骨は折れていないみたいだった
そう言えば...虎の殴りってスイギュウの頭蓋骨を破壊するほどの威力だっけ?
マンガで読んだ気がする....そして背中が一番頑丈とも書いてあったような....だからか?即死じゃなかったのは...まあ...どうでも良いか
瀕死には変わりないし....全身打撲で勝てるような相手じゃない
「だが....もうその奇襲は成功させねえよ」
もう学習した、この身を持ってしてな
決めれる物なら決めてみろ....そのときは...確実に一撃を入れてやるよ
アルルグはその言葉を理解したのか、たまたまなのか分からないがただの殴りに戻った
猛攻をひたすら躱わす、刻一刻と時間は過ぎていき...焦りそうになる心を黙らせて躱わす事に専念する
消えるのを待ちながら....
消えろ...消えろ消えろ消えろ....さっさと消えてくれ
それを願えば願うほどアルルグの猛攻は鋭くなっていき....殴られた身体は痛みのせいで感覚が薄れていき体が重く動きにくく、視界はずっと目を使っているせいで霞んでいる
「くっそ」
そして....コンディションがどんどん悪くなっていき心より先に体が限界に至った
そのせいで躱わす事を失敗し、アルルグの腕が頬をかすった..
あっぶぇ....かすった程度で済んだ....でも次が....
あ...足に力が...入らねえ
無意識の体は下がり、片足を地面に付けた
そして....突然体勢が下に行ったためかアルルグの腕は俺の頭上を通りすぎ....空振りに終わった
「今だ!」
右手の手で剣を抜き、抜刀と同時に剣を振り上げアルルグの腹と喉を切りに掛かった
また...かよ
剣は幻のように透明になっていくアルルグを切り裂き...何事も無かったように剣は肉を切ることが出来なかった
「でも....これで..」
多分...最初で最後のチャンスだと思う
これで仕留めるか重症まで追い込まなければ俺の負けだ
だから集中しろ....感覚を研ぎ澄ませ
何処に殺気が現れるのかを...感じ取れ.....
そして後ろから殺気を感じ....鞘に残ってる剣を左手で柄を握り、勢いよく体を回転させ、振り向くと同時に抜刀を行った
視界には腕ではなく俺に噛み付こうとしている状態のアルルグがおり...
振るった剣は....空振りに終ったのだった