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八話vsアルルグ2

「GUGAARURURUUUUUUUUUUU」


「ははっ....はははは......」

何で....何で居るんだよ

いつ目の前に来たんだよ....この巨体でどうやってそんな動き出来るんだよ...

こんなの無理だ...死ぬ....それだけが分かる

後ろに下がってもアルルグは付いてきて、横に移動しても付いてくる


誰か...誰か助けて....誰でも良い、この状況がなんとかなるなら、誰でも...





「アホか俺は!」

"バシッ"という音が響き、頭はグラグラ揺れる

自分で自分を殴ったからだ。...こうでもしないと多分何かが折れそうだった

これで良い...後は自分を奮い立たせるだけだ、思い出せ!何のために異世界に来た?家族を救うためだろ?

何でこんな弱気になってんだ?ゴミかよ俺は!何のためにこの世界に来た?もう失わない為だろ!

なら抗えよ!必死に足掻いて足掻いて足掻いて、生き延びろよ!

自分の命ぐらい自分で守れよ!そんなんであの誓いを守れるのかよ!


「......たまるかよ」

ふざけんな.....ふざけんなふざけんなふざけんなああ!!

こんな理不尽あってたまるかよ!守るんだ!絶対に!


「死んでたまるかあああああ!!」

腰に提げている双剣を抜き、俺を見続けているアルルグへ襲い掛かった


アルルグは俺にやめとけ、と言うように雄叫びをあげるが俺は気にせず近付き、右手の剣を振り下ろそうと剣振るった

だが....アルルグはその剣が当たる瞬間に幻影のように消えていき...剣は空振りに終わった

咄嗟に後ろへ剣を振るうと同時に振り返ったが姿はなく、顔だけを前に戻したがやはりいない




「どう...なってんだよ.....」


「ここだよ!お~ば~かさん、あははっはははは」

その問い答えるように突然上から女の子の声が聞こえた

上へ顔を向けるとさっきまで対峙していたアルルグとピンク髪の12~13才ぐらいの女の子が立っていた...空中に


「....は?」

何で空中に立てるんだ?

それより何であんな幼い子が化け物といるんだよ....

女の子は散々笑って笑い飽きたのか、笑うのを止めて俺の前に降りてきた


「........」


「おろ?どうしたのおにいさん、もしかして怒っちゃった?」


「....お前は...いや、君は何なんだ?、どうしてそんな大きいアルルグと一緒にいるんだ?」


「うーん、それは内緒、今は言えないかなー、でぇ~もぉ~名前だけは教えてあげる♪」


「.........」


「私はリヴ、よろしくね!んでおにいさんは?」

コイツはいったい何なんだ?

精霊か?それとも幽霊?実態があるように見えるから精霊が有力候補か?

もし仮に精霊だとして何で俺の前に出てきた?何で俺の名を知りたがる?


「俺は悠斗、八神悠斗だ」


「ユウトかぁ...うん良い名前だね格好良い、うーん...ユウト君で良いよね?呼び名」


「.....ああ、別にそれで構わない、リヴ...は何で俺の前に現れた?それも言えないのか?」


「ううん、別にそれは教えて良いよ、えっとね...さっき君...森の奥へ入ったでしょ?」

"ゾクッ"

へ?....なんだよ...これ

リヴが...言葉発した瞬間に感じた恐怖は....

こんなの....アルルグと対峙していた方がマシだ.....死の....

死の未来しか想像できない....死、そのものだ....


"ガチャン"


体は重力が増えたかのように重くなり、鎖で締められたかのようの身動きが出来ず...全身がシビレ、力が入らない、立っているのがやっとな程だ

さっきの音は手から双剣が離れ、地面に落ちた音....そして...そんな危機的状況でも俺は....


「そ、...それが何...だよ....」


「うーん、悪くはないんだけどね、あそこは彼等の聖域なの、人間が踏み込んじゃいけない場所」


「..........」


「だからさ、分かるよね?自然の法則を破ったものがどうなるのかを」


「..........ああ」


「木を傷付け、動物達は怖がらせ、聖域を踏み荒らし汚した、それだけでね」

ああ....これ..死んだな

自業自得だ...殺されてもおかしくない....


.......だけど...なら何で今すぐ殺さない?

殺したいだけならスパッと殺せば良い、じゃあ何かがある?


「.....うぁ....ぁあっ...」


「ん?どかした?」


「な...何で....い、います..ぐ、ころ....さな..い?」


「あ、ごめんね~殺気出しっぱなしだった、テヘッ」


「ッッ!!はあはあはあはあはあ....」

無く...なった?重圧が....

殺気って自由に出せるものなのか?...


「はあはあはあ....もう一度言う...何で今すぐ殺さない?」


「うーん...気紛れ?、死にたいのなら殺すよ」

思わず思いっきり首を振るったが...

それが面白かったのかゲラゲラを可愛らしく大胆に笑ってる....

落ち着け...落ち着け落ち着け落ち着け....冷静に対処しろ


「ははっは...ふふふ、あ~君面白いねぇ、んで君が聞いた事なんだけど、チャンスをあげに来たんだ」


「チャンス?」


「うん、もし、もしこのアルルグを討伐できたら、許してあげる」

隣にいるアルルグを指差して条件を言うリヴ

無理だろ....こんな化け物勝てるわけがない

コイツ....楽しみたいだけか...俺が無様に生きるために戦い...殺られるところを

見て楽しみたいだけかよ.....くっそが!


「......どこまで許すんだ?」


「ほえ?」


「さっきお前は俺に三つの罪を告げたな?、アルルグとの戦闘はどれの罪を許すんだ?」


「あ~ふふふ、どうだと思う?」

考えろ考えろ考えろ

コイツがしたいことは楽しむことだ

なら長引くのは論外だ....ん?待てよ

本当に罪は3個だけか?....言ったのは3個だけで本当は?

いや....それは今重要じゃない...考えろ.....



そうか....



「一回で全部を許す、それが答えだ」


「ふーん...君が単に一回で終わらせたいだけじゃん、それはダメ...」


「何を言ってんだよ、まず俺がそのアルルグに勝てる確率は万に一つもない、だから一回だ、それにお前みたいなタイプは長引くのは嫌いなはずだ、一戦だけでも時間掛かる奴を二度も三度も見おうとしないはずだ、違うか?」

これで良いはずだ....間違っているかもしれない、そしてリヴが言っていたように俺の願望だ

だけど....これでもしリヴが面白いと思ったのならば...本当に一回ですむかもしれない


「ふふふ...あははははっはははは、君凄いねぇ、そうだよ?君が言った通りだよ!私は飽き性だからね二度も見ないし、そんなの面白くない!」


「そうか...だが、まだ続きがあるそうだろ?お前は飽き性だ、だから時間制限がある、そうだな....30...いや20分だな?」

何故コイツが飽き性なのか?それはコイツの笑い方だ

普通面白いなら、笑い終わった後でも思い出し笑いをする。だがコイツは全くしない

だから飽き性だと決めつけた、穴がある。だがこんな相手賭けに出なきゃ勝てるものも勝てない

そして時間制限だが....人間は同じものを何時間も楽しみ続ける事が出来ないんだ...一部の人を除くがな

そして飽き性って考えると...だ...どんな飽き性でもアニメの1話を見続ける事が出来るはずだ...多分

だから、CMもop、edも抜いた20分と言ってみた


「うーん、少しだけ不正解かな?」


「不正解?それは?」


「私はそんなにあまくないって事、そして森も」


「つまり...20分ではなく15...いや10分..か?」


「正解~良くできました、拍手!」

一人で盛り上がり、拍手する姿は年相応に見えるが....

話してる内容がゲスい...勝つことすらほぼ不可能なのに...10分なんて無理だろ


「んじゃ、さっさとやろうか時間は大事、とても大事」


「.....分かった」


「んじゃアルちゃん頑張ってね... (それと) (ありがとう、) (わざわざ) (ごめんね)

リヴはアルルグに何かを囁くとにこにこ笑っていた顔を少し哀しそうな顔付きに変えた、そして

アルルグはそれに応えるかのようにリヴの頬を大きな舌で舐め、前に出て雄叫びをあげた


俺は静かに深呼吸をしてバクバクと暴れる心臓を落ち着かせる作業に入った

一応公平な戦いにしてくれる筈だから....万全にさせておかないと...

ある程度まで心臓が落ち着き、集中できた所で、落とした双剣を拾い上げ、構えた


「準備はもう良いかな?」


「ああ、良いぜ」


「了解っと、さあ、アルちゃんを倒せるかな?んじゃ始め!」


「...さあ、命を懸けた贖(ゲーム)罪を始めようか」



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