思えるもの
ルキナ (15)(呪い)
Lv34
奴隷契約 八神悠斗(主)
MP317/317
『ステータス』
STR(E+6)INT(D+5)VIT(E+8)AGI(E+5)DEX(D+2)SEN(A+5)
『スキル&魔法』
初級弓術
短剣術
中級聖魔法
???
???
???
???
上級家事術
やっと覚えたな短剣術。
結構時間が掛かったな。まあ術って言うんだからその武器を使ってある程度まで戦えるようにならないと行けないわけだし仕方ないのかもしれない
別にステータスに短剣術を覚えたからっ何かあるわけじゃないと思う。
それは武術や魔法の階級は実力を示す物だと思うからステータスに出た所で何かがあるはずもない。
ただ前に短剣を一本扱うときに違和感があったとリンクさんに言った覚えがある。
それは多分熟練度が関係してると思うステータスの有無に。
例えばだが1+1+1=?の答えは何?って聞かれて普通は3って答えるが1+1+?=?は何?って聞かれて答えられる人は数人しかいないだろう。
三つの1が全て揃ってこそ答えがわかる。逆に言えば揃わなければ答えはわからない
それと同じで何かが足りなければ違和感や扱い辛さが出るんだと思う。
そして全部の1が揃ったとき答えが出るみたいに全部の要素が揃った場合にのみステータスに現れるんだろう。
何々術としてな
それは才能差、つまりSENの値で揃う早さが決まるんだと思う
SENがS(多分最高値)な俺は1からでも直ぐに覚えたり作ったり出来るが
Aじゃ無理なんだろう
赤ちゃんでも何々術や何魔法ってのがあるし産まれた時から得意不得意があるんだと思う
「ステータスで短剣術覚えたみたいだし今日の所はこれで終わりにしようか」
「はあはあはあ...わかり....ました。」
「大丈夫?。ベンチで休もうか?」
「....はい」
ベンチに座るとルキナは自分に回復魔法を発動させながら息をととのえ始めた。
疲れたんだろうな。
SENが高いとはいえ1から何かを生み出すのは辛いんだろう。スポーツで秀才が天才の真似事をしようとするみたいにな
それに接近戦での慣れの問題もあるだろう。
ルキナは回復役だろうし戦闘事態行ったことは少ないだろう引きこもりが運動したら直ぐにバテると同じだ
それに短剣を俺に向けて振るっているとき何かに怯えていた。人体の急所には短剣を振るおうともしてなかった。
それが気になり、ルキナが息を整えたのを見てから話始めた
「どうだった?短剣を使ってみて」
「そうですね。武器が短いので相手に近付かないと行けないのでかなり怖くはあります」
「そっか。じゃあ実際に戦ってみてどうだった?」
「....怖いです。いくら回復魔法が有ろうと痛みがあるのは変わりません。だから自分が傷つけれるのも傷付けるのも怖いです。私を狙って来る人であっても痛みに苦しむ顔はは見たくありませんから」
そうだよな....
誰だって人を傷付けるのは躊躇うよな。
ましてやルキナは回復魔法使いだ。
傷付けるより癒す事を主として来たのなら嫌がるのも当然ではある
「そうだね。傷付けるのも傷付けられるのも怖いよね。でもさ、もし相手を傷付けなくては自分や自分にとって大事なものを失ってしまう。そう言う場合になってもルキナはそう言う事を考えるの?」
「それは.....」
「それじゃダメだよね?。だからさ剣を振るうとき自分が守りたいものを考えてみて欲しい。」
「守りたいものですか?」
「うん。絶対に守りたいもの、失いたくないもの。そして負ければその大事なものを失ってしまうことを」
「......」
俺はそれをイメージしながら戦っている。
多分殆どの人がこんな感じだと思う。
自分の命を守るために。家族を守りたいため、恋人を守るため。大事な物を壊さないため。ずっと続いて欲しい環境も守るため。
大体はこんな感じで頑張ってる。
中には戦うのが。命を掛けるスリルが、相手を傷つけるのが、相手が恐怖に歪むのが楽しいから戦ってる人もいると思う。
少数派だと思うけどな。でもこう言う人達でも。楽しい時間を守るために戦ってるんだ。
他人を守るために命を掛けられるのは狂信者か馬鹿って考える人がいるかもしれない。
テレビのドキュメンタリーとかで見たことがあるはずだ
重い病気に掛かった大好きな子供を守るために、妻(夫)を守るために。医療費を必死に稼ごうとする人達を
寝ずに募金活動したり。割り会わない職に着き体を壊しながらも稼いだり。ダメだとわかっていてもお金を借りたり。
そう言う人達は大事なものを守るために何かを犠牲にしながら奮闘してる。
だからこう思う。そう言う人達を馬鹿にする人達は寂しい人だと。何かを犠牲にしてまでも守りたいと思える存在に出会っていない凄く寂しい人だと。
長くなって逸れたりしたけど要するに人は自分以外の事でも本気を出せるんだ。
俺が家族を守りたいから命を掛けているようにな。
「ルキナには難しいかな?。奴隷だし記憶が無いんだから。」
「....はい」
「別に自分でも俺といる時じゃなくても良いんだ。何か一つないかな?守りたいものがさ。俺でも良いし。フラミさん達やフィーネでも良い。」
「........」
「別に形あるものじゃなくて良いんだよ?。楽しい、幸せな、面白い、心が安らぐ。そんな時間や居場所でも良い。何か犠牲にしてまでも守りたい。そう思える時間やものは無かった?」
「.......あります」
良かった。
これで無いとか言われたらどうしようかと思ってた。
「ならさ、それを守るために頑張ろう?。怖いと思う辛いと思う。でも結果的に守りたいものが守れるのなら勇気を出そ?」
「はい」
「もう暗いし早いけど夕御飯食べに行こうか」
そう言い夕日が沈んでいき少し暗くなってきてるなか立ち上がり
修練場の出口へ歩き始めると
「ご主人様」
「ん?」
「その。ありがとうございます。明日もお願いいたします」
「うん。」
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夕御飯を食べた後は昨日と同じようにフィーネにルキナが連れていかれ別れた。
今。俺はそれを暗い修練場で一人。剣を振るっていた。
「....ルキナには格好付けたけど。守れなかった俺にあんな事を言う資格はないよな...」
自分が幸せだったから付き合ってる子も幸せだと勘違いし
時々辛いと表情を見せていたのにも関わらず知らん振りして...
結果...あいつは....
こんな事を言う考えていたらあいつには怒られると思う。
もしくは「いい加減私の事は忘れなよ」とか笑いながら言いそうだ
どっちにしても寂しそうなでも諦めた目をしながらだろうけど。
「......結衣」
暗闇の中。失った大事なものの名前を呟いたのだった




