vsワイバーン
ボス部屋を出て10階層入り口に行き管理をしているギルドの人に話しかけて転移陣で迷宮を出た
ルキナの服装は変わっているのだが暗がりだしギルドの人には気付かれなかった
迷宮を出ると直ぐにギルドにある部屋に行き
ルキナには自分の服に着替えさせ、俺は部屋のドアの前に立っていた
「..........」
くそ....くそくそくそ
守るって言ったのに....結局は守れなかった。
何が英雄だよ....大事な子一人守れてねえじゃん
ルキナは大丈夫って笑って許してくれたけど。俺が俺自身に許せない
途中で止められたんだから良いじゃん?
バカか?ルキナは襲われそうになって。どんな顔をした?どんな感情を抱いた?
恐怖を抱き、涙目になった。
今回ルキナは初めて貞操が強制的に奪われそうになる恐怖を感じたんだ。
今までは呪いがあるから怖いと思いながらも心の何処かで安心できていた。
だけど相手が魔物なら話しは違う。呪いは発動せず貞操は奪われる
俺がミスったから。油断していたから。何があっても守れると自分の力を過信していたから
ルキナに怖い思いをさせた。泣かせた。心に傷を負わせた。
くそっ!くそくそくそ......
自分の不甲斐なさに対して苛立ち。手に力を入れていると
背にしてあるドアからノックがされた
"コンコン"
「着替え終わった?」
「はい。」
「開けるよ」
「はい」
ドアを開けると女物の服を着こなしたルキナが目に前で立っており
着ていた俺の服は綺麗に畳まれてベッドに置かれていた
「その....今日は自由にしてて良いよ。休むなりフィーネの手伝いをするなりさ」
「え?ご主人様は?」
「.....俺は迷宮に潜ってくるよ」
「なら私も...」
「ルキナは休んでて。霊剣の試し切りするために50階層のボス狩るだけだから。」
嘘じゃない
近い内に霊剣の試し切りをしようとは思っていた
まあ。本当の理由は今回の件でむしゃくしゃするから暴れたいってだけなんだけど
それともう一つ
「なら余計に私を連れていった方が...」
「ごめん。今は一人になりたい気分なんだ。今日の事もあるしルキナは休んでいて。ね?」
「......はい」
「それじゃあ俺は迷宮に行ってくるよ。ゆっくりしてるんだよ?」
「はい。お気をつけて」
「うん。」
部屋を出て直ぐに迷宮の転移陣まで行き50階層にワープした
現在俺は60階層でストップしてある。今回60階層ではなく50階層を選んだのは小手調べだからだ
50階層のボスはワイバーン、スライム、オーガの三種類が出て来る
ワイバーンは飛竜種と呼ばれており前足が翼と一体かしている
スライムはまあ...デカい。ゲル状の大きな塊とでも思っておけば問題はないだろう
オーガは読んで字のごとく鬼だ。角は二本あり全身が分厚い筋肉で出来ている武器は棍棒を使うが...ぶっちゃけ棍棒無しのが強い
50階層のボス部屋前には人はおらず管理をしている人も人が来ることに驚いていた
俺は誰もいないので直ぐにボス部屋に入り、中央へ着くと階段前に魔力が集まっていき...
「さて....何が出るかな」
ルールはそうだな...
魔法禁止、バフは変幻自在、風絶魔装、身体強化だけで良いかな
「GYAOOOOOOOOOOON!!!」
「お...ワイバーンか」
ワイバーンは出現すると同時に挑戦者に威嚇するように吠え、前進してきた
無限迷宮は10,20階層が初級者、30,40,50階層が中級者、60,70,80階層が上級者、90階層以上は化け物と言われている
理由は単純なボスの強さっていうのもあるが、10,20階層は挑戦者が先手を打つまで動かない,30,40,50階層からは相手が先手を撃ってくる可能性がある、60,70,80は確実に先手を撃とうとしてくる
90階層からはまずボスの強さが桁違いだ
俺は霊剣を抜いて両手で構えると前進して来るワイバーンに此方からも踏み込んで近付いた
ワイバーンは俺が近付くと腕を上げ攻撃してきたが、それを両手剣で受け止め腕のスナップを利かせワイバーンの腕を滑るよう剣を動かし腕を切り裂いた
霊験はワイバーンの鱗毎切り裂いたので血が滴り落ち..ワイバーンは痛みに反応するように後ろに下がった
「へえ....ワイバーンの鱗すら切り裂けるのか」
これは十分な収穫だなと思いながら下がったワイバーンに追い討ちを掛けるために近付き、深く踏み込むと膝のバネを使って飛び上がった
ワイバーンは飛んで近付いてくる俺を弾き飛ばそうと斬られていない方の腕で真横から攻撃してきたが、変幻自在でワイバーンの死角である頭上に移動して避けると...
ワイバーンの頭に落下すると同時にでワイバーンの額を切り付け、両手剣から双剣へ変えて両目を突き刺した
「GYOGOAAAAAAAAAAGAAAGAAAAAA!?!?」
叫び声をあげながら暴れだしたので顔を蹴飛ばしてその場から離れボス部屋の中央までに移動した
目を失ったワイバーンは闇雲に腕を切り振るい歩き回る
ワイバーンに近付くと足音に反応して怪我をしていない方で腕を振るってきた
それを左手の剣で受け流し右手で剣を振るい此方の腕も切り裂くと....更にワイバーンは暴れ今度は俺を喰らうように口を開けて向かってきたので
双剣から両手剣へ変えて近付いてくる口に会わせて逆架裟切りに振るいワイバーンの口裏を切り裂き、口の中を出ると。直ぐに上がった剣を下げるように振るい顔を切り裂いた
「GUGYOGAAAAAAAAA!?」
顔を抑え、仰け反るようにしたので
無防備になった腹を逆架裟切りと架裟切りを行い切り裂き、両手剣から双剣へ変えて...
右手の剣を振り上げるように振るい腹を切り、右手の剣がワイバーンの体を通り過ぎてからバク転するように上下を逆さにしながら左手を振り上げ、胸と喉、顎下を切り裂き...体を元に戻した
体はワイバーンの顔と同じ高さまで飛び上がっているので双剣から両手剣へ変えて
風絶魔装で空中で踏み込み体重と勢いを乗せて剣を振り下ろした
顔、喉、胸、腹を深く切られたワイバーンは最後の足掻きのように俺の居る前に倒れてくるのですが急いで下がり
ワイバーンが倒れ魔力となって霧散するのを見送った
「ふう。倒せたな。無傷で」
ワイバーンが霧散した所には大きな魔石が転がっていた。
魔石は40階層のボスからはかならず落とすようになっており。連戦をすればかなり儲かるだろうな
自分に対してのイライラはもう消えており、スッキリしているのを自己分析してから魔石を拾いボス部屋を入り口の方から出てから転移陣を使って迷宮を出た
ギルドに変えると...飲み屋でフィーネの手伝いをしていたのか席を拭いていたルキナが俺に気付き、直ぐに席を拭き終わらせて近付いてきた。
「お帰りなさい。」
「ただいま。フィーネの手伝いでもしてた?」
「はい。することが無かったので。ダメだったでしょうか?」
あれ?俺、「フィーネの手伝いでもしてさ」とか言ってなかったっけ?
.....何で聞いてきた?。
ああ....休めって言ってたのに働いてたからか...別にそれぐらい構わないのに
「いや。別に良いよ。それじゃ俺は魔石を換金してくるから。作業に戻ってて良いよ。それと昼食も頼む」
「はい。かしこまりました」
魔石を換金すると金貨5枚となり、それを受け取ってから飲み屋の席に着き、
しばらくすると料理をルキナが運んできたので二人で昼食を取った




