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五話

「では次に...町に入るとき大きな壁が有りましたがあれは何ででしょうか?」


「ん?魔物が襲ってくるからじゃねえのか?」

....魔物って迷宮だけじゃねえのかよ

話題増えたじゃん....


「いえ、そういう意味ではなく...あの壁、大き過ぎませんか?」


「デカイに越したことは無いじゃねえか。」


「そうですが...まるで人や巨大生物を相手にするかのような大きさじゃないですか」


「....そうだな、確かにそういうことも有るかもしれんな、だってこの街が作られたのは300年前の戦争時代だからな、それに時々魔物が大量出現して町を襲うなんてあるしな」

ああ....だからあんな大きな壁してるのか...納得はした

まあ、要するに投石とかで攻められないようにそして襲ってきた魔物を壁の上から攻撃して真上から安全に殺せるようにって事だろう


「大量出現ですか...怖いですね。あれ...そういえば魔物って迷宮だけじゃないんですね」


「ああ、普通は現れないんだが魔力が一ヶ所に集まりすぎるとな?まあ、その時の為に俺らみたいな冒険者が要るんだよ、安心しな」

ふむ....魔力で出来た魔物は魔力が多く集まってる場所でも出現するのか

それに冒険者か....異世界に来た主人公が就く職業ナンバーワン(多分)


「冒険者?何ですかそれ?」


「傭兵みたいなもんだよ、金をやるからこれを取ってこい、あれを倒してこい、そういう仕事をする連中さ」


「なるほど、じゃあ迷宮に潜るのも冒険者の仕事って訳ですね?」


「そうだな、大体あってるよ」

冒険者か....当分は俺もそれになって稼がないといけないか...

今更だが何で地球での知識が異世界で通用するんだろうか?可笑しくないか?

国によって似た文化のが出来るのはそう珍しくはない、だが...冒険者や魔物、迷宮や魔法、何でそこまで被る?ここまで来ると、冒険者は冒険者ギルドに入っていて、そこでは実力査定にランクが使われている。なんて事も無くあり得る...硬貨は銅貨、銀貨、金貨。か?


「おい、どうした、そんな考え込んで」


「え?あ、いえ...その色々教えて貰った事を整理してるんです。すいません」


「そうか...他に聞きたい事はないか?」


「そうですね....物が欲しいとき、どうすれば手に入れれますか?」


「金だな、金は銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨、計7つに分類される、銅貨10枚で大銅貨、大銅貨10枚で銀貨。こんな感じに10個あればもうひとつ位になる。そして銅貨1枚をスピナとも呼ぶ、目安はそうだな...大体銅貨3枚で串焼きが変える、あとは..銀貨1枚と大銅貨5枚で一日宿に泊まれるぞ」


「なるほど...」

硬貨も予想通りか...それは今は置いておくか

えっと、銅貨3枚で串焼き1本だから日本円換算で銅貨1枚35円か?

だから...35の150倍だから....5250か...どんなぼったくり店だよ.

串焼き店からしたら...52本売れれば今日一日分の宿大が稼げて、もう20本売れれば多分食費と次売るための肉を買える...そう考えると...やっぱり可笑しくないか?。誰が売るんだよこんな稼ぎにならん奴...


「その...どうでも良いんですが...串焼き屋って儲かるんですか?」


「何故だ?」


「その...一日100本近く売らないと割りに合わない気がするんですけど」


「そうか?。一日分の食費は大体大銅貨5枚ですむ。なら串焼きを一日20本売れば良いだけだろ?」

あ....そうか、そうだよな

何で家賃なんて考えてるんだ...普通は自分の家を持っているよな....

この世界には水道とか電気とかガスに金がかかる訳じゃないんだよな....でも串焼きって売れるのか?


「そうですけど...串焼きって需要あるんですか?」


「あるさ。安く簡単にエネルギー補給できるしな」


「ふむ....もしかして果物とかは銅貨1枚だったり?」


「そうだな、高くなければそんな感じだ。それがどうかしたか?」


「いえ...」

ふむ....苗れば簡単に手に入る果物と、いちいち狩りに行かなければならない肉類には

値段的に大きな差が出来てるのか...多分、同様に野菜なども安いんだろう

そう考えると食生活には困らないか.....家賃や宿暮らし、裕福な生活でもしない限りは


「では...そのスピナが通用するのはフレスベルグ以外にありますか?」


「ある、アースガルド連合国の共通硬貨だな」


「アースガルド?」


「そうだ、アースガルドは別の国からは7つの国で出来た聖霊連合国と呼ばれている。そして連合国にはそれぞれ7体の聖霊が住んでいる場所だ」


「他の国には居ないんですか?」


「居ないな.聞いた事もない」


「そうですか」

7つの国か....って事は聖霊で別けれているのか...な?

それぞれの国に聖霊が住んでおり、多分宗教か何かをしてるんだろう。あのフレスベルグの壁もきっと宗教戦争のせいだろう


「じゃあ最後に...今俺達がいる建物は何ですか?」


「冒険者ギルドさ、冒険者が稼ぐために取って来た物を買い取り、必要な者に売る。逆に必要な者が提示した物を冒険者ギルドで公表して冒険者に取ってきて貰う。今じゃ後者が殆どだがな」

......ここまで同じになるのか

これは..異世界物の本を書いた人物はこの世界に来た可能性があるな..帰ってきた人が誰かに教え、教えられた人が書いた可能性もあるか....

そしてその人が書いたものが面白く売れたから異世界の情報が被ってる...現に異世界の住人を呼ぶ事が出来ているしな


「じゃあ...俺も冒険者とかになれるんでしょうか?」


「ああ、なれるさ。稼げるかどうかは別問題だがな」


「そうですか....なら一応冒険者になってみたいと思います」


「そうか、それじゃ冒険者になる手続きしに行くか?」


「あ...はい、行きます。」

個室を出て俺達は受け付けに向かった

最初に来たときと同様に受け付けには人はあまり居らず、並ばずに済んだ


「あ、お話は終わりましたか?」


「ああ、終わったよ。ほれ鍵」


「確かに返却を確認いたしました...それで今度はどういったご用件で?」


「コイツが冒険者になりたいらしい。だからその手続きだよ」


「分かりました。少しお待ちを」

奥に消えていった受付嬢はしばらくすると何枚かの紙とケースを持って帰って来た

リンクさん達は俺が手続きする間、暇になるって言い飲み屋に行ってしまった...

少し不安だが一人でやるしかない、受付嬢はケースを机に置き蓋を開けて中から水晶のような物を取り出した


なんだこれ?

鑑定(サーチアイ)を使ってみると



魔力測定器

ランクB

触れた者の魔力量が分かる測定器

その者の持つ魔力属性も調べることも可能


あ....所謂実力を図る装置か...

大丈夫かな....これで失格とか出たら俺どうやって生きていこう...


「では、これにお触りください」


「はい」

指示通り水晶に触れると青く輝き

そして直ぐに輝きは無くなった。....これで終わりか?

ん?あれ....なんか受付嬢の顔がおかしいな...何か問題でもあったか?


「え....エラー?どうして....」


「どうかしました?。何か問題でも?」


「へっ?い、いえ、何でもございません、では、手続きの続きをしますね?」


「あ..はい」

エラー?.....測定失敗?

受付嬢の表情から察するに今まで無かった事何だろうけど....何故、エラーが起きた?

異世界の住人だったから...とかなら有り得そうだが...あの神様が言うには他にも何人か送ってるみたいだから

あり得ないよな?...素人が稼ぐには冒険者なるしかないんだから...じゃあ何で?


「終わりました、では、これをお受け取りください」


「はい」

受付嬢に渡されたのはGとかかれたカードだった

紐が付いているので首にかけるんだろう


「そのカードはギルドカードと言い冒険者である証となります。カードに書かれている大きな文字はランクと言いギルドでの強さを表しGFEDCBAの順番で強くなっていきます」


「じゃあ俺はGなんですね。どうやったらランクが上がりますか?」


「ランクは信用度も表していますのでDランクまでは依頼の成功数と売ったアイテムのランク数で上がっていきます。 Cからは更に追加で実力試験にも出ていただきます」


「実力試験?決闘や討伐でしょうか?」


「はい、そうなります」

これも...同じか...どうなってんだよ本当にさ

もう何?フラグも存在してるのか?。初心者に喧嘩売ってくるチンピラとかさ


「えっと、その...ギルドカードに書かれている数字って何ですか?」


「所有者のレベルとなっております。このギルドカードのシステムは昔の勇者様が作った物でして詳しくは分かりませんがその数字は所有者にしか見えず、不壊の性質を持っています」


「ふかい?」


「絶対に壊れない性質を持っている物の事です」

あー不壊か

それに昔の勇者が作った物...か

まだ、居るのかな?昔の勇者って人...いるなら会ってみたい


「依頼はどうやって受けるんでしょうか?」


「左側にある壁紙に番号が書いてあります。受けたい依頼の番号を言っていただければ依頼は受けれます、ただし個数制限がかかっている依頼に関しては壁紙から外して持ってきてくださいね、そして依頼には依頼事に達成時間が決められておりますので、時間を過ぎた場合罰金となります」


「罰金ですか...ギルドのランクが下がったりは?」


「最低ランクのGにはありませんがあまりにも失敗が続いたり、犯罪を起こすなどをした場合ギルドカードを没収となります。それとギルドカードを紛失した場合再発行には銀貨1枚掛かります。呉々も無くさないように」


「分かりました」

紛失か....盗まれたりしない限り大丈夫だろう...でも治安とか良くなさそうだし気を付けるべきか

それと...破損だけど..しないって言ってたしこれは大丈夫なのかな


「あ、それと初心者の冒険者の方限定で無料でお部屋を貸し出しておりますが、いかがなさいますか?」


「いつまででしょうか?」


「30日間ですね。それ以上はお貸しできません」


「そうですか...ならお願いします」

これで住む場所は確保か...

1ヶ月の間に稼げば良いだけの話だし何とかなるだろう....多分


「では。これがお部屋の鍵です。共同部屋なので失礼がないようにお願いいたします」


「分かりました。じゃあ俺はもういきます。ありがとうございました」


「いえ、仕事ですので、それではまたのお越しを」

ギルドカードを首から提げ、鍵をポケットに入れて

リンクさん達がいる飲み屋の席へと俺は向かった



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