闇の勇者との御対面
「そうか....やはり転移者だったのか...」
「はい。疑ってはいたんですね」
「そりゃの、風聖霊と契約を結び、記憶がなく出所は不明。更には成長速度や実力が高いと来たら。誰だって疑うわい」
「そう..ですね」
だよな...
俺がこの人でも俺みたいな奴がいたら疑う。
「だが。不快には思っておらんよ。黙っていたかった事を話してくれたんだろう?」
「そうですね。世界を救うとしても俺がこの転移者や勇者だとばれた場合相手はいきなりの戦力強化や奇襲、暗殺をしてくると思います。俺なら絶対にします。」
「そうか。なら何故この事を話した?」
「それは...国の力を少しでも借りられたら良いかなと。流石に俺一人じゃ限界があります。」
情報を扱うって点では国には絶対に勝てない。
なら情報だけなら国に頼ろう。そう思って打ち明けた。
「そうだな。人間一人じゃ限界があるのは分かりきっておる事だ。質問を変えよう。何故ワシに話す事が出来た?」
「信頼しているから...」
「ほお?」
「と言えたら格好いいんですけど。実際は賭けに出ただけです。早いか遅いかの違いなら。情報が貰えるかも知れないって点に賭けて話しただけです。」
これで良いのかな?
「信頼しているから」と答えたときは疑いの目と俺を推し量るような目付きをしていた。
そして本心を言ったときは少しだが笑っていた。
これで良いかは分からないが悪いことにはならないと思いたい。
「そうだな。情報与えることは出来ないことはない。」
「条件は?」
「レイシアを幸せにしてやってくれ」
「.....は?」
いやいや。どういう意味だよ。
さっき無理って言ったじゃん。
いや。「結婚しないか」と「幸せにしてやってくれ」は似ているが微妙に違うか。
前者は過程を求めているが。後者は結果を求めているか。
結婚は幸せになれるかも知れない。だけど。確定ではない。
だけど幸せにしてやってくれはどんな方法を取っても幸せしなくてはいけない。
...無理難題な気がするんだけど...
「いや...結婚よりハードル上がってませんか?」
「そうだな。だが父親として娘が明るく笑っていられる環境ってのは何を捨ててでも作り上げたいものだ。それは理解は出来るだろう」
うわ....この人、肯定するしかない聞き方してきた。
仮に「気持ちはわかるだろう?」なら体験していないのでわかりません。で通るが
その気持ちの理解は出来るし。子を幸せにしたいと思うのは親として普通だからな
ただ、疑問なのが...
「そうですね...だけど何故俺なんです?」
「それは...それは娘本人から聞くと良いだろう。親が言うことではないししてはいけないことだ。」
「はあ?..まあ出来る限り頑張ります。もし、闇の勇者との結婚が不幸せになるのらそれを俺は止めるべきなのでしょうか?」
「そうだな。止めてくれ。あの子が何もかも諦めて笑う所は見たくない」
「わかりました。じゃあ俺は上がります。のぼせそうです。」
「それならワシも上がるよ。」
国王は俺とは別の扉からお風呂を出ていった。
俺は脱衣場で体を拭いた後服を来てレイシアさんの部屋に戻った。
扉の前につくと取り合えず"コンコン"とノックをした。
「俺です。入ってもよろしいでしょうか?」
「構いませんよ。」
承諾を得たので鍵を使って中に入った。
ソファに座りながら本を読んでいるレイシアは少し肌が赤くなっていた。
多分レイシアさんもお風呂に入ってきたんだろう。
寝る前にだからかネグリジェを着ている。幸薄いやつじゃなくて肌が見えないやつだったが。
俺は本棚にあるまだ読んでない3巻を持ってソファに座った。
鑑定で読み終わるともう読み終わっていたのか本を置いて俺を見ていた。
読みを終わるを待っていたのか話しかけてきた。
「ユウト様。明日は闇の勇者。ドラクレイ・ナハト・イケガミ様がここ聖王都に到着なさせます。私達は出迎えをするのではないので...その..」
へえ。もう来るのか。闇の勇者。
それになんでレイシアさんは出迎えをしないんだ?普通は妃になるかもしれないならするよな?
それほど危険な奴なのか?
「その...一緒にパ、パレードを見ませんか?」
「良いですよ。そもそも護衛なのでレイシアさんが行くのなら俺もいくしかないです。」
パアァっと嬉しそうな顔をすると軽くガッツポーズをしていた。
そんなにパレード行きたいのかな?
まあそりゃそうだよな。自分が結婚する相手をいち早く見たいのは当然だ。
「で、では。朝食が終わったら早速町に行きましょう。お越しになられるのは昼なのですがお祭りの屋台など出てるので回りたいです。」
「わかりました。じゃあ。もう寝ましょうか。眠くて楽しめ無かったら意味ないですし。」
「はい!お休みなさい、」
「おやすみ」
レイシアさんは俺に本を渡すとがソファから立ち上がってベッドに入ったのを見てから俺が部屋のランプを消した。
俺は本を棚に閉まってからソファに寝転がり渡された毛布を被って。明日の事を考えながら眠りについた
珍しく?俺は自分で朝起きることが出来た。
鑑定によると今は午前7時。代替朝食の準備が出来るのは9時なので
まだレイシアさんを起こす必要はないだろう。
体を起こして軽くストレッチを行った後本棚に向かい4巻を手に取ってソファに座った。
まだ部屋が暗いので文字は見えないが鑑定を使って内容を理解してるだけなので問題は無い
読み終わる頃には8時になっており俺はレイシアさんを起こすため立ち上がりランプをつけてからベッドの横に移動した
明かりが眩しいのか寝返りを打つレイシアさん。
本当にこの人可愛いよな....ずっと見ていても飽きない。
嗚呼...なんで結婚の申し出断っちゃったんだろう...勿体な過ぎる..
「......ってなに考えてんだ俺!早く起こさなきゃ」
顔を勢いよく振って煩悩を振り払ってかれ俺とは逆に体を向けてるレイシアさんの右肩を揺らした。
何回か揺らすと寝返りを打ち仰向けに戻った。そして。
「………うんん?」
「起きましたか?レイシアさん。もう朝ですよ」
「ふえ?ユウト様?......おはようございます」
目を擦りながら体を起こしたレイシアさん。
こんなシーンでも絵になるなーと思いつつ。
「おはようございます。後一時間位で朝食の時間になると思いますので準備してください。」
「はい....その。着替えるので部屋を出ていってくださると...その..別にユウト様なら..見られ....」
「わかりました。着替えが終わったら読んでください。」
また爆弾発言をしようとしたレイシアさんの言葉を無視して一方的に伝えた後部屋を出て扉に寄りかかった。
あれ九分九厘見ても良いって言おうとしたよな...ネグリジェのしたには一応下着を来てると思うが...
て言うかなんで俺ならokなんだ?
俺の事好きなの?それとも男子として思われてない?
前者は嬉しいが後者だとキツいな...
後ろからカサカサとした着替えの布が擦れる音がするが頭を振って意識を離した。
しばらくすると着替え終わったのか「入ってくれませんか?」と言う声が聞こえてきた。
しかし良かった。ラノベとかじゃ自分で着替えられない系の王女様いるし..
部屋に入ると下着姿のレイシアさんがいた。見た瞬間速攻で体を後ろに回した俺を褒めてほしいよ。
て言うかなんで着替えてないんだよ!おい!良いって言ったじゃん!
「な、なんで着替えてないんですか!そしてなんで下着姿何ですか!?」
「その...脱ぐのは簡単に出来たのですけど...着替えるのが難しくて...普通の服なら一人で切れるんですが..その。ドレスは一人で着るように出来ていなくて...」
なるほど、理由は分かった。
打楽器何故にネグリジェに戻らなかった?そして何で俺にメイドを呼ばせに行かせなかった?
いや。俺護衛だから離れたなら行かないからか...そしてどのみち俺に手伝って貰うしかなくて脱ぐもだから着る手間要らないのか...
わかるよ?状況はさ...でも.....こうなる事分かってたなら何でフラミさんじゃないんだよおおおお
「....わかりました。手伝います。」
「お願いします...」
着替えという一大ハプニングを顔を真っ赤にしながらクリアすると。
部屋にメイドがやって来て朝食の準備が出来たことを知らせてきた。
あ....もう少し待ってればこの人たちがやってくれたんじゃね?と思ったがもう時既に遅しだった。
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朝食(何故か俺とレイシアさんの量は少なかった)を終えるとレイシアさんは部屋に戻って一般服に着替えてる時言うので部屋の前に立っていた。
着替え終わると部屋を出来たレイシアさんと城を出て歩いてパレードの所まで歩いた。
もう屋台は並んでおり。子供達やその親。結婚式と言うイベントで遊びに来た旅人で結構賑わっていた。
「レイシアさん。はぐれると面倒ですし手を繋ぎませんか?」
「え?あ、はい。お願いします。」
恥ずかしそうに嬉しそうに顔をうつ向けたレイシアさんの手を取って俺質は人混みの中に突入した。
屋台には焼き鳥や肉まん?。焼きトウモロコシや。射的、クジ屋なんてものもあり殆ど日本の祭りと大差はなかった。
まあ。専用の機械がいるリンゴ飴やわたあめ、カステラやたこ焼き、アイス等は無かったが結構楽しかった。
一つ問題だったのはレイシアさんがお金を忘れた事だったがそれは俺が全部奢ることで解決をした。
買った物をベンチで休みながら食べていると
「朝食が少なくて良かったですね。」
「そうですね。多分祭りで食べることを予想して少なくしてたんだと思います。」
食べ終わる頃に何故屋台を畳む人が増えてきた。何でだ?
「何でもう屋台を畳んでるんですか?」
「パレードを行うので屋台を閉まって人が大勢見られるようにするのではないでしょうか?。畳終わったらスロープが設置されると思います。」
「なるほど」
まあ。邪魔だよな。見る側からしたら。
日本でもオリンピックっとか終わった選手がパレードする時はスロープとかバリケードとか設置されるとするような物か
せっせと準備をしていってるのをのんびり見ていると。人が大勢スロープに集まり始めた
「行きましょうか。」
「はい!」
差し出した手を握り返してきたレイシアさんと人混みにまぎれて護車が来るのを待った。
そして
門開かれると同時に護車が喝采を浴びながら入ってきた。人混みに飲まれながら近づいてくる護車を見ていると..
「きゃっ!?」
人混みに押されてスロープを抜けた少女が護車の前に転びますながら出てしまった。
人も慌てているのか騒いでいる。
それをウィンドサーチで確認した俺は
「レイシアさん、ちょっと待ってて貰えますか?」
「はい!」
「なら構いません。行ってきてください」
「ありがとうございます。」
承諾を貰った俺は風絶魔装をとリバウンド使って今にも馬に激突しそうな少女を抱えて馬車の進行方向のも遠くに着地した。
突然出てきた俺の事に気付いた護車を運転する人は命令を無視して急ブレーキを行った。
俺は少女と同じぐらいまで体をしゃがむと
「大丈夫?」
「うん。大丈夫。ちょっと怪我しちゃったけど。平気だよ。お兄さん。ありがとう」
「どういたしまして。じゃあお母さんの所に行って。心配してるよ。」
「はーい。ママーー」
少女がお母さんの所に行くと同時に護車から人が出てきた。
黒髪で目は厳つくガタイは良い。不良イケメンだ。
出てきた勇者は俺を発見すると睨んできて。
「てめえ。何様のつもりだ。よくも俺が乗ってる護車を止めてくれやがったな」
弱い殺気を放ちつつ言ってきた勇者に俺は
殺気に対して怒気で返して強く睨み返した
何回も言いますがレイシアはメインヒロインじゃありません