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別れ

「ねえ、悠君」


「なんだよ。結衣」


「なんでもないよー」

そう笑いながら彼女は俺から遠ざかっていく。

遠ざかっていく結衣を追いかけるため走った....だけどいくら走っても。追い付けず、どんどん遠ざかっていく。

諦めず追いかけてると。結衣は立ち止まり、俺の方へと振り返った


「ねえ、悠君。今幸せ?私がいなくてもやっていけてる?。いい加減私の事を忘れて違う道進んでみたら?」

結衣にそういわれ足を止めた。


「そ、そんな事出きるわけねえだろ!?」


「そっか……ごめんね。私のせいで。こんな事になっちゃって。でも嬉しいな今でもこんな思ってくれる人がいてくれてさ。」

話をしてる間も走り続け、やっと追い付いた

俺の答えを聞くと何故か涙を流しながらも笑い、嬉しそうな楽しそうな顔で今度は近付いてきた


「おい、待てよ。行くなよ。まだ、俺はお前に……」


「じゃあね。悠君。本当に悠君といられて幸せだったよ。だからそんな悲しい顔しないで」

そいうと結衣は俺にキスをして、離れていき消えていった。





















































「待てよ!結衣!」

俺はそんな声と共に目を覚ました。寝ている間に泣いていたのか顔が湿っている。

手は何かをつかもうとして失敗したように天井に抜けて伸ばしている。


「また……この夢か。いい加減忘れないと行けないのにな……はあ」

結衣は中学三年の4月から高校一年の7月まで付き合っていた彼女だった。

そして彼女....結衣はある事件が切っ掛けで....いや、俺のせいで自殺した...

はあ。なんで今この夢見たんだろ……


ああ……そっか。リンクさん達がしていた辛そうな顔……当時の俺の表情に似てたんだ。

大事な人を失った時の俺の表情に……。


取り合えず夢の事は考えないようにしよう。辛くなるだけだから……

そう思い俺はベッドから出て。寝癖のある髪をある程度整え、双剣を腰に下げてから部屋を出た。

一回に降りるともうお婆ちゃんはカウンターに座っていた。


「おはようございます。お婆ちゃん」


「おや、今日は早起きだね。何かあったのかい?」


「ちょっと嫌な夢見てさ……。それよりご飯出来てる?」


「そうかい。ご飯はまだ出来てないよ。それと顔洗ってさっぱりしてきな。酷い顔顔しておるよ」

やっぱりお婆ちゃんにはばれるか……なるべく表情に出さないようにしたんだがな……年の差って怖いなと思う

俺はお婆ちゃんに言われたとおり、宿を出て裏手にある水道を使い顔を洗った。

目がちゃんと覚め少し寝ぼけている頭が少しだけシャキッとした。

宿に戻り、食堂の椅子に座った。


さて、これからどおするか.....お金は今14万近くある...

これからこの宿でやっていくなら毎日銀貨5・5枚が無くなる、まあ余分に考えても7枚にしよう

700スピナだから1400÷7になって....えっと200日か

結構持つなぁ....浪費しなければ結構な間働かなくて済むって事か....それとも何買うか?

例えば...奴隷とか


コトン

突然物音が聞こえ、そこに顔を向けると

テーブルには黒い液体が入ったカップが置かれていて。横を見るとフィーネちゃんがいた


「あ、ありがとうございます」


「いえいえ。気にしないでください。お婆ちゃんに持っていけって言われただけですので、では」

それだけ言い厨房の奥に移動していった。あのお婆ちゃん小汚ないイメージだったけど案外気が利く性格なのかもしれない。多分これも。落ち込んでいた俺が、テーブルに座って何かを考え始めた俺の事を心配しての事なのだろう。

カップを手に取り飲んでみる。


「コーヒー……なのか?」

その液体はコーヒーにしていた苦味や風味などが似ている気がする。あんまりコーヒーは好きじゃないが

頭が覚めるので飲み干した。

奴隷の事は取り敢えず置いておくか、まずはソロでやっていく術を身に付けなければ話にならんからな。

リンクさん達に頼んでみるか……

そう思っていると。ちょうど良くリンクさん達が降りてきた。 顔の表情が優れない事からおれと同じで嫌な夢でも見たのだろう。


「おはようございます。」


「お、おお。おはよう、今日は早いんだな」


「ええ、まあ。嫌な夢見たものですから、」


「そうか……俺と一緒か」

やっぱり嫌な夢見ていたか……挨拶してきた時は取り繕った感じだったが、今は昨日と比べると多少ましだが。辛そうな顔をしている。

二人は俺と一緒のテーブルに座るがずっと黙っている(ルウガさんはいつもだが)

取り合えず。この空気なんとかしないとな。話題を変えるか……こんな話していても辛いだけだしな。


「あのリンクさん、頼みたいことがあるんですが」


「ん?なんだ?」


「俺、これからソロでやっていこうと思ってるのですが。何かアドバイスないですか?」

少しだけ、表情に明るくなった気がする。気が少し紛れたのかな?

昨日、リンクさんの元で学ぶと言ったが...必要な部分だけ教えて貰えれば俺は充分な事に気付いたのだ


「ふむ。そうだな。基本に冒険者は薬草集めや収集、討伐がメインとしてやっていくわけだが。それがどこに生息しているか。薬草ならどうやって採取するかなど知っておくと便利だな。特殊な薬草になるほど特殊な技法で採取しなければいけないからな」


「なるほど、」

生息地か....確かに勉強しておく必要はあるな

いくら鑑定(サーチアイ)で本物かを調べられても場所が分からなければ話にならん


「後は生活魔法を覚えておくと。山で野宿するとしても便利だぞ」


「生活魔法ですか?。どうやって覚えるんですか?」


「覚えるのは簡単だぞ。必要な生活魔法が入ってる魔石に魔力を流し込めば、覚えることが出きる。

値段はそれなりにするが。一個1000スピナ位だから、今のお前には余裕だろう」


「そうですか。ありがとうございます」


「別にいいさ。あ、後今日から俺たちは町を出ることにしたんだ。」

そうだよな。昔の友人が問題を起こした町にはいたくないよな。辛い過去を思い出すだけだし

俺も結衣が自殺した後親に頼んで転校させて貰った。


「そうですか。寂しくなりますね」


「まあな。俺もこの街はなごり惜しいが。国からの要請でな。今すぐでなきゃならん。」

ん?国からの要請?何があったんだ?


「国からですか?。何があったんです?」


「それはわからん。だが、噂によると近々魔物が迷宮ではなく山などに沸いて。冒険者を襲ったり、山を降りて旅行者や商人を襲っているらしい。だから原因究明と被害軽減のため格町の高ランカーが呼ばれることになってるんだ。」

なるほど、本来迷宮に沸くはずの魔物が山に表れ人を襲っているとなったら一大事か……

そのため熟練者であるリンクさん達が呼ばれたと

考えてると鐘がなり始めた


「おっともう飯の時間か、取り合えず話は止めた。食べようぜ。」 「………ん」


「そうですね」

鐘の音を合図に続々と人がいてくれてさやって来た。

運ばれてきた料理は昨日とは少し違い、ハンバーグ?とハムエッグ、パンとスープになっている。

お金を払い、食べてみると。見た目通りハンバーグだった。

食べ終えるとリンクさんは準備があるらしく。早々と宿を出ていった。

出ていく前に魔石を売っている所を教えて貰ったので。俺も宿を出て魔石屋に向かった。



魔石屋は東ルートと北ルートの間の北東ルートにあり

店は薄暗く辛気臭い。

店内に入っても薄暗く。棚には数々の魔石や絵巻みたいな物をを置いてるのが若干わかる程度だ

店の奥に気配が薄いが人がいるっぽいので。聞いてみた。


「あの、生活魔法の魔石ってありますか?」


「あるよ。待ってな」

そういいお婆さん(性別ははっきりわからないが声からして高齢の女性だと思う)は置くに消えていった

帰ってくると。部屋にランプを灯した。

明るくなった店内でお婆さんは持ってきた3個の魔石をカウンターに出した。 それぞれ、白、赤、青色になっている。


「これが、ライト、ファイア、ウォーターの生活魔法石だよ。一個1000スピナだよ」


「買います。」

そういい金貨1枚を渡した。


「ほいお釣りの7000スピナだ」


「ここで使っても良いですか?」


「構わんよ」

了承を貰ったので取り合えずライト(白い魔石)を手に取り。魔石に何かを流し込むイメージをした。すると魔石は光輝き。収まると同時に手から魔石の感触が無くなった。

これで覚えたのだろう。ステータスを見て、生活魔法ライト(10)と表示が出てるのを確認し。残りの魔石も同様に扱った。



八神 悠斗 (16)

Lv 21

八神 悠斗 (16)

lv 21

MP 103/103(150-25)

『ステータス』

STR(D)INT(E+3)VIT(E+5)AGI(D)DEX(D+6)SEN(S+2)

『スキル&魔法』

双剣術

初級風魔法

生活魔法 ライト(10)ファイア(10)ウォータ(10)

次元魔法

鑑定(サーチアイ)

???

共通翻訳機能



MPが減っているのは魔力を流したせいだろう。 気になることが二つある。

1つはスキルが二刀流じゃなくても双剣術に変わっていること。

これはまあ、多分だが昨日の3人との戦いで副武器(サブウェポン)を主として戦ったせいだろう。

二つ目は生活魔法での名前と風魔法の名前の特徴がほぼ同じってことだ。

初級風魔法はウィンド、生活魔法ではライト、ファイア、ウォーター。

どっちもただ英語にしただけだ。違いがあるとしたら威力か使用条件だろう。

多分、生活魔法だと簡単に覚えられるが戦いでは使えず威力事態も低く。

普通の魔法だと、覚えるのが困難だが威力があり戦闘でも使える。

まあ、こんな所だろう。


魔石屋を出ると俺はギルドに向かった。

ギルドに付き俺は中に入らず、まっすぐ修練場に向かった。

修練場には誰もいなかったので。魔法の試し打ちをしてみた。

推測通り威力が低く。ファイアはライター並みの火が指に灯び、ウォーターは勢い良く腕から水は出たが水圧が全然無かった。

生活魔法の確認をしていると。修練場に誰かが入って来る音が聞こえた。


顔を音がした方に向けると。来たのはフルムだった。

向こうも俺に気付いたのか話し掛けてきた。


「何してるんだ?。回りが濡れてるし。魔法の練習でしてたのか?」


「うん。まあね。生活魔法ってあるだろ?それの試し打ち。そっちは?」


「そうか、俺は魔法の練習だな」


「魔法の練習?」


「ああ、魔法は生活魔法以外は使う度に強くなっていくんだ。威力の調整や魔法操作も上手くなる。」

ほお、それはいいこと聞いたな。俺の風魔法威力弱いし定期的に使っていけば強くなるかも知れない


「それでどんな練習でするんだ?」


「そうだなまずは感覚でだけどMPの半分を消費するまでひたすら発動し続ける。こうすることで体の魔力が今どれくらいなのかわかる事が出きるしずっと発動し続ければ、単体で発動するより疲れるし消費が多いが、その分早く強くなれる。」


「なるほど、俺もやってみるよ。【ウィンド】」

しばらく出しているとどんどん気が滅入ってきたこれが、魔力の減りなんだろうな。

横にいるフルンも顔が辛そうだ。

俺はステータスを確認しながら半分を消費させた


「この後は?」


「この後は魔力を多く使用して。威力をあげる事をする。これはイメージの問題だから甘くイメージするとその分だけ威力が低くなるから気をつけろよ」


「了解」

忠告通りイメージをしっかりしてみた。体にめぐっている血を魔力だと思い込み、めぐっている魔力をさらに風の流れだと思い込み、それを勢い良く手から出すイメージをして【ウィンド】を行った。

確かにさっきまでの風とは違い突風みたいになった。MPも20ではなく30も消費した。 残り魔力は10しかない


「おお、出来たな。なら次は………」


「ごめん、俺もうMPが殆どない」


「そ、そうか、なら一度休憩しようか。」


「ありがと」

少し休憩をして。MPが半分回復するまで色々魔法の事をフルンから教わった。





☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆





夕方まで練習した後解散となった。

宿に帰るため、噴水広場を通っているとリンクさん達と八会わせた。


「もう行くんですか?」


「ああ、そうだ。今からいかないと明日の昼には首都に到着しないからな」


「そうですか」


「そんな辛気臭い顔するな。冒険者なんだから出会いがあれば別れもあるさ」


「そうですね」


「まあ、そんなわけだから、俺たちは行ってくる。また会おう。成長を楽しみしてるよ」


「はい!。頑張ってください。」

そういい二人は歩いて北門へと移動していった。

色々してくれたいい人だったので少し寂しいが。俺は仕方無いかと割り切り宿へ向かった

そして今日一日という幕は閉じたのだった





☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆





ある建物内で二人の男が話し合っていた。


「あ~あ、フレスベルグの熟練者が出ていちゃった」


「何を残念がっているんだ、これで邪魔物は居なくなっただろ、俺の計画を邪魔した新人もさすがにこれだけの数を相手には無力だろうしな」


「そうだね。よし作戦の結構は予定通り明後日の夜中だ。遅刻するなよ☆」


「お前に言われたくないな」


「そりゃそうだ」

二人はその会話の後直ぐに解散し何事も無かったかのように消えていた

この時新たなる事件が起きようとしていた、そしてこれから起こるであろう激闘の最初の戦いの始まりでもある


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