vs70階層ボス
「70階層...か」
無限迷宮の現時点での最高到達点は90階層だ
100階層への到着事態は成功したが肝心のボスを倒せていないためにボス部屋前に転移陣をはれないでいるためだ
いくら100階層へ行けました、といっても証拠が無いために記録として残らない
なので現状は90階層止まり、んで現在俺は70階層にいるんだが...実際にこの迷宮のどのくらいの位置になるか分からないため進んだなと思うべきかまだまだだなと思うべきか分からない
「ご主人様?」
「いや、何でもないよ、ボス部屋に入ろうか」
「わかりました」
70階層にルキナを連れてきた訳だが...簡単だ
魔力爆発からの風剣乱舞で止めを刺したら99%ぶっ倒れる
だから危険を承知で連れてきた、瞬殺すれば問題ないからな
中に入るともう出現してあるボスはこちらに顔を向けて....いきなり炎を吐いてきた
ボスとの距離は普通に6,7メートルあるのに炎の勢いは落ちる事なく真っ直ぐ俺達に向かってくる
「【エアロバリア改】、【風剣乱舞】」
俺とルキナ守るように大きくエアロバリアを発動させ炎を防ぎ、周りに大量の風剣を展開させる
炎のブレスを吐くのをやめたボスは....なんだろうか?....精霊かな?
絶対的に丸っこく、体全体を炎で覆ってるんだけど....精霊で良いのか?...エレメンタルのが合うか?
まあいい、さっさと倒そう
「【魔力爆発】....そういや...何で爆発させる必要があるんだ?」
発動させてから気付いたから...もう遅いのだが
確かに爆発させて一度に大量に出すってのは良いかもしれないけどさ....空気みたいに圧縮させて使った方がよくね?....てかてか、これの元ネタって圧縮だよね?.....俺ってアホか?
もう一度言う...もう手遅れだけど
「はあぁ....集束し吠えろ、刺し穿て、風剣乱舞【砲の型】」
展開されていた風剣を切っ先をボスに向けたまま一つの大きな剣になるように集め、ボスに向けて放つ
ボスは炎を巨大な風剣にぶつけるが、風雷魔竜のブレスを切り裂いた剣だ、そんな炎で止まるはずがなくボスに突き刺さり.....ボスは切り裂かれ二つに別れた
「ちっ...エレメンタルだから切り裂かれても分裂するだけかよ....なら」
新しい魔法を作るだけだ
分裂したボスは俺達に向けて炎を放つが放たれる2方向にエアロバリア改を発動させ防ぐ
炎は分裂したせいか分裂する前と比べて格段に威力が落ちていた
「拡散し舞え、切り刻め、風剣乱舞【集の型】」
巨大な風剣を元のたくさんの風剣に戻し半分に別れてボスに襲い掛からせる
切り裂かれたボスはもう無惨な程に細かくされ、それでもボスは俺に小さい炎を飛ばそうとしてくる
きっとこれ以上は切り裂けない、なら....
「さらに分散する剣よ、凍てつく刃となりて、舞い踊れ、風剣乱舞【氷の型】」
小さく切り裂かれたボスを1体1体封じるためにそのボスの大きさに合う小さい風剣にさらに分散させ作り、それを氷属性を纏わせて放つ、放たれた剣に当たったボスは次々に氷の玉となって地面に落ち、壊れていった
その後にボスが復活することはなく、迷宮の扉は開かれる
「ぐふっ!?....げほげほっ!?」
赤黒い血の塊を吐き、地面に手を突く
事前に知らされていたルキナは慌てる事なく俺に回復魔法をかけてくれた
うん....やっぱり連れてきて良かった....
「ありがとう、ルキナ、もう大丈夫だから」
「はい、でも、ご無理なさらないでくださいね」
「うん、気を付けるよ」
無理だけど....まず風剣乱舞を使わないとこの先は進めない、それに近くにいなきゃルキナを守れないからボスに近付き剣を振るうって事も出来ない
魔力爆発の改善はしなきゃダメだな...
「先、進もうか」
「はい」
71階層に繋がる階段を降りていくと....まさかの水でいっぱいだった
つまり....71階層からは水の中で進み、水中で戦闘をしなきゃいけない事になる
何でだよ、と思わなくはない、だって60階層までは普通の洞窟だったのだ
「ここからが本番って事か....」
「あの...どうしましょう?...さすがに今の服で水に入るのは...その」
「....ああ...そうか、なら引き返そう、水着でも買わないと進めないしね」
「はい、すいません」
ルキナは一応は下着をつけているが...普通の服を着ているのだ
当然水の中に入れば透ける、さすがにそれはルキナも嫌だろうし俺がキツイ
そう言うわけで引き返した、また70階層ボスと戦うのか、と思うと嫌になるが...仕方ない
ギルドに帰った俺達は真っ先にフラミさんの所へ向かった
さすがに女性ものの水着を男が...なんて出来るはずがないし、ルキナ一人で行かせても良いが...一緒に行ってくれる人がいるなら頼んだ方が良い
「そう言うことか....分かった、一緒に探してこよう」
「お願いします、見た目とかどうでも良いので動きやすくて脱げない奴でお願いしますね」
「.....はあぁ...まあいい、分かった頭に入れておこう」
え....何で呆れられてんの?....え?俺可笑しいこと言ったか!?
ため息をつかれるような事言ったか?.....あれ?...ルキナなにそっぽ向いてんの?
「どうでも良い....ですか....そうですか」
「あ...あのぉ...ルキナさん?」
「....へ!?...な、なんでしょうか?」
「いや...何でもない」
何でルキナが拗ねてるんだ?
さっぱり分からん、なんかダメな事言ったかな?...ううむ
あ....どうでも良い....か....確かに女性の水着に対してどうでも良いは酷いか.....
「さて、行こうかルキナ嬢、 」
「はい、それではご主人様、行ってまいります」
「うん、その....楽しみにしてるよ」
「え!?...はい」
これで良いのかな?....フォローは出来たはず....多分
女心って難しいよなぁ...ちょっとした事で不機嫌になるし嬉しそうな顔をする
まあ、そこが可愛いんだけど...地雷を踏むと手もつけられない状況になるのは勘弁願いたい
「さてと...俺も水着買いに行くか」
ギルドの方で売ってる戦闘用の水着を買い、まあ暇になった俺はボス戦で思い付いた魔力圧縮を修練場で頑張ってる冒険者達を見ながら試していた
ここでぶっ倒れても誰か助けてくれるだろう
イメージは大量の風を圧縮させて魔力回路に通す感じだ
それを何度も何度もやって気付いたのだが....
「これ....魔力爆発の威力超えられねえな」
そもそも魔力爆発は蛇口が壊れた水道みたいな物だ
だから一度にかなりの量を出せるし威力も桁違いに上がる、その代わりに無理矢理壊して使うんだから魔力回路と肉体に大ダメージを受ける
一方、魔力圧縮は魔力を圧縮させて小さくし普通の魔力回路で通せるようにしてるけど、どうしても圧縮量には限界がある、練習して技量が増せば魔力爆発より使い勝手よく圧縮させている分威力は増すが....何年かかるか分からない
「困ったなぁ...これからは軽く運動したあとはこの練習に没頭するかぁ」
まだまだ魔力爆発を使う必要があるなぁ
出来たとして....名前は普通に魔力爆縮で良いかなぁ...どっちも大量の魔力を一度に引き出す魔法だし
はあ....まあ、当面の目標が出来たと喜ぶべきだな
「そういや...グレンとの約束破っちまったなぁ」
どうでも良いんだけど、どうせ足手まといにしかならないし
でも....あいつは俺を英雄としてじゃなく友達として見てくれている気がするんだよなぁ
英雄英雄英雄英雄英雄.....別に良いし誇らしいことだとは思う
でも....やっぱり俺は....普通の人間として扱って欲しい、だって....英雄とは友達がいない存在なのだから
強い力を手に入れたがゆえに孤独になる....神話や英雄譚、そこで活躍した人や神は殆どが暗殺や処刑、残酷な死にかたになっていると思う
「なら...俺は英雄なんかになりたくない」
普通に暮らして、守りたい者だけを守る、そう言う人でいたい
この願いは無理なんだと思う、家族を救うためにはこの世界を救わなければならない...結果俺は世界を救った英雄になる.....はあ
「なあに、しけたツラしてんだよ」
「ん?....え...何でグレンがここにいるんだよ」
「お前にランクアップ試験が来たって聞いたからな、急いで来たよ」
そうか....知ってたか
別に良いけどな...知られて困るものじゃないし
「んで?何階層まで進んだ?」
「70階層」
「まだ追い付けるな....まあ一人で60階層にいけるかは分からんが」
こいつは....ここまで実力の差があって...どうして俺に着いてこようとって思うのだろうか?
こんなのテストじゃ赤点ばっかりの奴が100点代を取ってる奴に追い付こうとしてるようなもんじゃないか
無駄だ、とても無駄だ、最悪死ぬ恐れがある...こいつはそれを理解してるんだろうか?
「なあ..グレ....」
「俺ってさ...お前が現れるまでお前と一緒のように期待のルーキーだったんだぜ?」
「それが?」
確かにそうなのかもしれないな
ソロで迷宮30階層まで進むのはDランクで出来なかくはないが、結構難しいことだ
だが..こいつは出来た、なら才能はあるんだろう
「でもさ...お前が現れてから俺は普通の冒険者と同じように扱われた、最初は結構ムカついたんだぜ?」
「.......じゃあ何でお前は」
「だがな...見てたんだよ、俺は、お前が透明魔竜と戦う所を」
まじか...気付かなかった
あの時はウィンドサーチも完全じゃなかったし、広範囲には出来なかったから仕方ないけど
.....何で今、この話をしてるんだろうか?
「俺は避難してたよ、大人しくな、だけどお前は違う、あんな訳も分からない奴に立ち向かった、それからは...ムカつくなんて思わなくなったぜ、お前は...そう言う奴だから英雄なんだってな、気付かされたから」
「........」
「追い付こうとは思わねえ、俺にも才能はあるがお前は俺より上だからな、だからお前の迷宮攻略にはもう手は出さない」
そう言う事か...断りに来ただけか
いや...違うな、俺が言うんじゃなくて自分から断ろうとしただけか
...ただのプライド、だろうな....アホらしい、とは思うが、それがやる気にも繋がることがあるからなんとも言えない
「そうか....」
「ああ、だけどこれからも時々で良いからどっか行こうぜ?、」
「.....そうだな、迷宮攻略の断りは受け入れた...だけど良いのか?」
「は?なに言ってんだ?...良いのかも何もおも断ろうとしてたんじゃないのかよ」
確かにそうだ、だけど俺が言ってるのはそう言うことじゃない
グレンだって男だろうからさ....71階層からは見られる光景は見たいだろう
「71階層からは水中戦になるんだが...そこにもルキナを連れていくんだ」
「それがどうし....まさか!?....」
「そうだ、そのまさかだ、ルキナの水着姿を見る事が出来る」
そう....ルキナの水着姿だ
皆も分かる通りルキナは完璧と言って良いほどのプロポーションを持っている
そのルキナの水着姿は....誰だって見たいだろう?....俺も少し見たいし
.....グレンよ....土下座しなくても良いじゃないか
「すまん、さっきの事は取り消しにしてくれ!頼む!」
「あんだけ格好つけておいて、直ぐにこの様とはな....」
「ああ、どうしようもねえ事実だ!でもな!時にはプライドを捨ててでも見たい光景というのはあるんだよ!」
確かに....ルキナの水着姿はプライドを捨ててまでも見る価値があるものだろう
こいつの頭には戦闘もするんだ...もしかしたら水着が脱げる事も想定してるんだろう
だが....俺は...こいつのプライドを肯定したい、....別にルキナの水着姿を独り占めしたい訳はない....違うからな!
「すまないがグレン....俺はお前の意思を尊重したい、だから...お前を迷宮に連れて行くことは出来ない」
「そんな!?...ユウト、お前、俺の友達だよな?ならさ....頼む!」
「くっ、俺も出来たら連れていきたいさ、でももしこれがバレてみろ?、お前は水着が見たいがために自分の決めたことを否定するどうしようもない奴になるんだ!俺はそういう事になるグレンを見たくない」
「くっそがああああああああ!!」
まあ、悪乗りは置いといて、帰って来てるルキナをどうするかなぁ
ルキナもルキナで「どういう状況なのでしょうか?、声をかけるべきでしょうか?」みたいな困った顔をしてる
ルキナを助けるのが優先だな...決してグレンをこの話題から離れさせたい訳ではない、違うからな!
「ルキナ、お帰り、どうだった?」
「へ!?...はい、フラミ様に選んで貰ったので大丈夫だと思います」
フラミさんと選んだか....ちゃんとしてる奴買ったと思うけど
なんか露出度高めではないことを祈る
「そっか、それじゃ昼食を食べに行くか」
「え....でもグレン様は?...」
「良いんだよ、今は一人にしてやれ」
「?.......はい、わかりました」
地面に四肢を突き、血の涙を流しているグレンを放っておいてギルドに入り、待っていたフラミさんと昼食を食べた。
余談だが、途中でグレンが帰って来て一緒に食べたが、ルキナを見てさらに落ち込み、ルキナは自分を見てため息をついたグレンに困惑していたが....これはあくまでも余談である
うーん、ルキナが着る水着どうしようか悩みますねぇ
何か着せたい!っていう水着あったら感想欄でお願いしますね
多かった水着が選ばれる..って訳じゃなく私が気に入った物を着せるのですが...
女性のスリーサイズだけじゃなく今度は水着まで調べるのか...と思うと...どんどん変態になっていってる気がして...気が引けてしまいます
何か着せたい水着あるなら教えてくださいね




